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@リアスNPOサポートセンターでのスキャンスナップの利用事例

2011年7月22~23日に開催した、Hack For Iwate@遠野まごころネットのイベントがきっかけとなり、株式会社PFU様よりスキャンスナップ@リアスNPOサポートセンター(以下@リアス)さんに寄贈されました。今回の釜石への帰省で、どのように使われているのか、事務局長の川原さんに取材させて頂きました。

(2011/10/11)

@リアスNPOサポートセンターとは
そもそも@リアスは、2004年に、釜石の街づくりを推進するために設立されました。震災前の主な活動として、岩手県土砂災害防止法に基づく住民説明会の実施や、釜石市の委託事業として釜石市内の空店舗を利用して街に賑わいを取り戻すためのプロジェクトまるごと情報発信ポータルサイトと、リアルフリースぺース「かだって」の運営と、「かだってタイムズ」の発行をしていました。

@リアスは津波避難ビルにある

震災の日は、釜石市健康福祉センターの8階で、新潟県のNPO法人都岐沙羅パートナーズセンターから講師をお招きし、セミナーを開催している最中だったそうです。隣の釜石市のぞみ病院に、講師の方と共に避難。その後、解散した後も、川原さんと代表の鹿野さんは、そのままのぞみ病院にとどまり、エレベーターが使えないため入院患者さんを内陸の病院に搬送する手伝いなどをしながら、3月一杯過ごされたとのこと。

釜石市との業務契約が後1年残っていた、2011年4月。市からは、釜石のために動いてくれるのであれば何をしてもらってもかまわないと言われ、様々な復興支援活動を進めています。

スキャンスナップは欠かせない
「スキャンスナップをどういう風に活用していますか?」という質問に「どうもこうも、これが無いと仕事が回らないです。そもそも、震災前からユーザーでしたので、パソコンの次に欲しいものでした。プリンタよりも。」とのこと

@リアスNPOサポートセンター 事務局長 河原さん

とにかく、震災以後、@リアスさんに求められることが多岐に及び、かつ活動範囲が広がっていくばかり。そのため、どんどん書類が増えていく一方。紙の書類を持って、あちこち移動するのは不可能なので、スキャンスナップにかけ、データをタブレットに入れて出かけるスタイルで、スタッフ一同活動をしています」とのこと。契約書以外の文書は全て、スキャンスナップにかけられているそうです。

活用例1:チラシをスキャンスナップにかけ、情報を欲しい方に、メールに添付してお知らせ
例えば、今、釜石・大槌では、色々なイベントが企画・実施されています。その情報は、チラシ、つまり印刷物で回ってくる事がほとんどなので、スキャンスナップにかけ、情報を欲しい方に、メールに添付してお知らせするようにしているそうです。

活用例2:仮設住宅のアセスメントの報告業務で大活躍
岩手県復興局からの依頼で、釜石・大槌地区の仮設住宅の住環境の調査を実施されたときには、仮設団地毎に、手書きで調査票を書き、それをすぐさま県に送らなければならなかったそうです。調査票は、全部で1000ページ弱になり、これをFAXで送ったら、通信費だけでも馬鹿になりませんし、3日以内に送らなければならなかったそう。速さという意味でも、本当に助かりましたとおっしゃっていました。

チラシを電子化してメール配信

大量の調査票を電子化して省力化

活用例3:自分のメモもスキャンスナップにかけて、振り返る

河原さん個人としては、いろいろ考える際に書いたメモ書きもスキャンスナップにとっておいて、移動先で振り返ったり、電話のメモなど、移動している仲間との共有にも使っているとのこと
以前は、別の会社のスキャナを使っていたのですが、それに比べて、読み取り速度が早く、サイズがバラバラでも読み取ってくれるので、それが便利とおっしゃっていました。

今度スキャンスナップに期待したいこと
A3がとれたら完璧!なので、是非出して欲しいとおっしゃっていました。

@リアスは、釜石市が海で働く人が避難できるように建てた通称津波ビルの中にあります。
ビルの周りや、ビルそのものも、津波の爪痕が、まだくっきり残っています。

岸壁に乗り上げた貨物船
@リアスから貨物船へは徒歩5分ほど

その中で、釜石や大槌の街づくりを支援する活動をしているNPOがあり、毎日4人フルで活動されている事が、釜石を離れて暮らしている人間としては、とても心強く思いました。
そして、その活動をスキャンスナップが、裏方としてどっしり業務を支えていました
1台寄贈いただいた後、もう1台買ったぐらい、この事務所ではみな、ヘビーユーザーで、川原さん自身は、一家に1台あってもいいぐらい便利なものだと、大絶賛でした

大活躍の ScanSnap S1500

多忙な@リアスさんに代わり、レポートさせて頂きます
株式会社PFUさま、寄贈いただき、本当にありがとうございました

写真 (@リアスNPOサポートセンター取材)

Hack For Iwate
岩切晃子

www.sinsailaw.infoが出来るまで

Hack For Japan のプロジェクトとして、東日本大震災 通知・事務連絡集 というサイトを構築・運営されている高橋さんから、プロジェクトの立ち上げの模様と現状について寄稿いただきましたので掲載させていただきます。

www.sinsailaw.infoが出来るまで

高橋 悟史 (Hack for Japan)

1. 弁護士有志の方々の想いと活動
3月11日の東日本大震災後、弁護士有志の方々は被災地の直接支援も含めて様々な活動をされてきました。その活動の中で、地方自治体が住民の方からの相談を受ける際に、中央省庁からの通常の法令やガイドラインを参考に対応をされていたのですが、震災後に各省庁から様々な震災対応の法令、ガイドラインが発行されていることが周知されていない状況がありました。各省庁のホームページでは震災対応の法令やガイドラインの情報は発信されているのですが、情報は省庁単位に別々のページで公開され、ある特定のトピックについて省庁をまたがった閲覧や情報の検索が出来ない状況でした。
この問題を解決するために弁護士有志の方々で、各省庁のWebサイトを見て、省庁から発信されている法令、通知などの情報をExcelスプレッドシートにまとめる作業が始まりました。ただ、発表をExcelに書きこむだけではなく、その内容のサマリーを識者の観点でワンポイント解説として加えました。一見難解な省庁の発表内容もワンポイント解説を見ることで内容が理解しやすくなります。

2. IT技術者と弁護士有志の方々の出会いとサイト構築
Excelスプレッドシートにまとめた情報は600を越え、この内容を情報を必要としている人に届ける方法についての検討が行われました。数百もの情報をWebページにして公開するのは手作業では膨大な手間と時間がかかるため、当初はExcelファイルをそのままWebサイトに貼りつけてダウンロードしてもらったら良いのではないかという考えもあったそうです。ですが、Excelをサイトに貼りつけただけでは参照性も悪いですし、検索エンジン経由の検索も難しくなります。
そこで、弁護士有志の代表の方は、Webサイトの作成についてYahoo! JAPANの方に相談しました。Yahoo! JAPANの方はHack for Japanの活動を知っておられたので、スタッフの関さんを紹介してくれ、そこからHack for Japanに相談が来ました。
Hack for Japanの関さんと大垣さんで、早速スプレッドシートからWebサイトを生成する方式の検討が始まりました。ExcelをGoogle Docsにアップロードし、Google DocsのJava Script APIとGoogle Sites APIを用いることで、スプレッドシートの各セルを読み込んで、Google Sites上のページコンテンツに変換することが可能なことが分かりました。この時、プロトタイプは2日程度で完成したようです。

3. サイト構築と技術的な課題
スプレッドシートのセルを読み込みGoogle Sitesのページを生成するプロトタイプが完成し、その後の作業を私が引き継ぎました。プロトタイプの段階ではAPIを活用することでスムーズにページが生成出来ると考えていましたが、実際にサイト全体を整備する中で幾つかの技術的課題に直面しました。幾つかの課題は技術的に解決出来ましたが、リリースまでの時間と使っている技術の制約で解決出来ないままリリースに至ったものもあります。

3-1. Google Apps Scriptではあまり長時間かかる処理を実行出来ない
Google Docsのスプレッドシートを数百行処理してHTMLを生成しようとするとスクリプトが途中でハングしてしまうことが、開発中に分かりました。Google社に問題として報告して解決して頂く方法もありましたが、サイトの早期リリースを優先し、データを100行単位で処理するようにスクリプトを修正しました。あまり格好良くない解決策ですが、最終的なサイトの内容には影響させないで済みました。

3-2. Google SitesのSub Page Listは表示順序をカスタマイズ出来ない
http://www.sinsailaw.info/mhlw のような省庁別の通知・事務連絡リストはGoogle SitesのSub Page Listという機能を使っています。単純で使い易い機能で、フォルダとコンテンツを階層構造で配置するだけで下位階層のコンテンツをフォルダ別に並べて、アコーディオンのオープン・クローズ機能も自動で付けてくれます。ただ、この機能を使った場合にはリストの表示はページのタイトルで自動的にソートされてしまいます。弁護士有志の方々からの要望としては、日付順にコンテンツが並んでいるということだったので、各コンテンツのタイトルには通知・事務連絡の発表日付をyyyy/MM/dd形式で追加することで日付順に並べるようにしました。

3-3. カスタム検索の実装
Google Sitesにはサイト上を任意の検索キーワードで検索する機能が標準であります。弁護士有志の方からはサイト検索に加えて、任意の省庁名と日付範囲で通知・事務連絡を検索出来る機能が要望されていましたが、これはGoogle Sites外(例えばGoogle App Engine)でのアプリケーション開発が必要になり、時間がかかるということで、今回のリリースでは見送っています。実際にはカスタム検索が無くてもある程度サイト検索で検索結果の絞り込みが出来ますので、利用上の不満にはなっていないと判断しています。

3-4. Google Sites上のコンテンツのGoogle検索エンジンへの登録
www.sinsailaw.infoをWebマスターツールに登録した後に、サイト上のコンテンツをテスト的に削除、変更、追加を繰り返していたところ、検索エンジン上に登録されているコンテンツと実際のサイト上のコンテンツに差異が出来てしまい、検索されても表示出来ないという状況が発生してしまいました。結果的には、検索エンジンのクローリングによってサイトの最新の情報をインデックス化するのを待つことで状況は解消されましたが、この点については私が検索エンジンのクローリングのメカニズムを良く理解していなかったための誤算でした。リリース後はリンクやURLに影響するページ名の変更などはおおがかりに実施しないように気をつけています。

4. 当サイトの意義と利用状況
おかげさまで、9/16にYahoo! JAPAN様の震災情報サイトからリンクを頂き(http://info.shinsai.yahoo.co.jp/#33083)サービスをリリースしました。リリース以来1244人のユニークユーザーにサイトを訪問して頂いております(2011/10/24集計)。毎日およそ50人程度のユーザーがサイトを利用してくださっています。
www.sinsailawa.infoが想定しているユーザーは地方自治体に勤務する職員の方です。職員の方は住民の方にサービスを提供するために法令や省庁からの通知を参考にしているわけですが、今回の震災で様々なな特例が出てきていることが周知されておらず、最新の情報が伝わっていません。場合によっては、最新の情報を職員の方が知っていれば、住民の方に支援が出来るようなケースでも情報が伝わっていないために支援が出来ないケースが発生しているわけです。www.sinsailaw.infoのサイト内検索あるいはGoogleからの検索で特定のキーワードにヒットする省庁からの法令や通知の情報を参照して頂くことで最新の情報に基づいた行政サービスが実現出来ると考えています。

5. これから同様の活動をする人へのメッセージ

5-1. 難しく考えすぎないこと。必要な要件を最低限満たす形でひとまず作ってしまいサービスを公開すること
当サイトでも解決出来ない技術的な課題が残りましたが、まずはコンテンツ、サービスをユーザーに届けることを優先しました。
エンジニアとしては自分の理想像を追求したくなると思いますが、Webベースのサービスでは後からサイトの仕組みを作りなおすことは比較的容易なため、ひとまずリリースしてから修正するという考えで取り組んだ方が良いと思いました。

5-2. 利用者にとってのメリット、効果は何か、一番重要なことは何かを考えること
これについては、今回は情報を収集してくださった弁護士有志の皆さんがニーズとウォンツを把握されていましたので、エンジニア側は技術面だけを考えれば良いという恵まれた状況でした。直接ユーザーの声を事前に聞けない場合には、サービスを公開した上でユーザーの声をコメント欄などでフィードバックしてもらうという手もありますし、アクセス数の変動を監視して、サービスの改善の効果を測定する方法もあるでしょう。

5-2. 使ったことのある技術を最大限に活用すること
技術的なチャレンジは多いに結構ですが、特に震災対応という観点ではリリースまでのスピードがサービスの利用価値に直結します。誰かが実装して実績がある(Proven)な技術、自分が使い慣れた技術を使うことでリリースまでの時間が短縮出来るでしょう。

Hack For Japan 岩手沿岸部取材レポート

未だ大量に残る瓦礫(陸前高田周辺)

スタッフの関です。

Hack For Japan メンバーである岩切さん(@kohsei)のコーディネートで、6/25(土)、26(日)とHack For Japan 数名で岩手沿岸部を取材してきました。被災地沿岸部を見てきたと同時に、5つのボランティアセンターで取材をさせていただきましたので、レポートとして記録しておきます。主に、Hack For Japanとして、被災地の為にITを活用したお手伝いができるかどうかをヒアリングさせていただいています。
たった2日の取材でしたので、現地の状況を完全に把握したレポートではありません。その点はお含みいただいた上でお読みください。
今回は、釜石→大槌→大船渡→陸前高田というコースを回ってきました。沿岸部の状況を、ご自身も被災されたという小野寺さん(@onoderau1)にご案内・解説いただきました(小野寺さん、お忙しいところどうもありがとうございました!)。同時に、釜石、大船渡、陸前高田のボランティアセンター、住田基地及び遠野まごころネットで、担当の方にお話を聞いてきています。

前線のボランティアセンターへのIT導入は継続的なサポートが必須

釜石市ボランティアセンター

前半におじゃました釜石、大船渡、陸前高田の3つのボランティアセンターは前線基地といった位置付けで、瓦礫撤去、民家や側溝の泥出しなどの作業のニーズ集めと、そこへ派遣するボランティアスタッフの割り振りを行うのが主な役割です。それに対し、後述する住田基地と遠野まごころネットはそれらのボランティアセンターの後方支援基地にあたり、ボランティアスタッフの宿泊施設や情報交換所として機能しています。いずれも社協(社会福祉協議会)が場所やスタッフを提供していますが、スタッフには、社協から派遣された人以外も多いそうです。

どこのセンターでも、

  • ボランティア志願者が減ってきている
  • 避難所から仮設住宅への引越しがだいぶ進んでいるが、仮設住宅へ移った人からのニーズ収集が難しい
  • 情報発信はしたいが、問い合わせの電話が掛かってくると貴重な回線が埋まるので、バランスが難しい
  • 情報の鮮度のコントロールが難しい(現地の状況は日々変わる)

という課題は抱えているという印象でした。それぞれのセンターの詳しい情報については、下の方の取材メモをご確認ください。

前線基地では現地ニーズの把握と人員のディスパッチが最優先で、その作業に毎日追われている状況のようです。ブログは運営できていますが、スタッフがどんどん入れ替わることもあり、何かIT系のツールやサービスを提供したとしても、操作に習熟が必要な類のものは導入が難しいと感じました。
そもそも担当者も忙しく、外部からニーズ把握などのコミュニケーションをすること自体が先方の負荷になってしまう状況です。ただ、物資をブログで募集したところ、数日で想像以上に届いたという経験もあり、IT自体の有用性は現場の方も把握しているようです。

中長期で現地に滞在できる方や、定期的に現地を訪れることが可能な方であれば、ITを使って活躍できる余地は十分にありそうでした。私の知っている限りでは、トライポッドワークスの佐々木さんや、マイクロソフトの西脇さんなどはまさにそのような活動をされています。この日も、釜石で取材をしている時に西脇さんにばったり遭遇したりといったことがありました。

その後実施したHack For Japan のスタッフミーティングでは、Eye-fi カードの自動アップロード設定をしたデジカメを渡して、それを使って、支援者に知ってほしい情報を撮影してもらうというアイデアが出たりもしました。これは早速次回アイデアソンで導入を検討することになりました。

後方支援基地は、ITサポートでできることがたくさんありそう

遠野まごころネット

住田基地と遠野まごころネットは物資/人員の補給基地であると同時に、情報共有の場所でもあります。宿泊施設も兼ねているため、前線基地よりヒアリング効率がいいと感じました。スペースも広く、会議をやる場所などもあります。なにより、各地に行ったボランティアから情報が集まってきており、その情報は綺麗に紙にまとめられていたりといった点も良いと思いました。
担当者の方々も、現地ボラセンより中長期的な視点を持っており、ITの必要性も強く認識されていました。
特に、遠野まごころネットで対応いただいた、副代表の多田さんからは、いくつかの具体的なニーズをヒアリングできました。(仮設住宅データベース、ホームページ作成、ソーシャルファンディングなど)

至る所に様々な模造紙が

まごころネット発で生まれている被災地支援企画や別の地域の支部などもあり、社協が担当する「ボランティアのディスパッチ」という枠を超えた活動を行っている点も、IT技術者としてお手伝いできそうな部分が多くありそうに感じました。とてもHack For Japan と相性がよさそうです。
個人的には、遠野や住田基地には1日百人単位でボランティアが集まってくるわけですので、そのリソースを、少しでもIT支援に向けても活用できるプラットフォームが作れればすごいことが出来るのではないかと感じました。

余談ですが、この遠野まごころネットは、ボランティアスタッフの自己組織化がとても素晴らしいと感じました。私自身 sinsai.info という、ボランティアスタッフが運営する組織の責任者をやっていますが、通常の会社組織と違い、ボランティアスタッフの組織というのは非常に運営が難しいものです。給料を払っているわけではないですし、人材の流動性もとても高い上、スキルもモチベーションも人それぞれです。私達は数時間の滞在中でも、時間が来たら自発的にミーティングを始めたり、至る所に情報が綺麗に整理された張り紙があったりと多くの工夫の跡を発見することができました。

Hack For Iwate in 遠野まごころネット開催決定

我々Hack For Japanとしてもまずはこのニーズに答える動きをしてみたいと思い、多田さんのご協力の元、遠野まごころネットで 7月23日、24日とアイデアソン/ハッカソンを開催することになりました。もともと東京や仙台、会津若松にて23日、30日の日程でやる計画でしたが、遠野会場が追加され、遠野のみ23日、24日の2日間で開催いたします。

告知用ポスター(PDFリンク

5月に仙台、会津若松、東京など複数の都市で行われ好評だった、復興支援アプリケーション開発の為のオフラインミーティング、Hack For Japanのアイデアソン/ハッカソンが、いよいよ岩手県内最大のボランティアセンターである「遠野まごころネット」で開催されます。今までも複数の有意義なプロジェクトがHack For Japanから生まれています。皆様是非ご参加ください。
会場には、チューターもいますので、初めての方や、開発者以外の方もお気軽にご参加ください。 開発に関する質問は、ネットを通じて投げかけることも可能です。また、プロジェクトを進行中の方も、情報交換・協力者探しの場としてもご利用いただけます。当日は、独りで自分のプロジェクトの開発作業に没頭することもできますし、あるいは、チームに加わって共同開発に参加することもできます。もちろん、プログラマに限らず、企画やデザイナが得意な方、パソコン操作に長けている方を、歓迎しています。どちらか一日のみといった参加も可能です。



ご興味のある方は、是非告知ページにて詳細をご確認ください。
私も遠野会場には参加します。個人的には、これまでのハッカソンのように新しいサービスを作ったり新規のアイデアを実現していくというよりも、既存のツールなどをうまく組み合わせて、先方のニーズに答えていくような場にしたいと考えております。

以下、取材メモ

■釜石市ボランティアセンター
http://blog.canpan.info/kamaishi-vc/

  • 避難所の人数は1万人弱→820人に減少した状態。
  • ボランティア人数は、1日あたり男性50人。女性70人等。通算14800人。 国内外のいろいろな種類のカップラーメンが届いたことで、全国・海外から支えられていることを実感した。
  • 行政から住民に対して、未来の夢や、今後の計画が示されていないと感じている人が多い。
  • 仮設住宅に移り始めて、被災者のニーズが多様化してきている。(心のケアなど。自殺者も出る。)
  • もともと、岩手は自殺者数で全国ワースト2。(1位は秋田)
  • 一つの集落だったのが、各地の仮設住宅に移ってしまった為、分散し、コミュニティが崩壊している。
  • いつまで続くのか、終わりが見えず、不安が募る。 (ゴールがないので、進捗率が把握できず、モチベーションが維持できない)
  • マスコミ各社からのTELが多く、対応に時間が取られてしまう。 「土嚢袋が足りない」とインターネットで発信したら、 土嚢袋が数万単位で届いた。数週間届き続けたので、記事から消した。余った分は、周辺の地域に配分した。 (インターネットを活用できた成功体験を得たのと、操縦の難しさを知った)

■大船渡ボランティアセンター
http://ameblo.jp/ooshakyo/

  • あえてPCを使わずに手書きで書いて、印刷した「社協だより」を発行。
  • 市からは、情報が全く降りてこない
  • スタッフが、直接、避難者に聞いて、ニーズを吸い上げている。(ex. 個人宅の泥出し)主な作業は、瓦礫撤去、泥出し、側溝の泥掻きなど
  • 心のケアの問題もあるが、専門的な分野でもあるのでそもそもボランティアセンターだけでできる仕事ではない。声掛けをしたところで、対応できないなら同じ

■陸前高田ボランティアセンター
http://rikutaka.ti-da.net/e3439670.html

  • 現地の状況は刻々と変わり続ける。 最新の情報にアップデートし続けることが大事。
  • TEL で「状況を教えて」と言われても、対応しきれない。 状況を知りたい場合は、ボランティアセンターに常駐して欲しい。
  • 情報をアップデートしたとしても、単発で終わっては駄目。それを解釈、分析をして、今必要な情報を出す人が必要(広報作業)
  • 例えば、たまたまボランティアが多い日にボランティアに行った人が、「人は足りている」という情報を流したたとする。次の日は人が足りないかもしれないし、細分化したスキルで見るとそもそも足りていない部分もあるかもしれない。それなのに、「人が足りている」という情報が一人歩きすると困る。
  • とにかく「現地目線」で情報公開出来る人が必要。マスコミなどは、結局外の人が欲しい情報しか放送しない。

■住田基地(陸前高田・大船渡へのボランティア派遣基地)
http://sumitavc.blog.fc2.com/

  • 陸前高田・大船渡は、重機を使った瓦礫の撤去が一段落して、これからがボランティア活動の本番になる。
  • 4月25日に150人のボランティアが泊まれる基地を設置。
  • 10名のスタッフで運営(フルタイム3人)。パソコン3台。光ファイバは開通済らしい。
  • 夜は、泊まっているボランティアの9割が参加する懇談会で、 各地の状況や活動内容についてフィードバックを得て、次の派遣に活かそうとしている。 ブログからの情報発信は、ボランティアのメンバーの中でやってもらっている。
    (案→ボランティアで来た人が情報発信できるパソコンがあればいいのに)
  • 夜に、ボランティアに行った人と飲みながらコミュニケーションする。
  • 有益であれば、チラシなどは置いてもいい

■遠野(遠野まごころネット。陸前高田から山田までの広域の後方支援)
http://tonomagokoro.net/
ビジョンのPDF→https://lolipop-tonomagokoro.ssl-lolipop.jp/main/wp-content/…
Facebook https://www.facebook.com/tonomagokoronet

  • やってほしいことはたくさんあります。
  • 現行のホームページでは、やりたい情報発信が全然できていない ニーズをヒアリングして、作ってくれる人が欲しい(ディレクション出来る人が不在)
  • あまり多くは出せないが、給与を出すことも可能。
  • Microsoft Access で、仮設住宅の団地毎の情報を集積中。入力した情報をアップデートし続けることが課題。(操作できる人が限られる)
  • これまでの各地での災害支援で得られてきた教訓で、今回も活かされていない点がある。今回、得られた教訓は、風化させずに次回に活かすように、残したい。
    (案→これは、デジタル化して、インターネットが活躍できそう)
  • 最近、関東での関心は20分の1くらいでは。 関東では街中でチラシを配っても、受け取ってもらえなくなった。
  • ブログで情報発信中。1日3万ページビューある。
  • インターネットでもっと情報を発信したいが、ウェブができる人がいない。
  • 継続的に発信するためには、資金が必要。(案→シャープな目的を出せれば、ソーシャルファンドがマッチしそう)
  • 仲間となるネットワークを他の地域にも広げていきたい。

    会津若松の訪問レポート

    4/24に福島県会津若松市にて意見交換のミーティング「Hack For Fukushima」が行われ、Hack For Japan の運営スタッフ数名で参加してきました。
    4月初頭に仙台を訪問したスタッフが現地で最大級の余震に遭遇した経験から飲料水や携帯の予備バッテリー等の準備は入念に行い、前日夜遅くに車で現地入りしたのですが、途中、高速道路の路面には北に行くほど震災後の応急処置と見られる段差が見られ、3月の地震の規模が如何に大きかったのかということを感じさせられました。
    まず、当日の午前中は地元の方の協力を得て、ボランティアセンター、NPO、避難所をまわって話を伺いました。
    元気玉プロジェクト
    なかでも印象に残ったのは、会津地域のNPO、会津短大、自治体の連携による「元気玉プロジェクト」という、とても実のある活動をされている方々とお話をさせて頂いたことです。
    震災直後は元気玉プロジェクト 1.0 として「今日、足りない所に届ける」おにぎりを作る事に注力。その後、会津の状況は落ち着きつつあるため現在は元気玉プロジェクト 2.0 としてアセスメントを行うなど、自立に向けた長期支援として「避難者の役割作り」をテーマにしているそうです。twitter ID は@GenkidamaPj , ブログは http://blog.canpan.info/aizu_genkidama/ です。
    避難所にて
    私達が最も気になった事は、避難所に居る方々がどのようにして必要な情報にアクセスしているのかという点です。
    今回訪問した避難所にはネットに繋がるPCが2台置いてありましたが、残念ながら余り有効活用されているようには見えませんでした。別の避難所にはタブレット端末が置いてあるそうなのですが、そちらは子供の遊び道具としてしか活用されていないという話もありました。
    Hack For Fukushima ミーティング
    Hack For Fukushima のミーティングは会津大学を会場に午後1時から4時間に渡って行われ、福島県内だけでなく仙台、東京、他にも様々な地域から 40 名を越える方々が集まって下さいました。
    午前中の訪問先も含めて今回伺った中で共通して出てくる問題点は、
    • ネットを使えない人をどうやって支援するのか?
    • 印刷という「デジタルからアナログへの変換」が必要。
    • PC を置いて終わりではなく、サポートする人をプラスする必要がある。(*1)
    • 地元から離れて避難してきている人は自分の自治体の情報にアクセス出来ない。
    • 今後、二次避難所や仮設住宅に人が分散していくと情報伝達が難しくなる。
    • 風評被害に困っている。福島ナンバーの中古車が売れないという状況。
    というものです。
    *1 後で伺った話では、マイクロソフトでは既にそのための取り組みを始めているそうです。
    今後の復興していくために必要なこととしては、
    • 原発の風評被害については、正しい情報を知り、発信していく必要がある。(実際にガイガーカウンターと android 端末を組み合わせた即興的なデモもありました。)
    • 被災地に仕事を回すだけでは限界がある。全体のパイを広げる必要がある。
    • 復興と言っても、以前の状態に戻るだけでは手詰まりを起こす。
    • 会津の IT 業界は酒の業界に迫る勢いの規模がある。この得意分野を活かして世界に出て行くことでパイを広げることが出来るのではないか。(会津をベンチャーの発進の場に!)
    といったような話が出て活発な議論が交わされました。
    移動の途中、名所である鶴ヶ城に立寄りました。
    この日はちょうど桜が見頃となり、辺りはとても綺麗な景色となっておりました。
    会津若松はとても良いところです。観光で訪れることも地元の支援になります。
    会津大学も自然に恵まれた綺麗な場所にあり、ミーティングを終えて夕日に映える風景を見ながらスタッフ一同「こんなに良いところが風評被害に合っているのか」と言葉に詰まる瞬間がありました。こういった点でも正しい情報を届けることの重要性を改めて感じます。
    何かITで出来ることはありませんか?と遠方から聞くだけではニーズを得ることは難しいです。
    これまで仙台、会津を訪れ、実際に現地に行かなければ分からなかった話を聞く事ができました。同時に、IT による支援の難しさも痛感させられることとなりましたが、21 日のアイデアソン、そして 22 日のハッカソンでは皆で集中して取り組む事で、復興支援のために「コードでつなぐ、想いと想い」を形にして行くことが出来ればと思っております。
    Hack For Japan スタッフ 高橋憲一