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街をハックするHack For Town 2015 in Aizu開催

昨年に引き続き街をハックするイベント「Hack For Town」が会津若松市にて開催されました。今回のテーマは「オープンソースハード × オープンデータ」。ハッカソンだけでなく食べて、観る楽しみも堪能できるイベントでした。その詳細をご紹介します。

ハッカソン概要

2月21日、22日に会津若松市にてハードウェアをハックするHack For Town 2015 in Aizuが開催されました。今回のテーマは「オープンソースハード × オープンデータ」。オープンソースハードはFab蔵で開発されているセンサ・デバイス類やArduino、Raspberry Pi、その他SDKやAPIが公開されているオープンなハードウェアです。

またオープンデータは、会津若松市が運営しているデータ基盤「DATA for CITIZEN」に登録されている市のデータや社団法人リンクデータが運営している「LinkData」の会津若松市のデータなどの公開されているデータとなります。これらを組み合わせたアプリやwebサービスをつくるというのが今回の目標とされました。
説明資料

Fab蔵で開発されたハードウェアやデバイス

今回のハッカソンで利用されるハードウェアは、Fab蔵で自作した以下のようなハードウェアが提供されました。

  • 8Bit cube:フルカラーLEDのキューブ。
  • Smart Meter:コンセントの電力が図れるスマートメーター。
  • e-Health Platform:IEEE11073準拠 オープンソース医療センサー群。心電図や脈拍、血圧などが取れるのでヘルスケア分野でのサービスがつくれる。回路図などを公開している。
  • Physical Web Watch:Physical WebフォーマットのBeaconを腕時計にしたもの。beaconは通常、据え置きで使われるが、腕時計にすることでbeaconの電波を飛ばしながら歩ける。
  • Open LED Board:手作りのLED。
  • Aka Beacon Monster:450mの電波が飛ぶibeacon。
  • 自作ibeacon

Fab蔵はハッカソンの期間中、24時間解放されているので、例えばレーザーカッターを使ってハッカソンで開発するサービスに必要なものづくりまで手がけてしまうといったことも可能でした。

Fab蔵の外観と内観。新聞掲載の記事も。 #hack4town pic.twitter.com/FpYeujiBuu
— Hack For Japan (@hack4jp) 2015, 3月 22

そのほか、ibeaconが神明通り商店街を中心にしたFM会津やホテルのロビー、公共施設など会津若松市内の5カ所に常設されています(会津若松市のビーコン位置マップ)。これらibeaconの情報は会津若松市オープンデータ活用実証事業の一環として「DATA for CITIZEN」にて公開されていますので、常設のibeaconを利用したアプリやwebサービスの開発もできる環境が用意されています。

プロジェクトの発表

今回のハッカソンでは以下のようなプロジェクトが成果として発表されました。

「防水beacon開発とお祭り案内」

日光で行われる千人行列を想定したibeaconを使ったプロジェクト。遠方(450m圏内)から行列が近づいてくると「Aka Beacon Monster」が見学者に行列が近づいてきたことを案内し、行列が見学者に近いところまで来ると付近に設置されたLEDディスプレイに行列に関する文字情報が表示されるというもの。ibeaconは常設で外に置かれるため防水対策が必要という観点から、アクリルをつかった防水カバーもFab蔵で自作しました。

「Hack 2 Rhythm」

ibeaconへのチェックイン情報を元に音楽を生成。ドライブレコーダーのように動画も撮影し、観光しながら自動でPVが生成されるというプロジェクト(イメージ動画)。観光スポットにばらまいたibeaconにドラムやベース、ギターなどのパートを割り当ててibeaconにチェックインするごとに音が重なっていくというもの。歩くルートによって生成される音楽が変わるため、結果として会津若松市の観光スポットPVが数多く作られ、音を通じて新しい観光の付加価値を生み出し、会津若松市に注目を集めることを目標としています。
ソースレポジトリ

「Weather Report Box」

Fab蔵の自作ハードウェアである8bit Cubeをハック。会津若松市の天気(晴れ・曇り・雨・雪)をドット絵で表示させるというもの。今後は時間や気圧、気温なども加えて表示させていきたいとのことでした。
ソースレポジトリ ★発表資料

「ibeaconとGPSによる旅提案」

「観光に来たもののどのスポットを見るか決めていない」、「見たいスポットはまわってしまったけれど、まだ時間があるので他のスポットを見たい」といった旅行者をターゲットとしたアプリ。現在地から行ける観光スポットを詳細に案内せず、あえて写真のみでレーダー表示させることで宝探しのような楽しみを入れ込んでいます。観光スポットの情報は「DATA for CITIZEN」から持ってきておりオープンデータを活用。写真投稿機能も想定されています。このプロジェクトを開発したのは仙台の方で「仙台の街中で開催されるジャズフェスに向けて使えるものに仕上げていきたい」と語っています。
ソースレポジトリ ★発表資料

「デジタルサバゲーで街をハックしよう!」

サバゲーによる新しいエクササイズを提供するプロジェクト。エンジニアの運動不足を改善したいというのが開発のきっかけ。発表では、Bluetoothで通信を飛ばすことで敵方へのアタリとする、段ボール製のBLEモジュールが搭載されたエアガンを模したものが披露されました。またアプリはGoogleマップを使って自分と敵の位置がibeaconを通過すると表示されるという使い方を想定しており、おおよその位置が把握できるように、一瞬だけマップで表示させることで運動を促すというのがエクササイズにつながっています。
ソースレポジトリ

「オープンストリートもぐら叩き」

防災学習GISゲームとして提案されたプロジェクト。災害が起きたときに、どこで起きているのか、どこに雛すべきか、場所が分からないと避難できないことから考えられたものです。発表ではオープンストリートマップを利用して会津若松市内のマップを読み込み、市内の公共施設で火災が発生したと想定して、マップ内の火を消していくというゲーム要素を盛り込んだ内容が発表されました。次々に起こる火災をゲーム感覚で消火していくうちに会津若松市内の土地勘が養われることを目標としています。

「Dynamic Trip」

事前に情報を調べることなく、突発的な旅の体験を提供するアプリとして提案されたプロジェクトです。例えば出張で東京に行ったときに、現在地に近い観光スポットを紹介することでちょっとした旅行を楽しめるようなサービスを想定。時間、位置情報、レコメンドされた現地イベントなどを掛け合わせて提供して、自分なりの予定外の旅をつくりだすというものです。
発表資料

「ファミコンで街をハック」

「古いデバイスをハックしてibeaconをつなげる」というプロジェクト。今回は思い出のデバイスとしてファミコンをハックしました。ファミコンをモバイル化してゲームで遊んでいる人間ごと台車で運び、街でibeacon情報を受信するという他とは一線を画す内容でした。ibeaconの情報を受け取りながらアイテムを集めるという自作のファミコンゲームも作成しました。

これらのプロジェクトから審査委員による審査が行われ、会津若松市長賞として「Hack 2 Rhythm」、ゴールドスポンサーとして協賛いただいた株式会社リクルートジョブズからタウンワーク賞として「オープンストリートもぐら叩き」、Fab蔵賞として「ファミコンで街をハック」、会津大学賞として「Weather Report Box」、Hack For Japan賞として「Dynamic Trip」がそれぞれ賞を受賞。賞品もいただきました。また残念ながら受賞できなかったチームも会津若松市産の野菜をいただき、結果としてすべてのチームが賞品を得ていました。

ハッカソン以外のイベントも!

今回のハッカソンでは昨年に引き続き「ソースカツ丼祭り」、「鶴ヶ城プロジェクションマッピング」の鑑賞、地産品のニシンなどを天ぷらにした「蕎麦祭り」といったイベントが用意されており、食べて、観る楽しみも体験できました。

ご協力への感謝

今回のハッカソンでも昨年に引き続き多くの方々の協力をいただき開催されています。まずはメンター・審査員として参加いただきましたエンジニアの安藤真衣子さん。安藤さんはMashup Awards 10にて「無人IoTラジオ Requestone (リクエストーン)」で最優秀賞を受賞されており、2日間に渡って各グループの具体的な実装部分やサービス内容についてアドバイスをいただきました。次に会津若松市役所の方々。事前準備から会場手配・設営、鶴ヶ城プロジェクションマッピング、ソースカツ丼・蕎麦祭りといったところでご協力いただきました。またご多忙の中、室井照平・会津若松市長、岡嶐一・会津大学学長には、審査員として参加いただきました。ありがとうございました。

最後に

テーマは都度変わっていきますが、街中に繰り出して試すというハッカソン形態は今後も続く予定です。次回はまだ未定ですが、機会がありましたらぜひ参加してみてください。またFab蔵では随時、ものづくりに関するイベントが開催されていますので、興味ある方はそちらもご参加ください。

防災 減災ハッカソン レポート

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10月12日にCode for Japan Summitとの併催イベントとして減災・防災ハッカソンが開催されました。開催場所は東京大学駒場リサーチキャンパスとなり、久しぶりの東京でのハッカソンです。なおサテライトとして会津若松会場も開設されました。

今回のハッカソンでは、参加者が約25名ほどだったにも関わらず、減災・防災のテーマに沿った多様なアイデアが見られ、目的の明確なプロジェクトが出揃ったのが印象的でした。今後も続くであろうプロジェクトがいくつか見られるので、折を見て進み具合などを報告できればと考えています。本レポートでは各プロジェクトの紹介をまとめていきます。早速ご覧ください。

防災情報を発信している自治体公式Twitterアカウントの数値をインフォグラフィック化

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防災情報を発信している自治体のTwitterアカウントがどれだけあるかをインフォグラフィックでまとめました。例えば「全国1781市区町村のTwitterアカウント導入率は約28%」、「防災情報を発信している都道府県の公式Twitterアカウントは34自治体」といったものです。これらの数字はITで災害に対して何ができるかを考え、実践する試みを模索している「ITx災害コミュニティ」の調査結果によるものをベースとしています。

なおインフォグラフィックの成果物については、現在ブラッシュアップ中のため後日公開する予定です。さらにweb上でインタラクティブに見られるコンテンツを用意することや調査結果データをオープンに公開することも検討されていますので、ご報告できるようになりましたらお知らせします。

【参考リンク】
ITx災害コミュニティ

ITx災害 情報発信チーム 調査結果ブログ

情報収集・整理・発信・再利用

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複数の参加者から情報収集・再利用・発信のアイデアが持ち上がったことから、それらのスキームをまとめ4つのチームで分担してプロジェクトとしました。発表資料

1:公的情報に関するプロジェクト

  • 地方自治体のweb情報とTwitter情報から更新された情報をスプレッドシートに落としこむツールを開発。このツールを使うことで、どのような更新があったかを後から一覧で追えるようになります。
  • 「災害情報収集」というTwitterアカウントを作成して、このアカウントがフォローしているアカウントのツイートをGoogleのbigqueryにすべて収集。bigqueryに集めた情報をハッシュタグなどで検索して情報の再利用を図ることが可能となります。発表資料

2:さまざまな情報に関するプロジェクト(ゆるふわ情報収集システム)

公的な情報だけでなく、災害時に役立ちそうなあらゆるツイートを集めてマップに表示。表示された情報に対してボランティアで情報支援したい方が、追加情報を書き込んだりすることができるシステムを検討しました。

例えば「江東区木場の公民館で給水中」といったツイートを捕捉し、江東区木場や公民館といった住所・ランドマークなどの言語を抽出してマップに表示します。前述のプロジェクトとは違い、公的な情報以外の情報も扱うことから「ゆるふわ情報収集システム」と呼ばれています。

3:災害用マルチクライアントポストのプロジェクト(UNIポスト)

FacebookやTwitter、地域密着型なども合わせてSNSは複数存在し、情報が分散しやすい状況があります。また標準化の問題としてデータが統一されておらず、ユーザーが災害情報を投稿する際には、決められたハッシュタグを使ってつぶやくといったルール化も図られていません。

そこでさまざまなSNSに誰でも簡単に内容を入力して投稿できるアプリを作成。SNSに投稿された画像や位置情報を自動的に取得して、災害情報ポータルサイトにまとめていくことも想定しています。アプリ名のUNI(ウニ)ポストはunifyポストが由来です。発表資料

ツイート例

防災減災ハッカソン アプリ「うにぽすと」 #hack4jp https://t.co/XxZKaQlZrw pic.twitter.com/OwQeYANLv6
— Tetsuo Ono (@calm__design) 2014, 10月 12

災害時の連絡先チェックリスト:(備えあれば憂いなし/俺の電話帳:パーソナルイエローページ)

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避難場所、保険会社、マンション管理人、親・友人・親戚など、災害が起こった際に必要となる連絡先のチェックリストを用意。平時にそのチェックリストを埋めていくことで、どこまで備えているかを確認できるツールです。また災害時にはこのリストを使って、慌てずに連絡をすることができます。

開発中サイト

災害時の位置情報投稿(HereNow 位置情報<生存>共有アプリ)

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被災体験から考えられた位置情報投稿アプリ。震災時においてもネットワークは20分〜30分程度つながっていたことから、限られた時間を活用して位置情報を投稿、場所を知らせます。

「アプリを起動してワンタップでツイート」、「ツイートするときにだけネットワークを使う」、「投稿内容はあえて編集不可とする」、「ウィジェットからも1タップで利用可能」といった災害を想定したシンプルさを徹底したアプリです。現在はAndroidアプリが公開されており、誰でもダウンロードできます。またiOS、Webからでも利用可能となるように開発が進められています。

Androidダウンロードページ

ツイート例

http://t.co/WFLAeDDpx7 #hack4jp #HereNow
— Kenichi Takahashi (@ken1_taka) 2014, 10月 12

過去の災害を学びに(Today)

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過去の今日の日付でどんな災害が起こったかを表示してツイートします。参照元はウィキペディアの災害情報ページです。過去どのような災害があったのかを学びすることで、来るべき災害への対策を考えることもできます。

<会津若松会場>大学生向け防災・減災まとめ:行政及び大学への提案

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サテライト会場である会津若松からは、大学生をメインとした防災・減災に関する提案がなされました。

当日のハッカソンでの調査では

  • 大学生は県外から来る人も多く土地勘がない
  • 大学の中のコミュニティに限られてしまっている
  • 自転車が主な移動手段で行動範囲が狭い
  • 一人ぐらしの場合、安否確認が困難
  • 震災時、会津大学ではメールサーバーが止まり、学生のメールアドレスに連絡をする際に時間がかかった
  • 留学生も多い
  • 会津大学生の多くは避難所を知らない
  • 会津若松市のサイトでは市民に向けた防災情報はあるが、大学生に最適化された情報も欲しい
  • 会津大学のサイトには防災情報がない(福島大学にはまとまった情報が掲載されている)

といったことが問題とされました。そこで以下のような内容をまとめ、今後、行政と大学へ提案していく予定です。

【行政への提案】
会津大学への出張防災教室/オープンデータを促進させて会津大学向けシビックハックをサポートしてもらい防災アプリを開発/会津大学の学生がつくった防災アプリを市で認定することで、開発するモチベーションに貢献してもらう/各国語の防災情報の発信

【大学への提案】
学生が住んでいる地域を考慮して大学関係者・在校生向けに防災教育/留学生向けの各国語防災マニュアルを作成/大学が避難所になるケースもあるので施設概要・キャパシティ・備蓄などの情報を開示/311で放射線のスクリーニングを会津大学でやったが、職員が転勤で変わると、そういった非常時のケーススタディが蓄積されにくいので、災害が起こった時のためにケーススタディを公開/安否確認ツールの開発(このツールだけでは使われない可能性もあるので、時間割アプリなどと組み合わせて常時使えるものに)/学生の防災・減災ハッカソン支援

当日は、留学生に向けた防災情報の英語ページ、会津大学周辺の避難所マップをグーグルマップで公開するといった実際のプロジェクトも発表されました。

また大学生に対する減災・防災については、会津大学だけの問題ではないことから、全国の各大学に展開できるように必要な情報の洗い出しをしていくことも考えています。発表資料

以上、防災・減災ハッカソンのレポートをお届けしました。

ここで紹介したプロジェクトは引き続き進めていき、またあらためてハッカソンなどが開催できればと考えています。今回参加できなかった方も、次の機会にはぜひご参加ください。

当日ご参加いただいた皆様、共催としてご協力いただきましたCode for Japan、東京大学空間情報科学研究センターに感謝いたします。ありがとうございました!

最後にまとめして今回のハッカソンの関連リンクをまとめておきます。

Togetterまとめ「Code for Japan Summit 2014 アンカンファレンス #cfjsummit」

当日の動画(発表)

防災・減災ハッカソンのFacebookグループ(アイデアやプロジェクトが見られます)

「防災・減災ハッカソン」これは凄いと大感動(参加者のブログ)

発表資料一覧

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Race for Resilienceハッカソン 石巻会場レポート

Race for Resilienceは「発展途上国×防災・減災」をテーマにしたグローバルハッカソンです。アジア数カ国およびハイチ、ロンドンでのハッカソンの後、各国の最優秀プロダクトはグローバル審査に進み、7月にロンドンでグローバルアワード表彰式が行われます。2/8〜9に日本では東京と名古屋と石巻で行われました。

石巻会場の運営主体となったのはHack For Japanで継続して支援しているイトナブということもあり、石巻会場で参加した及川、高橋の両スタッフは「石巻の若者をロンドンに連れて行くぞ!」と勝手なる使命感に燃えて参加しました。しかし、その一方で、石巻の参加者とGoogle+ ハングアウトを通じた企画・運営会議やアイデアソンなどをする途中から「東京から来た大人だけが妙に熱くなっている」という状況は避けなければいけないとも思い始め、何をゴールにするかは少々悩ましい部分もありました。

ハングアウト経由で参加したアイデアソンには石巻の女子高生なども参加していました。東日本大震災を経験した中からアイデアを考えようということで、被災時のことを思い出して語ってくれました。口調はいわゆる今どきの女子高生。「まじやばいと思ったのー」とか「ちょー焦って」など。ですが、その内容は聞いているこちらの方が涙を流さずにはいられないような話でした。彼女を始めとする地元の若者が語ってくれた体験が心に響き、ハッカソンで勝者になることだけにこだわり過ぎるよりも、その純粋な想いを大切にしたいというのが、及川と高橋の両名が思ったことでした。

また、高橋の気持ちとしては、「及川さんは審査員としての役割があるので、何処かのチームを積極的に手伝うということは出来ない立場のはず。であれば、自分がどこかのチームの一員として技術的にガッチリとサポートしなければ」と「今回はスタッフ的な立場ではなく、ガチに開発者として参加させて下さい」とお願いしたのでした。

一方の及川は審査員メンターとしての参加ではあるものの、特定のチームではなく、全チームに対して公平にアドバイスすることは問題ないと事務局に確認をとっていましたので、石巻会場参加チーム全体のレベルアップを図り、ロンドンへの道を切り開くことを考えていました。そのため、本来ならば審査員としては2日目の審査までに会場入りしていれば良いのですが、運営も手伝うつもりで、前日入りしました。2日目の会場入りなど考えなくて正解だったことは後ほどわかります。

91年ぶりの大雪

石巻は東北地方の中にあるとは言っても、太平洋側に面していると言うこともあり普段はそれほど雪が積もることはありません。ところが今回はかなりの積雪に見舞われることとなり、1日目の最初は「東京は雪が積もっているらしいけど、こっちはまだカラッとしてるよ」などと余裕を見せていたのもつかの間、やがて降り始めた雪は全く止む気配を見せずどんどんと積もっていき、2日目の朝には「こんなに積もったのは91年ぶり」という状態になっていました。会場の商業高校に辿り着くこと自体が難しく、まずは会場に辿り着くことをハックしなければという状況でした。

そんな大変な雪の中ではありましたが、1日目の夜にはかまくらの中で開発するメンバーもいました。

チームと審査結果

1日目の最初のアイデアピッチからチーム分けがされました。ここでは最後の成果発表の順にチームを紹介します。

石巻では全部で7チームが編成されました。

最初に発表した石巻日日こども新聞チームは、「Anti-Disater MANGA」という名の子供の防災教育を目的としたアプリケーションを提案しました。これは石巻の子どもたちが作成した漫画を元にしたスマートフォンアプリケーションで、ただ見るだけではなく、キャラクターのカスタマイズなどを通じて子どもたちがより身近に感じられるような工夫を凝らしています。石巻の子どもたちの現実の被災体験を元にしたリアルな話を漫画というわかりやすいフォーマットで全世界に配信することを可能にしています。

2チーム目はTeam Y2でした。チームとは言うものの、1人チームで、ほかのチームにも所属しながら、個人として開発した「GIS Portal Site」を発表しました。これは発災時に重要となる地理情報システム(GIS)をよりリッチにするアイデアで、テキストだけではなく、グラフィックを多用することで利便性を高めることを目的としています。

3番目に発表したのはチームJAPAN。名前にJAPANを入れてしまうことから想像できるように、最初から日本代表になる気マンマンで乗り込んだチームです。災害時に優先度の高い課題を「情報のトリアージ」の形で優先順位付けするフレームワークである「Disaster Response Bootup Kit」を提案しました。ちょうど今テレビドラマにもなっているDMAT(Disaster Medical Assistance Team/災害医療派遣チーム)に支援を要求する立場になった人のために、状況や発災からの時間に応じてすべきことをToDoリストのように表示してくれます。発災時にはアプリケーションを使えない可能性が高いため、紙の形でオフライン利用にも対応しているのが特徴です。

4つ目のチームはハック商工です。石巻商業高校のメンバーと石巻工業高校のメンバーがタッグを組んだため、このチーム名になっています。このチームが提案したのは、「絆」。被災時に情報、その中でも家族の安否が最も知りたかったことだという学びから、Bluetoothなどのすれ違い通信で安否情報を交換しあうアプリケーションを考えつきました。各端末がピアツーピアで通信しあい、その通信結果を共有していくことで、地域の安否情報を蓄積するものです。

5つ目は石巻ARチーム。ARという言葉からわかるように、AR(Augmented Reality/拡張現実)を利用したアプリケーションを提案しました。すでに、石巻イトナブのメンバーが「つなっぷ」というAR技術を使って、スマートフォンのカメラをかざすと被災時の津波の高さをARで表示するアプリケーションを開発していましたが、それに避難訓練の要素を組み込み、各地で使えるようにしたものです。「つなっぷ」がパワーアップしたということで、名前は「つなプラ」です。今までの津波対策の避難訓練は津波が来る前に逃げることを想定したものでしたが、実際に今回の東日本大震災では警報が届かなかったり、警報があっても逃げ遅れてしまったなどで多くの被害者が出ました。このアプリケーションを使うことで、津波の脅威をより身近に感じてもらうことができます。

6つ目は、「チームじぇじぇじぇとじゃじゃじゃ」。これは釜石と久慈の混合チームです。釜石は「釜石の奇跡」という名前で知られているように、市内の小中学生の生存率が99.8%でした。しかし、一方で防災センターの周辺で多くの人が亡くなるという「釜石の悲劇」も起きています。チームの開発した「D2RPG(DISASTER DRILL ROLE PLAYING GAME)」は防災教育をRPGの形式で行うものであり、スマートフォンやWeb、さらには紙媒体でのゲームブックでの展開も考えたものです。

最後の7チーム目は「Disaster survival toolbox」(プロジェクト名も同じ)。これは災害時に身近なものを組み合わせてピンチを切り抜けることを目的としたもので、発災前にいろいろなノウハウを集約し、発災にはオンラインだけではなく、紙でも利用できるようにと考えられたものです。たとえば、電気もろうそくもない時にツナ缶にこよりを入れてランプにするなど。チームの合言葉は「これで君も災害時のマクガイバーだ!」。

成果発表では、プレゼンテーションとデモを行いましたが、他会場に中継していた関係上、必ずしも十分に時間が与えられていたわけではありません。そこで、審査員が審査をしている最中に、追加質問をしたり、デモをしてもらうようにしました。そのような議論を経て、上位3チームが選ばれました。以下がそのチームです。

1位 石巻ARチームの「つなプラ」
石巻で被災した体験を元にした津波の脅威をAR技術で実現している点が評価されました。また、すでにPlayストアに公開する予定があるなど、アプリケーションの完成度とプロジェクトの継続性もポイントとなりました。

2位 Disaster survival toolbaxチームの「Disaster survival toolbax」
同じく石巻での被災体験を元にしたノウハウの共有というアイデアが評価されました。オンラインだけでなく、紙などオフラインでの対応も考えている点など、実用性という点でも高く評価されました。1位のチームと比較した場合に、プロジェクトの継続性がやや弱く、アプリケーションの完成度も1位のチームほど高くなかった点が差を分けました。

3位 チームJAPANの「Disaster Response Bootup Kit」
発災時に必要となるタスクをあらかじめ明確にし、発災時には適切なアドバイスをしてくれるという実用性が評価されました。オンラインだけでなく、紙でのオフライン対応を考えている点も良く考えられていると評されていました。ただ、DMATへの支援要請をするというシナリオに絞り込むまでに時間がかかったのか、全体的に詰めがまだ甘く、具体的にどのように使われるかがまだ明確でない点などで3位という結果になりました。

以上が上位3チームです。1位の石巻ARチームは世界大会となるロンドンに向けて、国内の最終選考に進むことになりますが、そのほかのチームにも敗者復活のチャンスも残されています。

1位の「つなプラ」チームはこの記事の冒頭で触れたアイデアソンで出て来た被災体験の話が着想の元になっており、スタッフの高橋が宣言通りガチでエンジニアとして参加してイトナブの学生と一緒に開発しました。もちろん企画を練るメンバーも強力な布陣で臨んだ結果ですので技術面だけの成果ではありませんが、ハッカソンを推進するHack For Japanスタッフとして、そして石巻の若者を応援する一人として、ロンドンに行くためのスタートダッシュを切るお手伝いが出来たのは喜ばしいことです。まだまだこれから国内での最終選考に向けてブラッシュアップしていく必要がありますので今後も継続してサポートしていきます。

懇親会

東京から来ていた我々は2日目である日曜の夜に帰る予定で、本来ならハッカソン終了後の懇親会は途中で後ろ髪惹かれる思いで帰路につかなければならないはずでした。しかし前述した大雪のために石巻から仙台までの高速バスが終日運休になったことでその日も泊まらざるをえない状況となり、思いがけず一緒に頑張った仲間達とゆっくりと語らう時間が出来ました。イトナブから近いオープンスペースIRORIで開かれた一次会では八戸のせんべい汁や会津若松から参加したチームが持ち込んだ地酒も振る舞われ、大いに盛り上がりました。

イベントの様子を撮影した写真はこちらからご覧いただけます。
またダイジェスト版動画もYouTubeにて公開中です。

Hack For Japanスタッフ 高橋憲一&及川卓也

第2回石巻ハッカソンレポート

今年も暑い夏がやってきた!~石巻ハッカソン開催~

7/26~28にわたって第2回石巻ハッカソンが開催されました。このハッカソンは2012年の7月に開催された第1回に続くイベントで、地元の若者たちにアプリ開発を体験してもらいプログラムの楽しさを伝え、ゆくゆくはITによる地域活性化を担う人材を生み出すという大きな目標があります。このイベントを主催しているのはイトナブという石巻のコミュニティです。イトナブとは「IT」×「営む」×「学ぶ」の造語で、「石巻の次世代を担う若者を対象にウェブデザインやソフトウェア開発を学ぶ拠点と機会を提供し、地域産業×ITという観点から雇用促進、職業訓練ができる環境づくりを目指している」というのが活動の趣旨です。

今回はイトナブ主催者である古山隆幸氏を中心に石巻の若者たちが運営に携わり、古山氏がめざす「震災10年後の2021年までに1000人の開発者を石巻から生み出す」という理念のもと、Hack For Japanのスタッフがプログラムを教える講師役としてこのイベントをサポートしました。ハッカソン開催場所は昨年に引き続き、石巻工業高校で行われました(こちらにイトナブによる開催概要が見られます)。今回の石巻ハッカソンでテーマとして掲げられていたのは「石巻の若者を触発させる」でした。“開発の経験を通して、あらゆる若者たちが彼ら自身の行動や考えに触発される何かを手に入れて欲しい”というイトナブ古山氏の熱い想いが込められていたように感じました。

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「石巻をHackしてやる」Tシャツで気合い十分の参加者。コードメッセージの書かれたHack For JapanのTシャツと記念撮影

「IT Boot camp部門」、「チャレンジング部門」、「どや部門」を設けて同時並行で開催

あらゆる若者たちを触発させるために、通常のハッカソンとは違い、石巻ハッカソンではさまざまな人が参加できるようプログラムの習熟度別に「IT Boot camp部門」、「チャレンジング部門」、「どや部門」と3部門を設け同時並行で開催されました。

「IT Boot camp部門」は、開発の経験がない人でも3日間でアプリを実装するところまで体験してもらうことを目的とした部門です。参加者の中には高校生を中心にPCを使った経験が少ない方もいるであろうと想定されていたため、昨年の石巻ハッカソンでも利用実績のあった、Corona SDKという誰でも簡単にアプリ制作ができる開発キットを使って進めていきました。

“Coronaとは、サンフランシスコのCorona Labs社が開発・販売している、Android/iOSをターゲットとしたマルチプラットフォームアプリケーション開発のためのフレームワーク及びSDKの名称です。Coronaは、OpenGL ESのグラフィクス処理とLua言語によるスクリプティングにより、ゲームなどの2次元のアプリケーションの開発に適した構造を持っており、画面へのコンテンツ描写が処理の中心となるアプリケーションの開発に適したものとなっています。”――前回の石巻ハッカソンBLOGより。

またプログラミングすることなくPhotoshopを使ってアプリ開発ができるCorona SDK用のPhotoshopプラグインツールであるKwikを用いた教室もIT Boot camp部門では開催されました。

“Kwikはデザイナーやイラストレータ向けのツールでインタラクティブなeBookやコミック本をCoronaで作りたい人にはとても便利なツールです。”――とKwikについてはCoronaのサイトに書かれています。今回のハッカソンでも、実際にPhotoshop経験のある高校生や社会人がPhotoshopで制作したグラフィックをCoronaで動かし、最終的にAndroidアプリにすることができるようになりました。IT Boot camp部門の3日間にわたる講習はステップ形式でハンズオンによって進められていきました。

IT Boot camp部門(Corona SDKの講習風景)
IT Boot camp部門(Corona Kiwiの講習風景)

「チャレンジング部門」は、開発を学んでまだ日が浅い若者を対象にした部門です。この部門の参加者で注目されていたのは、昨年のIT Boot campで初めて開発を経験した第1回石巻ハッカソンの卒業生や東北で定期的に開催されている開発講習イベント「東北TECH道場」に通いスキルを着々と身に付けてきた若者たちでした。開発を初めてまだ間もない若者たちではあるものの技術を磨いてきた彼らには、「この3日間ひたすら開発に集中し、まわりをあっと驚かせるようなアプリをつくる」という意気込みが感じられました。チャレンジング部門では、チームで参加される方もいましたし、個人で参加して当日にチームを組んで開発を行うという方も見られました。

熱い意気込みが伝わってくるチャレンジング部門

「どや部門」は、開発経験者で仕事として携わっている、あるいは既に何個もアプリを開発しているなどといった高いスキルを持った方たちが参加する部門です。「石巻の若者たちに3日間で最高にすごいものをつくってレベルの高さを見せつけ、触発する」という意味合いから「どや部門」と命名されました。

「どや部門」でファシリテーションをとっていただいたのは、デザイナーでありSimejiを中心としたモバイルプロダクトの制作に携わっている矢野りん氏です。矢野氏にはデザイナーとしてどや部門に参加してもらうことに加えて、どや部門に参加する開発者のコミュニケーションをとりまとめ、石巻ハッカソン開催前にアイデアソンを実施してプロジェクトの“あたり”をつけていくといった、ハッカソン運営面でもサポートいただき、さらに最終的には“どや”と参加者を圧倒する成果まで披露していただきました。

開催前からのアイデアソンで数々のアイデアが生まれる

今回は講師や運営スタッフ、各部門の関係者については開催前からGoogle+でコミュニティをつくりオープンな環境で情報共有を図っていました。そのため「どや部門でアイデアソンが行われる」といった情報が刺激になり、「チャレンジング部門でもアイデアソンをやろう」といった流れを生み相乗効果が得られていました。
そのアイデアソンはオフライン/オンラインで行われ、チャレンジング部門では「消費カロリーに応じたメニューを表示する健康系アプリ」、「ご当地キャラがあちこちを歩いているARアプリ」、「ブレスト用アプリ」、「振られたという言葉に反応する慰めアプリ」などが、どや部門では「無限の録画」、「子供でも手軽に扱えるモデリングができるアプリ」、「ユーザーがポテンシャルに気づいて行動を起こせる気づかせ系アプリ」などのアイデアが出され、これらアイデアをもとにGoogle+上でさらに議論を重ねていくようすも見られました。

石巻ハッカソン、いよいよスタート!

7/26日の午後からハッカソンがスタート。古山氏からは「石巻には若者たちが活躍できるフィールドが少ないがITには無限の可能性がある。エンジニアのスキルを学べば石巻から世界に挑戦できる人材が生まれると信じて邁進している。この3日間で何かを得て欲しい。全国からプロのエンジニアが参加しているので、彼らと接してぜひ自分の学びにしてください」といった開催宣言が行われました。
続いてHack For Japan及川からは、ハッカソンそのものについて、Hack For Japan活動の説明がありました。さらに各自の自己紹介を経て、それぞれの部門に分かれて石巻ハッカソンが開始となりました。石巻工業高校で行われていたため、部門ごとに各教室に分かれての作業となります。教室内の黒板を使ってのアイデア出しなども見られ、学校での開催ということで、いつものハッカソンとは違った雰囲気で行われ、3日間をかけてそれぞれが最大の成果をめざして開発に取り組んでいきました。ハッカソン開催中は、ハッカソンに取り組むだけでなく、ヤフー復興ベースを訪問したり、石巻復興バーで飲んだりなど、石巻を楽しむ機会がありました。

黒板を使った議論も

成果発表。IT Boot Camp部門やチャレンジング部門でいくつもの成果が。そしてやはり、どや部門は“どや”だった!

最終日には各部門から成果発表が行われ、各部門さまざまな成果が出されました。
IT Boot campの部門では「ビリヤード」、「エアホッケー」、「太鼓をたたくと音が出る(corona wikiにも演習として出てくるものを発展させたアプリ)」、「画面上に並んだ数字をボールではじき飛ばす」、「シルエットの木に触ると鳥が飛んだり、時間がたつとイベントが起こる時計アプリ」など、はじめてプログラミングを体験した方がほとんどにもかかわらず、多様なアイデアのアプリが発表されました。
またKwikを使ったチームでは、「オス・メスを仕分けるひよこ仕分けアプリ」、「ピンボール」、「石巻の名産をモチーフにしたパズルゲーム」、「納豆をひたすら混ぜて、回数が増えていくとイベントが発生するアプリ」、「ボーリングゲーム」など、こちらもユニークな発想のアプリが発表されました。
このIT Boot campにて優秀賞として選ばれたのは高校一年生が制作した「画面上を逃げる顔文字をタップして捕まえる鬼ごっこゲームアプリ」、高校三年生が制作した「先生のキャラクターを海の底から救出するゲームアプリ」、同じく高校三年生が制作した「先生のキャラクターをタップすると人形ように触れるアプリ」が選ばれました。ポイントとしては「アイデアが良かった」、「デザイン的に面白い」、「工夫しようという試みがあった」、「発表を見ている方たちが、楽しんでいた」といった点で高い評価を得ていました。

優秀賞に選ばれた高校三年生の発表
チャレンジング部門では「未来へのキオクAPIを使い、どこにいてもご当地キャラが出入りし、タップすると現在の宮城の情報が得られるARアプリ」、「被災地でがんばるママ向けの子育て・食育系アプリ」、「わんこそばをモチーフにしたゲームアプリ」、「石巻のロゴをパズルにした落ちものゲーム」、「Google Play ServicesのActivity Recognition APIを利用して、徒歩、自転車に乗っている、クルマに乗っているなどユーザーの行動を表示するアプリ」などが発表されました。
チャレンジング部門での優秀賞は「学スケ」と名付けられた学生用時間割スケジューラーアプリです。このアプリは大学一年生とプロのエンジニアのチームにより制作されたもので、大学生の「自分の欲しいアプリを作る」ことを意識して思いついたアイデアから生まれました。石巻工業高校の生徒に捧ぐとされたこのアプリは、「普通科の学校用時間割アプリでは、機械製図など特殊な教科が入力できず自分の時間割を作れない」という課題を解消することをめざしました。
このスケジューラーは時間割をみんなで共有でき、さらには宿題を忘れないようにするアラーム機能も付いています。自分の身近なところからの発想であるということや完成度において評価されました。このアプリを思いついた大学生は、昨年の石巻ハッカソンでIT Boot campに参加した方で、corona SDKを1年、javaを半年ほど学んでおり今後が楽しみな存在です。

大学生による「学スケ」の発表
どや部門では「corona SDKのテストが行えるアプリ『Corona SDK test runner』」、「きれいにデザインされた背景色が選べるアラーム時計」、「防災に関するツイートを発信するアカウント特務機関NERVの情報をまとめた『NERVまとめ』サイト」、「困ったこととその解決策をつのる他力本願コラボレーションツール『ポテンシャライザー』」、「国会議員の所属政党履歴をgitで管理」、「ジオキャッシングというGPS機能を備えた機器を使って現実世界で行うアウトドア宝探しゲームにおいて、Google Glassを使って宝の場所が通知されるアプリ」などが発表されました。さすがにプロの開発者たちが集まっている部門だけあって、アプリやサービスの目的が明確かつデモのレベルも高く、参加者はとてもいい刺激を受けたのではないでしょうか。
印象的だったのは「NERVまとめサイト」をつくった石森大貴氏のプレゼンでした。石森氏は石巻市出身で実家が被災されたとのことで「石巻の中高生や大学生にプラスになれば」と参加されたそうです。石森氏は「自分で何かをやると世の中が変わるよ」ということを震災時の停電を防ぐ目的で行われた特務機関NERVのヤシマ作戦でのエピソードなども交えて話していただきました。

当初は公開する予定はなかったが、ハッカソン開催中に山口・島根の豪雨災害が発生したため公開された「NERVまとめサイト」
どや部門における優秀賞は前述の矢野氏に開発者2名のチームで制作された「ボクスケ」と名付けられたアプリです。3Dプリンターで出力できる3Dモデルを小学生でもつくれることをめざしたアプリという、とても難易度の高いアプリをハッカソンで形にしてしまう圧倒的なレベルの高さで文句なしの優秀賞でした。このアプリの素晴らしい点は、3D CADで使われるz軸の難しさを解消した点にあります。z軸を2Dの色の濃淡で表現することにより、直感的に3Dモデルがつくれるというものです。デモにおいても実際にモデルをつくるところから、3Dプリンターで出力できるCADデータに書き出すまでが見られ、まさに“どや”という完成度で、すべての参加者に驚きを与えていました。

どや部門で優秀賞となったボクスケチーム
すべての参加者の成果発表が終わった後、古山氏の総括が行われました。
「昨年、第一回目と比べて思ったのはIT Boot Campのレベルの高さ。とてもクオリティが高かったと思います。また、どや部門は本当にどやでした。同じ時間を使って開発してこれだけスゴイものをつくっている。上には上がいるのを実感できたのではないでしょうか。またチャレンジング部門ではIT Boot Campで学んでいた子が優勝できたのがうれしかったです。これからももっと開発者をめざす人の輪が広がっていって欲しいと思います」
こうして3日間にわたる第2回石巻ハッカソンが幕を閉じました。

次の石巻ハッカソンはもうすでにスタートしている!

今後もHack For Japanでは「震災から10年後の2021年までに石巻で1000人のIT技術者を育成する」というイトナブの目標を支援していきます。
実は石巻ハッカソンの後、東京で開催されたトークイベント“世界で一番面白い街「東北・石巻」に学ぶコミュニティデザイン「なぜ震災後、石巻には『面白い人』が集まるのか?」”があり、そこでイトナブの古山氏に加え、Hack For Japanスタッフの及川、高橋もディスカッションに参加しました。そこですでに来年の石巻ハッカソンのスケジュール(2014年7/25~7/27)が発表されるなど、次への動きが始まっています。
このブログを読んで興味がわいた方は、ぜひ来年の石巻ハッカソンへ参加して実際の雰囲気を楽しんでください。
最後に今回の石巻ハッカソンに参加いただいた方、講師や運営に携わっていただいた方など、すべての方にお礼申し上げます。ありがとうございました。また参加された方にはアンケートに答えていただいていますので、そちらは集計後、追ってご報告させていただきます。
参加された有山氏によるITproに掲載された石巻ハッカソンレポート

石巻ハッカソン開催のお知らせ

石巻の熱い3日間が今年もやってきます。
7月の26(金)、27(土)、28(日)と宮城県の石巻市でハッカソンに参加してみませんか?
昨年もHack For Japanで共催させて頂いたイベントを今年はスケールアップして開催します。IT Bootcamp部門、チャレンジング部門、どや部門の3つの部門があります。

IT Bootcamp 部門

プログラミングに初めて触れる方向けで、Corona SDKを用いて3日間でAndroidアプリの開発が出来るようになります。本当に3日間で出来るようになったという昨年の実績もあります。

チャレンジング部門

昨年のBootcampで初めてアプリ開発に触れた高校生や大学生たちはその後も東北TECH道場などで修行を続けています。この部門では、そんな少し成長した彼らがCorona SDKやJavaを使ってAndroidアプリを開発し、「どや部門」の凄腕エンジニア達に挑むべくチャレンジします。

どや部門

腕に覚えのある方に参加して頂き、3日間で「どや!」と言えるものを開発して石巻のこれからを担う若者達に刺激を与えて頂ければと思います。テーマは緩く「東北・石巻の事を考えた何か」で、開発プラットフォームは自由です。Androidアプリに限らず、参加される方の最も得意とするもので「どや!」して下さい。また、本番の1週間前辺りに東京でアイデアソン (*1) の開催も計画中です。直前ではありますが、まずはこのアイデアソンに参加頂いてから本編のハッカソンへの参加を判断して頂くということでも構いません。
*1 アイデアソン … ハッカソンで開発するものを考えるブレインストーミングのようなもの

普段プロのエンジニアとして活躍している皆さんには是非この「どや部門」に参加して頂ければと思います。石巻でITを産業として盛り上げていく未来へ向けた取り組みと言えるものだと思いますので奮ってご参加下さい!

なお、26(金)は平日となりますので、「土曜からなら参加出来るのだけど…」という方でも 27(土)、28(日)の2日間の参加でもOKです。

お申し込みはこちらのサイトにあるフォームからお願い致します。

また、IT Bootcampやチャレンジング部門で使う Android 端末の募集もしております。Android 2.3 以上が動作するもので、もし使わなくなった端末がありましたらご提供頂き、ハッカソンの開催にご協力頂ければと思います。ご提供頂ける方は info@hack4.jp までお知らせ下さい。


石巻ハッカソン

場所: 宮城県石巻工業高等学校(宮城県石巻市貞山5−1−1)
日時: 2013年7月26日12時〜7月28日13時まで
交通、宿泊等の詳細はこちらのサイトをご覧下さい。

昨年のIT Bootcampの様子

Hack For Japan スタッフ 高橋憲一

石巻IT Boot Camp レポート

以前、本ブログでもお知らせしたように、7/27〜7/29まで石巻で行われた石巻ハッカソンにHack For Japanスタッフも参加してきました。

石巻ハッカソンはStartup WeekendとIT Boot Campの2つから構成されていましたが、このレポートでは地元高校生(石巻工業高校生)にスマートフォンアプリケーションの開発を習得してもらうIT Boot Campについて報告します。

Corona SDK

今回のIT Boot Campは、あまりプログラミング経験のない高校生にスマートフォン(AndroidおよびiOS)アプリケーションの開発を体験してもらうために行いましたが、授業で、基本的なプログラミングは習っているものの、Javaなどを習得している生徒はほとんどいない状況でしたので、Coronaを用いることにしました。
今回使用した、このCoronaとは、サンフランシスコのCorona Labs社が開発・販売している、Android/iOSをターゲットとしたマルチプラットフォームアプリケーション開発のためのフレームワーク及びSDKの名称です。Coronaは、OpenGLESのグラフィクス処理とLua言語によるスクリプティングにより、ゲームなどの2次元のアプリケーションの開発に適した構造を持っており、画面へのコンテンツ描写が処理の中心となるアプリケーションの開発に適したものとなっています。
このCoronaを用いるために、Corona Labs Inc.からは10個のライセンスを寄附いただき、講師としては、日本Coronaの会から山本直也さんと小野哲生さんに参加いただきました。また、会場には、講師の山本さんが執筆された「基礎から学ぶ CoronaSDK」や実際にアプリケーションを転送して試すためのNexus Sも寄贈されました。

初日

初日(7/27)は午後3時から開始でした。
今回の講師たちは会津若松(Hack For Japanスタッフの佐々木)や東京(Hack For Japanスタッフの及川)、静岡(日本コロナの会の山本さん)、そして兵庫(日本コロナの会の小野さん)から参加しています。IT Boot Campはもう1つのStartup Weekendとは会場もスケジュールも異なるのですが、最初は参加する約10名の生徒とともに、石巻ハッカソンとしてのキックオフに参加しました。IT Boot Campの参加者は、最初の挨拶などが終わったら、すぐに退席し、IT Boot Campの部屋に移動しましたが、通常のハッカソンの始まりを体験できたのは生徒にとっても大きな経験となったことでしょう。
IT Boot Campは、事前に今回のために用意されたWikiに書かれたステップにしたがって進められていきました。最初はCorona SDKのダウンロードからインストール、そして単純にAndroidに “Hello!” という文字を表示するまでのアプリケーションの開発を経験することで、開発プロセスの流れを学びます。
初日は、主に開発に親しんでもらうことを目的としました。画像やテキストを配置したアプリケーションを制作し、最後にイベントとの関連付けを行うアプリケーションとして、タップすると音が出るゲームの開発を行いました。
最後の課題を講師に確認してもらい、終了した生徒(最終的には全生徒となりました)にCoronaのTシャツを贈呈して終了となりました。

二日目

Hack For Japan スタッフの高橋はこの日から参加。講師は5人体制となり、生徒10人に対して5人の講師は、マンツーマンとまではいかないまでもかなり密なサポートができたのではないかと思います。

物理エンジン

午前は物理エンジンについての話から始まりました。Corona SDK の特徴の一つとして、高度な物理エンジンが組み込まれており、それを手軽に使うことができるということが挙げられます。重力の方向に応じてオブジェクトが落下していき壁や床で跳ね返る動作、オブジェクト同士がぶつかる時の当たり判定などは簡単に実現できます。やはり画面に表示したものに動きがつくと面白みが増してきます。生徒達もそれを感じてもらえたのではないかと思います。

Gumbo

午後からは「目指せ Angry Birds」という目標を掲げ、Gumbo というオーサリングツールを使うことを学びました。画面上にオブジェクトを配置して、実際に動きを確かめながらそれぞれの物理パラメータを調整していきます。ここでいろいろと実験することで、各自自分が作りたいアプリのアイデアを考え始めることができたようです。

アイデア

この日の最後には、3日目に各自オリジナルのアプリを作成するため、紙を使ってアイデアをまとめていきました。紙に画面のイメージを書いて考えたのが良かったようで、ゲーム系、音楽系、様々なアプリの構想が出てきました。ここでの講師の役目としては、実現不可能なものになっていないか、まずは何か動作するものを作って、そこから時間の範囲内で機能を拡張していくことができるように手順をアドバイスすること等がありました。

三日目

最終日となる三日目は、前日に考えたアイデアをアプリケーションとして制作する作業です。講師も休む暇なく、生徒の質問に答え、一緒に面白いゲームにするために考えます。この日は時間との戦いの日でもありました。

自由課題

実装を進めていく最中にも様々なアイデアが出てきます。例えば
「このジャンプボタンは1度押すと一定時間使えないようにしたいのですがどのようにすればできますか?」
「それならタイマー機能を使うといいよ」
といった具合に生徒と講師のやり取りが交わされて、どんどん仕上げられていきました。
講師の側もだんだんと熱が入っていき、詰まってる生徒を見つけると「何か上手くいっていないことはある?」と声をかけます。
「1回目は沢山のオブジェクトが画面に出るのに2回目以降は少ししか出ないんです。何が悪いのでしょう」
「(ソースコードを眺めて)んー、なるほど。繰り返し処理の最初の部分で配列をクリアする処理を入れると良いよ」
というやり取りもありました。
実は今回東京から講師として参加した二人のスタッフは事前に少し予習して来たとはいえ、Corona SDK は初心者と言って良い状態。しかしそこは開発の現場で長く培って来た経験を元に何とか講師を務めることができました。もちろん、Corona SDK の取っ付きやすさにも助けられました。
最終的に開発されたアプリケーションは次の9個になります(最終日は1名の欠席がいました)。
  • しゃちほことばし(分類:ゲーム)制作高3
    • このアプリケーションは左に配置されたダルマを飛ばすことで、右に配置したしゃちほこを落とすゲームです。間には上下に動いている障害物があり、それを避けるようタイミングを計ってボールを飛ばします。
  • jumping(分類:ゲーム)制作高3
    • 空中に配置されている箱の間を左右移動ボタンとジャンプボタンを駆使して飛び跳ねながら移動していくゲームです。パワーを使うジャンプボタンの使用に制限を加えることでゲーム性を高くしたのが工夫のポイントです。
  • ボールタッチ(分類:ゲーム)制作高3
    • 画面を埋め尽くさんばかりに大量に落ちてくるボールにタッチして、その数を競うゲームです。 
  • sound mission(分類:音楽)制作高3
    • ボールが跳ねてぶつかると音階を奏でる障害物が画面に複数配置されており、今回は「かえるのうた」が半自動で奏でられるようになっています。最後の要素は自分でうまく動かさないと音が出ないというゲーム性もあります。
  • Beginner Drummer(分類:音楽)制作高2
    • ドラムの基本パーツを画像とともに配置し、画像にタッチすることでドラムセットを演奏できるアプリケーションです。
  • scratch(分類:音楽)制作高2
    • DJが使うようなスクラッチ音源を画像とともに配置し、タッチすることで演奏できるアプリケーションです。録音した先生の声を元にしたサウンドも2つ用意してあります。その2つをタッチすると、「寝るなー」と「起きろー」と叫びます。
  • クイズゲーム(分類:パズル)制作高3
    • 簡単な計算の回答を1から9の数字の中から選ぶだけなのですが、その9つの数字が物理エンジンの原理を用いて、枠の中を動きまわります。動いている数字をタッチする難しさがこのパズルの面白いところです。オープニングもイージングを使った凝ったものになっています。
  • シーソーゲーム(分類:パズル)制作高3
    • シーソーの右側の籠にあるしゃちほこと釣り合うように、左側の籠に重りとなるものを入れていくゲームです。重りを置いた位置がシーソーの中心からどれだけ離れているかも関係するようになっています。
  • ドミノ(分類:パズル)制作高1
    • 自分で板を配置していき、ドミノ倒しを楽しむことができます。横スクロールして画面からはみ出した範囲を見ることもできるようになっています。

Startup Weekendの発表会にて、発表

最後に今回の Boot Camp の集大成として、大人達の成果発表に混ざって高校生達も自分たちの作ったアプリを紹介するためにプレゼンテーションを行いました。自分のアプリのアピールポイントを的確に説明することはもちろん、会場のウケを取る場面もあったりと、みんななかなか堂々としたものです。

今後

実質 2 日半という時間でここまでたどり着けたことは素晴らしい成果だと思います。
Hack For Japan では石巻2.0と協力して今後もこの高校生達をサポートしていきます。すでに、Facebookグループが作成されており、全国に分散する講師や先生の情報共有と議論のためだけでなく、参加した生徒もメンバーに加わって質疑応答などがされています。今後は、Google+ ハングアウトなどを使ってリアルタイムでフォローを行なっていくことも検討しています。また、詳細は未定ですが、高校生達が作成したアプリケーションをお披露目する機会も設けようと計画しています。

Hack For Japanスタッフ 及川卓也, 高橋憲一

第1回 石巻ハッカソンのお知らせ

この度、Hack For Japanでは、石巻2.0と共同で石巻ハッカソンを開催します。

石巻2.0にイトナブという「IT」+「営む」+「学ぶ」を合わせた造語を名前に持つ、石巻の将来を担う若者の職業訓練と雇用促進を行うプロジェクトがあります。このイトナブ主催で7/27(金)〜7/29(日)まで行われる第1回石巻ハッカソンは「Startup Weekend」と「Boot Camp」の2つのプログラムから構成されます。

Startup Weekend (主催:Startup Weekend Tokyo+イトナブ)は、起業を目指し、ビジネスモデルを競い合う「Startup Weekend」(本拠地:米国シアトル)をベースとして、石巻独自のStartup Weekendを展開します。

今回は「地域住民が抱える様々な問題について、ITを駆使して解決し、新たなビジネスモデルを構築する」ことを目標として、グループ単位で競い合います。

複数の参加者が問題を発表 それぞれの問題についてチームを結成 チーム毎に解決策を検討、プログラムを開発 解決策、プログラムのプロトタイプを発表 評価 という流れのイベントとなります。

Boot Campは、主に、石巻市及び近郊の高校生がソフトウェア開発の第一歩を踏み出すためのイベントです。既存のカリキュラムを用いて、3日間でAndroidアプリを制作します。Corona SDKを用いる予定です。協力:GClue(from会津)

どちらも会場は石巻工業高校です。

石巻工業高校
住所: 〒986-0851 宮城県石巻市貞山五丁目1番1号

Boot Campは地元の高校生が主役ですが、Hack For Japanスタッフがチューターとして協力します。

Startup Weekendへは地元以外からも開発者が参加可能です。7/27(金)午後2時に石巻工業高校に集まれる方を募集します。宿泊テントを用意しますので、後10名程度までならば、実費3千円程度でお泊りいただけます。それ以外の場合には、近隣の松島や東松島の宿泊施設をご自身で手配いただく形となります。
※テント利用は希望順となります。数に限りがありますのでお早めにご連絡ください。
夏休みに入った後ではありますが、是非とも奮ってのご参加をお願いします。なお、開始は金曜日からとなりますが、希望者は土曜日からの参加も可能です(*ただし、すでにグループ分けは終了した後から合流する形となりますので、その点はご承知おきください)。

申し込みはこちらから 終了しました。

Hack For Japanスタッフ 及川卓也
石巻2.0 古山隆幸(理事)「イトナブ」「セレブリティプロジェクト」「RE-FUTEBOLISTA」webプロデューサー


石巻2.0とは
ISHINOMAKI 2.0は東日本大震災を経験した石巻というまちを、震災前の状況に戻すのではなく、新しいまちへとバージョンアップさせるために2011年6月に設立されました。メンバーには地元の若い商店主やNPO職員をはじめ、建築家、まちづくり研究者、広告クリエイター、Webディレクター、学生など様々な職能を持つ専門家が集まっています。

震災後、ジャンルに縛られない多種多様なプロジェクトを実現させてきました。石巻に元からあるリソースを丁寧に拾い上げ、全国のありとあらゆる才能と結びつけて今までになかった新しいコミュニケーションを生み出しています。

ISHINOMAKI 2.0は常にオープンな集団です。石巻の内外の人々を巻き込みながら、すべての人がまちづくりの主役となるような仕組みをつくりだそうとしています。石巻のバージョンアップが、日本のバージョンアップのモデルになることを目指しています。
(「石巻2.0とは」から)

復旧 復興支援データベースAPI ハッカソン開催のお知らせ

東日本大震災の復旧・復興のための各種支援制度が国や地方自治体から提供されています。その利用を促進するため、Web経由で検索するサイトが今年の1月から立ち上がっています。現在すでに、国および岩手・宮城・福島の3県の情報が登録されています。

復旧・復興支援制度データベース

さらに、2月からはRSSやAPIの提供も開始されており、一般のアプリケーションやサービスが利用することが可能となっています。

復旧・復興支援データベースAPI

このRSSやAPIを利用することで、きめ細かい検索を提供したり、制度の紹介を自動的に行わせることなどが可能なのですが、多くの開発者にこの存在を認知されているとは言いがたい状況です。

そこで、Hack For Japanとして、経済産業省および三菱総合研究所と共同で、このAPIのアイデアソン/ハッカソンを開催することといたしました。

このAPIを使って、どのようなアプリケーションやサービスが開発できるか議論し、また、実際に開発を進めることを目的としています。APIやサイトへの問題点や要望などがあれば、経済産業省にフィードバックすることも可能です。

開催要項

開催日時/場所

  • 6/2(土)10:00 – 17:00
  • 三菱総合研究所 会議室 / 東京都千代田区永田町二丁目10番3号(地図
  • 定員50名

対象者

  • 開発者: アプリケーション/サービスを開発する人
  • 利用者: 行政書士/税理士など
  • そのほか、興味ある人

当日のアジェンダ

10:00 進め方の説明
10:15 経産省からAPIの説明目的や想定利用ユーザーなど
10:45 参加者の自己紹介
11:00 税理士/行政書士からのインプット

  • (想定)利用シーン
  • 通常の業務
  • 被災地での活動
11:30 質疑応答
12:00 アイデアディスカッション / グループ分け(仮)

  • アイデアをすでに持つ人はそれを共有
  • グループ分けをして、グループごとに議論
12:30 ランチ
13:30 グループ分け / ハッカソン & アイデアソン

  • 議論を続けるか、開発できるところは開発を行う
  • アイデアディスカッションだけのグループを確保
16:00 成果披露、質疑応答/フィードバック
17:00 終了

参加登録

参加希望者はこちらのフォームから登録してください。
氏名、所属(任意)、メールアドレスおよび立場(開発者か利用者か)を登録お願いします。
皆様の奮っての参加をお待ちしております。参加に当たって質問などある方はinfo@hack4.jp までお問い合わせください。

Hack For Iwate ~仮設住宅でのネットカフェ設置に向けて~

2011年10月15日(土),16日(日)

いざっ!遠野へ!
そろそろと秋の足音が聞こえ、足早に深緑が赤や黄色の鮮やかなグラデーションに彩られていく季節。
北海道では昨日初雪が観測されたという。

今、仮設住宅はどうなっているのか。
コミュニティは機能しているのか。
個の生活になり、情報の流通が課題だと聞いた。
寒さへの配慮はされているのだろうか。

「仮設」その名の通り、仮に設営された仮の住まい。
せめて被災地の方々が、本当の生活を取り戻すまで、インターネットを通じて支援または応援できることはないだろうか…
そんな思いがまた、Hack For Japanスタッフの心を突き動かした。
前日から、休みをとって車で向かう者。
夜行バスで、早朝の遠野に到着する者。
私は、前日の業務があり、始発の新幹線で向かうことにした。

14日の深夜、遠く東京から遠野の地で同じ思いを持った仲間に出会える期待に胸が熱くなり、ろくに睡眠も取らずに朝を迎えた。

朝5時、寝袋を携えて、仲間の待つ遠野へ発つ。いざっ!遠野へ!

10月15日 遠野まごころネット
岩手県遠野市。遠野駅からほど近い、遠野福祉センターに本拠地を構える 遠野まごころネットさんの協力を得て、会場をお借りし、15名の仲間が集った。
午前中はあいにくの雨。
すぐ横の運動場では、子供たちが元気にサッカーの試合をしている。それを見守る保護者の方達。
世の子供たち全ての未来を、希望を守らなくてはならないと静かに願う。
体育館には畳が敷き詰められ、支援物資の倉庫、ボランティアの方々の宿泊施設としても提供されている。
廊下には、様々な張り紙が張られている。応援、感謝、再来、感動…
さらにプライバシーの無い中で多くの規律を求められ、共同生活の難しさを感じたのは私だけではない。

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頭の下がる思いでいっぱいになる。

打ち合わせ開始
四角にテーブルを囲んだ会議室で、誰と言わずにお互いの挨拶が始まる。
参加者が少ない中では、相手を十分に知るプロセスを踏める時間が生み出されるのがメリットでもある。

一通りの挨拶の後、プロジェクターに活動資料や主要サイトを映しながら仮設住宅の現状を報告頂く。
 岩手復興センター 鹿野さん
 •仮設住宅の現状
 •現在の構想
 •他の地域での事例
 •移動式ネットカフェ
 •情報レンジャー for 助けあいジャパン
 •宮城県仙台市宮城野区のがれきの中に設置された「みんなの家」の現状
 •青葉通りの奥に設置された 復興まちづくり住宅

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続いて
 釜石出身のスタッフ 岩切さんから釜石の現状を伝える。
 •釜石一番の繁華街が津波に教われ飲屋街が壊滅状態に。
 •釜石の居酒屋は現在、養老乃瀧とつぼ八のみが復活。
  復興は赤提灯から。そこにいると誰かに合える場になっているとつけ加える。
 •65歳以上の人口が31%
 •このイベント開催当日も釜石で祭りが開催されていると告げる

ここから議論は、右に左に様々な方向へと話題が風向きを変える。
 •お年寄りにもインターネットの便利さを伝えたい
 •子供向けのコンテンツも必要
 •ネットショップを開設してビジネスを立ち上げるきっかけにもできないか
 •マンガ喫茶からDVDをいただけないか
 •セキュリティも考えないと
 •パソコンの使い方を教える人はどうする?
 •教える人の教育も必要ではないか?
 •タブレットの方がお年寄りや子供への導入は容易い
 •Yahoo!のGyao!の上映会はできないの?
 •インフラの導入まで考えるのか?
 •Googleの「みんなのビジネスオンライン」が無料で使えるかもしれない
思いは一緒だが、複雑に絡み合っていた。

一旦、休憩。その間に、具体的に課題整理をし、今回取り組むポイントを3つ決める。
1、インターネットに興味をもってもらうためのコンテンツ
2、インフラに必要な物
3、教育分野と雇用

再開
1、インターネットに興味をもってもらうためのコンテンツ
各自ポストイットで思いついた案を付箋紙に下記、下記のようにマッピングして張り付ける。
 縦軸 Child → Young → Adult → Senior
 横軸 楽しい → 役に立つ
30余りの案が出ただろうか。続いて、案をグルーピングする。
 •機能として活用できる案
 •ツールとして活用できる案
 •イベント企画案
 •ホームサイトに載せておきたいもの
 •技術的に必要な物

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5つのカテゴリに分類し、午後は、ここから細分化していくことにする。

2、インフラに必要な物
こちらについては、アイデアだしはできるが、他団体でも想像できるので今回のスコープからは外すこととした。

3、教育分野と雇用
 •技術力のある人が住み着く必要性
 •教えるスタッフを教えるスタッフの必要性
 •専門学校の学生、高校生、パソコンクラブの中学生などボランティア参加者がインストラクターに
 •「お茶っこ隊」にその役割を持つことを検討する for まごころネット
 •雇用部分は、可能であれば、雇用を生んでほしいという議論に

ターゲットをIT慣れしていない人たちに置くことで、それほど高いスキルは必要ないこととする。
まずは、インターネットに触れるきっかけ作りがネットカフェの役割であろうと結論づける。

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昼食
岩切さんの母上からの差し入れ、ちらし寿司、松茸飯ととさんまの煮物、デザートのぶどうまで大量に頂く。
遠慮無くおいしく頂いた。
腹が減っては戦はできぬ。ごちそうさまでした。
おかわりして、ごめんなさい。おいしかったんです。

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急遽!視察団結成!
昼食後、参加者からの提案で、「百聞は一見にしかず!」みんなで、仮設住宅の状況を見に行きませんか?!
満場一致!
具体的策を練る前に、午後は視察団を結成する運びとなった。
当然、全員参加。

遠野希望の郷「絆」
 •木で作られた壁や廊下が印象的
 •コミュニティ足り得るサポートセンターも
遠野市が東京大学や県立大学の協力を得て整備していた震災被災者のためのコミュティーケア型仮設住宅。

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空はすっかり晴れ、車に乗り合わせて、大槌町に移動。
山間のぐねぐね道をこんこんと湧き出る眠気と車酔いに耐えながら峠を越える。
鮮やかな紅葉がひととき心を和ませる。救いだ。
(画像)

大槌町。
メディアにたびたび露出される建物を目の当たりにする。
こんなところまで…
宮城、福島、八戸と巡ってきた私も津波の高さに声が出なかった。

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まごころ広場うすざわに到着。
現在は、縮小されたがまだまだコミュニティ広場としての役割は重責。
外国の方も多く集っていた。医院、薬局も設置。

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さらに奥、和野っこハウス(大和ハウスの協力住宅)に到着。
大槌町で一番住戸が多い仮設住宅とのこと。

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行ってみて初めてわかることの多さ、雰囲気、インフラの未整備…
課題は山積みだ。
 •男性のサポートセンター活用が少ない(あまりセンターに出てこない)
 •建物毎wifiが遮断される

この日はここで解散。

帰路ついでに、暗くなったが大槌町の役所、釜石の貨物船、地盤沈下した港に立ち寄った。
復興に進み始めているエリア、まだまだ復旧が必要なエリア…
さらに深く考えさせられる一日となった。

10月16日 さらに 遠野まごころネット
薄曇り、時々…雨…
昨日のカテゴリ分けを掘り下げる議論。現場を見てきて、まず集まるきっかけが重要と知り、特に重点ポイントに。
これからの冬に向け、さらに外出が億劫になる。吸引力が必要だ。
インターネットがここの家では使えないが、もともと利用していた人もいる。
いくつかのアイデアスクラップとビルドを行うことになる。
参加者は、昨日の半分が入れ替わりつつも11名の仲間が参加。

ネットショップを開設し、地元の商品を販売したい。
 Google ビジネスオンラインの仕様を検討した。
動画を配信することをきっかけにインターネットに興味を持ってもらうことがいいのではないか?
 コンテンツの著作権、放映の可否確認を宿題に残した。
共通のコミュニケーションツールはどうする?
 まずは、メールグループ設定。
 Facebookも活用のコアになる。
教育は、どうする?
 Highリテラシー層を確実に押さえ、その周辺、そのまた周辺へ伝播しながら教育を兼ねる流れが自然だ。
 出来るものは、どんどん発信し、コミュニケーションを取ろう。

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テーマ、カテゴリ議論に加え様々な議論の飛び交う中、また本日も岩切さんの母上の料理を馳走になった。
誠にカタジケナイ…しかし、本当においしかった。

2つのテーマ
午後は、薄い雨の中、2つのグループにわかれ、ディスカッションが行われた。
1、セキュリティと利用マニュアル
2、インターネットカフェに必要なコンテンツ

2時間以上に及ぶ議論。
真剣に、そして深く、まとめあげていく。

1、セキュリティと利用マニュアル
 •PCは、システム的なツールを利用してログイン管理
 •Yahoo!ツールバーなどの導入
 •セキュリティソフト
 •Yahoo!きっず で子供たちを守る
 •マニュアルは、必要
 •たたきを作り、必要最低限にまとめる
 •PCの貸し出しと合わせて自己責任の明確化
 •タブレットの方が導入は容易いが、セキュリティ担保が困難
 •個人メールなどのひも付けをさせない仕様にする

2、インターネットカフェに必要なコンテンツ
 •PCのホームに必要な物 Facebook、Twitter、YouTube、などのショートカット
 •イベント 動画の鑑賞会をキーに人を集める
 •マニュアル作成自体をイベントにする
 •タブレットには、おすすめアプリ、ゲームなど
 •Facebookなどが利用できる人が、周辺を誘い、徐々に低リテラシー層にリーチする

発表が終了し、個々に意見を述べる。
私自身も最初何が出来るのか、戸惑った。しかし、さまざまな分野に長けている方が
集まることで様々な問題解決に近づいた気がする。

まだまだ、道のりは険しい。
カフェのオープンの準備の時には、再びこちらを訪れることを心に誓い、遠野を後にした。

ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
また、近いうちにお会いしましょう!

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Hack for Japan スタッフ 冨樫 俊和

Hack For Japan 仙台会場(7/23・7/30) 開催レポート

Hack For Japan 仙台会場スタッフの菊池と申します。
私は仙台市在住の大学院生で、仙台会場の取りまとめをしております
小泉さん(@koi_zoo1)のお誘いでアイデアソン・ハッカソン両日のスタッフを
務めさせていただきました。
仙台でのHack For Japanは5月21日、22日に引き続いて2回目の開催となります。
今回の仙台会場は「未来を担う学生たちとコラボレーションを!!」という方針を掲げ、
仙台の学生ITコミュニティのSTDIO.S(Student Information technology
Organization for Sendai)と共同で開催いたしました。
結果、アイデアソンでは22名中6名、ハッカソンでは17名中4名の学生に参加して
もらうことができ、アイデアソンでは親子で参加された方がいるなど、他の会場以上に
幅広い年齢層の方に参加してもらえたのではないでしょうか。
当日の模様はUstreamアーカイブから確認することができますので、お時間の
ある際に是非ご覧ください。仙台会場のTwitterアカウント(@hack4miyagi)を
同時にご覧いただくと、当日の臨場感が味わえると思います。
全体の感想としては「震災時だけではなく、日常使いも可能なアプリケーションを」
というテーマで進行したことから、どのグループも個性的で利用者が手に取りやすい
アプリケーションを作ることができたのではないでしょうか。
また、アイデアソンで必要技術の絞り込みまで行えたことから、ハッカソンでの
作業時間を多く確保できたほか、技術に長けている方が他のチームの補助に
回ったり、デザイナーの方が十分な時間をかけて作業をすることができたことも
プラスになったのではないかと感じています。
ハッカソン終了後の記念写真。皆さん、良い笑顔です。




7月23日: アイデアソン
アイデア創出の専門家、アイデアプラント代表の石井力重さん(@ishii_rikie)を
司会進行役にお迎えして進行していただきました。この日は親子での参加や、
学生の参加者が多かったことから“出てきたアイデアの芽はどんなものでも
大事にする”という方針を掲げ、「復興のアプリを作る」というよりも
「面白いアプリを作る」ことに比重を置いてアイデアソンを行いました。
結果、仙台会場では次の6つのチームが結成され、ハッカソンへと繋ぎました。
「教えて! 冷蔵庫君!!」(チーム: ガラスの胃袋)
「自宅の食料の賞味期限を外から知りたい!」「食べ物の危険性を知りたい!」
というアイデアから生まれた「食べ物に関する情報を検索・通知するアプリ」です。
ユーザインタフェースを重視し、丸みを帯びた冷蔵庫と食品を模した可愛らしい
アイコンから、賞味期限やレシピ、うんちくといった情報を引き出すことが
できるほか、自身で見つけた記録しておきたい情報は”付箋”という形で
保存することが出来ます。
「パスワードクラック震度計」(チーム: 平均年齢未成年とオヤジ)
「非常時に家族のPCを使いたい!」というアイデアから生まれたサービスです。
パソコンやスマートフォンといった情報機器(以下、情報機器A)と震度計を
連携させ、ある震度以上の地震が発生したときに他の情報機器
(以下、情報機器B)にIDとパスワードを通知し、緊急時でも情報機器Aの
利用が可能になるというものです。
「Gene(ジーン)」(チーム: Gene)
「医療目的のデータベースがあれば便利なのではないか?」というアイデアから
生まれた「指紋などの画像から、個人の健康情報をインターネット上から
取得できるアプリ」です。指紋や虹彩といった生体情報が写った画像を
あらかじめサーバに記録しておき、これと持病や既往歴、処方している薬品
といった健康に関する情報をひも付けておき、緊急時に関わらず生体情報を
キーにこれらの情報を引き出せるというものです。また、生体情報から今日の
運勢を表示してくれるなどの娯楽要素も盛り込んでいます。
「復興笑点」(チーム: 復興笑点)
「復興アイデアを言わせろ!」というアイデアから生まれた「お題に応じた復興ネタを
投稿できるサービス」です。笑点のようにある“お題”に対応する「復興ネタ」を自由に
投稿するすることができると同時に、面白いと思ったネタには“座布団”という形で
レコメンドを付けることができます。これまで取得した座布団の数をランキング形式で
表示することもできます。
「人口サーモグラフィ」(チーム: 人口サーモグラフィ)
「ジオロケーションサービスを通じて、その場所にいる人の数をサーモグラフィの
ように表すサービスがあれば面白いのではないか?」アイデアから生まれた
サービスです。専用のアプリから観光地やお店などのランドマークにチェックイン
してもらい、チェックイン数から地図上に色を付けていきます。チェックイン数が
多いところほど色が濃くなるので、人がどこに集中しているのかや、最近流行の
スポットが分かるなどという効果があります。
「堪忍袋」(チーム: 堪忍袋)
「いびきをかいている人に気づいてもらえるアプリが欲しい!」というアイデアから
生まれた「音とバイブレーションで周囲がうるさいことを通知するアプリ」です。
携帯電話やスマートフォンのマイクから周囲の音を録音し、一定時間騒がしい
状態が続いたとき、大音量のアラームとバイブレーションで通知します。
UIも重視し、騒がしい状態が続いているときは画面の堪忍袋が膨らんでいき、
逆に静かな時は堪忍袋がしぼんでいきます。
途中、参加者自身の取り組みを発表するショートプレゼンや、アイデアソンでの
こまめな対話で、参加者間の相互交流を深めることができた良い一日だったと
感じています。
7月30日: ハッカソン
仙台会場も他会場と同様、アイデアソンから一週間後の7月30日にハッカソンを開催
しました。各チームごと当日のゴールを発表したあと、作業に移ってもらいました。
当日都合がつかず、開発に長けた方が抜けたチームもありましたが、事務局で予め
お願いしていたチューターの方や当日協力を申し出てくれた参加者の方の協力で、
逆に相互交流が進み、どのチームも一定の成果を出すことができました。
「教えて! 冷蔵庫君!!」(チーム: ガラスの胃袋)
このチームではレシピ、Tips検索とアプリ開始時のTips表示、アイコンによる
検索上位表示の3点をゴールに、WebとAndroidアプリの二つのプラット
フォーム上での作成に取り掛かりました。ハッカソン終了時には両プラット
フォームとも3点の基本機能は実装完了、AndroidアプリではUIまで実装すると
いう結果になりました。チーム内にチューターの方がおり、一般の参加者よりも
作業量が多いにもかかわらず、クオリティの高いアプリを完成させています。
デモURL
「パスワードクラック震度計」(チーム: 平均年齢未成年とオヤジ)
このチームでは地震発生時にインターネット上から震度を取得し、震度が一定
以上ならば画面上にIDとパスワードを表示させるアプリケーションを作ることに
しました。このチームはアイデアソンから人数が減り、開発に長けた方がいない
というトラブルに見舞われましたが、ダミーの震度データから画面上にIDと
パスワードを表示させる部分を完成させています。
「Gene」(チーム: Gene)
このチームでは個人情報の登録・照会・既往歴等の表示が可能なスマートフォン
アプリを作る予定でしたが、チームにスマートフォンアプリに長けた方がいなかった
ことから急きょWeb上での実装に変更。当日の急な変更に見舞われながらも、
テキストではありますが個人情報の登録・紹介・既往歴等の表示といった基本的な
機能に加え、UIのデザイン、娯楽要素である運勢表示まで実装するという、
最も完成度が高いチームでした。その完成度の高さから、各会場の成果発表では
仙台会場の代表として発表してもらいました。
デモURL
「復興笑点」(チーム: 復興笑点)
このチームではWeb上での投稿、投稿のリアルタイム表示、“座布団”の付加、
座布団ランキング表示という基本機能の完成をゴールに作業に取り掛かりました。
ハッカソン終了時には一部不具合が見られるものの、時間内でほぼ完成する
という結果になりました。こちらもチーム“ガラスの胃袋”と同様にチューターの方が
いらっしゃいましたが、負けず劣らずのクオリティを誇っています。
「人口サーモグラフィ」(チーム: 人口サーモグラフィ)
このチームではTwitterの投稿に含まれる緯度経度情報とGoogle Mapの二つを
利用して、そのスポットの人口密度を表すアプリをWeb上で実装することにしました。
こちらのグループもハッカソン時に技術に長けた方が一人もいないというトラブルに
見舞われましたが、Twitterの投稿から緯度経度情報を抜き出し、Google Mapの
特定地点上に円を描画するところまで完成させています。
「堪忍袋」(チーム: 堪忍袋)
このチームにはデザインに長けた方が一人もいないことから、音を取り込む、騒音度
の蓄積、アラームとバイブレーションの作動といった最低限の機能をiPhoneアプリ
およびAndroidアプリで実装することゴールに、作業に取り掛かりました。結果、
iPhoneアプリ版は音声を認識して爆発音を鳴らすまで、Androidアプリ版は音声を
取り込むところまで完成することが出来ました。
惜しくもハッカソンに採用されなかったアイデアについては、アイデアソンで
司会進行役を務めてくださった石井力重さんのBlogに掲載されています。
仙台会場から出た他のアイデアに対して、実現できるアイデアやもっと工夫できる
アイデアなどありましたら、Hack For Japanメーリングリストまで是非ご連絡ください。
また、現在以下のFacedbookグループにて仙台会場のプロジェクトを継続して
推進しています。
イベントに参加してない方でも上記プロジェクトに興味のある方は是非こちらもご覧に
なって下さい!