作成者別アーカイブ: Takuya Oikawa

6年目を迎えるにあたって

6年目を迎えるにあたって

今日は東日本大震災から6年目となります。Hack For Japanも6年目を迎えます。

それに先立って、2月24日にHack For Japanスタッフミーティングを行い、今までの振り返りと今後の方針を話し合いましたので、その内容をお知らせします。

今までの活動

Hack For Japanはここしばらくスタッフの個別の活動が中心となっており、コミュニティとしてはアクティブに活動はしていません。昨年を振り返ってみると、次のような活動を行っています。

  • 技術評論社の月刊誌Software Designでの連載
  • 東日本大震災を始めとする被災地域におけるプログラミング教育活動。以下の団体やイベントの支援など。
  • 同じく、被災地域におけるITを活用した地域振興やまちおこし活動。Hack For Townの名前でのイベントなど。

今後の方針

現在のアクティブな活動は少ないこともあり、コミュニティの継続の要否をスタッフで考えました。活動を停止したとしても、大きなインパクトは無いのは事実である一方、今後発生しうる災害を考えた場合、技術者が繋がり続けるコミュニティは必要との意見でまとまりました。

結論としては、6年目も災害支援を考える開発者コミュニティとして存続します。

活動内容

活動内容としては、以下を中心に行います。

  • 防災減災でのIT支援。スタッフがコアメンバーとなっている以下の団体への支援を中心に行う。
  • CivicTech活動への支援。スタッフがコアメンバーとなっているCode for Japanやそのブリゲード、およびその他の活動への参加を通じての支援を行う。
  • 被災地域におけるプログラミング教育活動(前述の通り)
  • 被災地域における地域振興やまちおこし活動(前述の通り)

コミュニティでの情報共有やイベント

最近はスタッフの個別活動が中心だったこともあり、コミュニティメンバーが登録されている各種サービス(メーリングリストTwitterFacebookグループなど)での発信も少なくなっていましたが、関係団体の情報なども含め、情報共有を再開することとします。また、同じく関係団体などとの共催でのハッカソンなどのイベントも検討することとします。

以上が、スタッフで話し合った内容となります。

6年を迎えるとは言っても、まだ復興半ばの地域も多く、また新たな災害に見舞われた地域もあります。来る将来の災害への備えもまだまだです。無理なく、できる範囲で、しかし、初心を忘れることなく、活動を続けていく所存ですので、皆様もご支援およびご協力お願い致します。

なお、昨年作成したITボランティア年表も更新しました。皆様もご存知のイベントや出来事などありましたら、登録フォームより登録をお願いします。詳しくは震災 x ITの5年間から明日の日本を考えるをご覧ください。

2017年3月11日 スタッフ一同

While (Japan.recovering) {
        we.hack();
}


3.11 3年のクロスオーバー振り返りイベント開催のお知らせ

2011年3月11日の東日本大震災からもうすぐ3年が経とうとしています。

この節目となる3月11日に、Hack for Japanでは3年間の振り返りととこれから何をして行くべきかについて、被災地の各会場と東京や大阪の開場を結び、震災とITの関わりを振り返って行きます。海外からはスタッフの及川がシドニーから参加します。

アクションを取り続けて来た人達がこれから何をして行くのか。そこに我々がこれから震災復興に対してできることのヒントがあるはずです。是非ご参加ください。

参加は各会場からの参加とGoogle+ハングアウトオンエアによるオンラインでの参加のどちらも可能です。オンラインでの参加の場合は開始前にFacebookのHack For Japanグループに参加のためのURLを共有いたしますので、そちらからご参加ください。この場合はハングアウトでは視聴のみとなり、質問などはテキストベースでいただくことになります。

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」開催概要

※スピーカー、会場については予定のため変更となる可能性があります。ご了承ください。

【開催時間】19:00〜21:30(会場によっては21:00終了)

【スピーカー】

スピーカーとしては以下を予定しています(会場の50音順)。

国内

・会津会場:佐々木 陽(Hack for Fukushima/Hack for Town)
拠点である会津若松を中心に復興支援に取り組む。最近では最新のハードウェアやガジェットを使った新しい街づくりをめざすHack for Town in Aizuを開催した。

・石巻会場:古山 隆幸(イトナブ石巻)
石巻に「10年後に1000人のIT技術者を育成する」ことを目標にイトナブ石巻を設立。キャラの立った若者達が育ちつつある。

・大阪会場:
角 勝(大阪市役所)
地方発のイノベーションに大阪イノベーションハブから挑戦中。ハッカソンの「作ったきり」になる問題に対し、大阪イノベーションハブでの試みを紹介。

佐藤 拓也(Fandroid Kansai)
東北と同じく震災経験のある関西の地でFandroid Kansaiを設立。3/1に2つの震災を繋ぐイベントを開催。

鷲見 英利(KAI OTSUCHI)
津波で多くが流された大槌町に設立されたKAI OTSUCHI代表理事。iPhoneアプリ開発のスキルを身につけ、デジタル絵本の開発等を行う。

・釜石会場:西条 佳泰/西条さやか(LiFESTYLE Lab.)
震災後に都内のIT企業と広告代理店をそれぞれ退職し岩手県釜石市にUターン。地方におけるICTの利活用や様々なライフスタイルを通した地域振興の発展を目指し活動している。

・郡山会場:大久保 仁(ITスキルアップコミュニティ エフスタ!)
「ITスキルアップコミュニティ エフスタ」代表。福島への愛を強く持ちながら、東京や仙台でもITイベントを開催する等活躍中。郡山から震災に屈しない魂を歌う!

・仙台会場:
小泉 勝志郎(Hack for Miyagi/Code for Shiogama)
主に仙台でITイベントを多数開催。震災復興では宮城県の離島浦戸諸島の養殖漁業再生プロジェクト「うらと海の子再生プロジェクト」で幹事をつとめる。新しくCode for Shiogamaを立ち上げ、地元の震災復興をITで行おうとしている。

土見 大介(株式会社Haptech)
塩竈市の震災復興団体「よみがえれ!塩竈」の現地リーダー。震災復興のフェーズが変わるなかでの活動の仕方の変化とこれからについてを語る。

溝口 佑爾(日本学術振興会特別研究員・京都大学)
山元町で津波で流されて持ち主不明になった写真約75万枚を、ITを利用しながら救済・返却するプロジェクトである「思い出サルベージ」の代表。

・東京会場:石森 大貴(ゲヒルン株式会社)
石巻市出身。震災当時、節電のために「ヤシマ作戦」をTwitterで呼びかけ、多くの賛同を得た。以降、Twitterアカウント特務機関NERV(@UN_NERV )にて迅速な災害情報の告知で活躍中。

・南相馬会場:但野 謙介(南相馬市 市議会議員)、田中 章広(株式会社リンケージ)
震災と原発事故により、7万人のうち半数もの人がいまなお避難している南相馬。放射線被災下でも「風評被害」を受けない新たな産業を生み出すため、南相馬ITコンソーシアムを立ち上げる。

海外

・シドニー会場:及川卓也(Hack for Japan)
Hack for Japan立ち上げからのスタッフ。3年間を振り返り、これからについて語る。

【タイムテーブル】

準備中

【会場】

・東京会場
ヤフー株式会社  1172 セミナールーム
東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー 11F

・大阪会場
大阪イノベーションハブ
大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7F

・仙台会場
データコム株式会社会議室
宮城県仙台市青葉区本町1-13-22 仙台松村ビル6F

・郡山会場(20:55で終了)
郡山ビッグアイ
福島県郡山市駅前2丁目11−1

・南相馬会場
南相馬ITコンソーシアム 福島県南相馬市原町区本町1-31 四葉ビル1F

・会津会場
株式会社デザイニウム 福島県会津若松市中町1−40 イワタビル5F

・石巻会場
イトナブ石巻
宮城県石巻市中央2-10-21 サトミビル1F右

【参加申し込み】

Facebookのイベントページからお申込みください。

郡山会場に参加されたい方は「こくちーず」からお申込みください。

2013年の振り返りと2014年の方針

先日、Hack For Japanスタッフミーティングを開催し、2013年の振り返りと今後の方針について話し合いました。我々は東日本大震災発生後の活動開始時より、1年ごとに活動の継続の要否を決定することを方針としております。今回のスタッフミーティングでも「継続ありき」という前提の議論ではなく、活動停止も選択肢に入れ話し合いました。その結果、2014年も活動を継続するという方針を固めました。

「テクノロジーで社会的課題を解決する人のためのコミュニティー作り」

一昨年と昨年に掲げた「テクノロジーで社会的課題を解決する人のためのコミュニティー作り」というテーマはこのままに、2013年の反省を踏まえて、2014年の活動方針を検討しました。

2013年は、スタッフ自身もHack For Japanスタッフが主体となって行った取り組みは正直少なかったと認めざるを得ません。しかし、これは活動していなかったのではなく、Hack For Japanから派生した団体・コミュニティの活動がアクティブになったことにもよるものでした。

例えば、アプリケーションやサービスを開発することでより良い政府を作るために設立されたCode for JapanはHack For Japanスタッフの関治之が代表としてリードしていますし、昨秋に行われたITx災害会議はHack For Japanスタッフの多くが発起人となり、その後の活動を主に技術面から支えています。

このCode for JapanやITx災害などに代表されるように、Hack For Japanスタッフが積極的に関わったり、Hack For Japanの活動が何らかのきっかけになり始まった取り組みは少なくありません。我々の活動の影響だけと限定はできませんが、ハッカソンというイベントがここまで市民権を得たのも、Hack For Japanの副次的な成果と言えるでしょう。

原点回帰

このように、さまざまな方々がテクノロジーで社会的解決を図ろうとしていることを鑑み、Hack For Japanは原点に回帰し、災害への対応を考えるITコミュニティとしての活動に集中します。

例えば、IT教育も活動の1つとして考えていましたが、昨今では各地で若い世代へのプログラミング教育が行われるようになっています。Hack For Japanでは、そのような方々と連携し、IT教育においては東日本大震災の被災地を中心に活動したいと考えています。具体的には、東北Tech道場であったり、イトナブなどへの協力です。

また、オープンデータの公開や活用に関しても、Code for JapanやOpen Knowledge Foundationなどが積極的に取り組んでいます。Hack For Japanはそれらの活動を積極的にサポートしつつ、被災地支援の観点での取り組みを模索します。

防災・減災についてITでなすべき役割においては、ITx災害がふさわしい場であると考えられますので、Hack For Japanはその活動を技術面で支える役割を担います。

今後の予定

スタッフの話し合いの中では、Hack For Japanは緩やかにつながっているコミュニティとしても十分存在意義があることが再認識されました。例えば、災害発生時にHack For Japanのコミュニティに連絡すれば、そこでつながり、意義のある活動を開始できるでしょう。それだけでも、東日本大震災の時よりも状況は良くなっているはずです。

このコミュニティとしてのつながりを維持・強化していくことも2014年のHack For Japanの使命だと感じています。2013年には、ほかの団体やコミュニティの活動を後援などの形でサポートしていながらも、それをHack For Japanコミュニティに共有していなかったため、結果としてHack For Japanの活動が停滞しているように見えてしまったことも否めません。今年は、このコミュニティの活性化もテーマに考えています。勉強会や情報交換会などの開催も検討中です。ブログやTwitter、Facebookでの情報発信にも再度力を入れていく予定です。

2014年も引き続き、Hack For Japan をご支援いただけましたら幸いです。

Hack For Japan Staff 一同

スキルマッチング

Hack For Japanではスキルマッチングの取り組みを始めます。

Hack For Japanの活動に賛同いただいてる方の中には、復興支援などに対してITの力を活かして貢献したいという思いをお持ちの方が多くいらっしゃいます。このような思いを持っている方と支援を必要としている方とを繋ぐための取り組みをスキルマッチングとして開始いたします。

仕組みとしては、参加者の皆さんに自身のスキルを登録していただき、ボランティア募集者から依頼があった際にはスタッフが仲介するという形をとります。

適切にマッチングが行えるように、登録フォームはスキルを具体的に記入するようにし、プライバシーポリシー(個人情報保護方針)も作成しました。

趣旨にご賛同いただける方は、是非とも登録フォームからスキル登録をお願いいたします。

スタッフを代表して
及川卓也

第1回 石巻ハッカソンのお知らせ

この度、Hack For Japanでは、石巻2.0と共同で石巻ハッカソンを開催します。

石巻2.0にイトナブという「IT」+「営む」+「学ぶ」を合わせた造語を名前に持つ、石巻の将来を担う若者の職業訓練と雇用促進を行うプロジェクトがあります。このイトナブ主催で7/27(金)〜7/29(日)まで行われる第1回石巻ハッカソンは「Startup Weekend」と「Boot Camp」の2つのプログラムから構成されます。

Startup Weekend (主催:Startup Weekend Tokyo+イトナブ)は、起業を目指し、ビジネスモデルを競い合う「Startup Weekend」(本拠地:米国シアトル)をベースとして、石巻独自のStartup Weekendを展開します。

今回は「地域住民が抱える様々な問題について、ITを駆使して解決し、新たなビジネスモデルを構築する」ことを目標として、グループ単位で競い合います。

複数の参加者が問題を発表 それぞれの問題についてチームを結成 チーム毎に解決策を検討、プログラムを開発 解決策、プログラムのプロトタイプを発表 評価 という流れのイベントとなります。

Boot Campは、主に、石巻市及び近郊の高校生がソフトウェア開発の第一歩を踏み出すためのイベントです。既存のカリキュラムを用いて、3日間でAndroidアプリを制作します。Corona SDKを用いる予定です。協力:GClue(from会津)

どちらも会場は石巻工業高校です。

石巻工業高校
住所: 〒986-0851 宮城県石巻市貞山五丁目1番1号

Boot Campは地元の高校生が主役ですが、Hack For Japanスタッフがチューターとして協力します。

Startup Weekendへは地元以外からも開発者が参加可能です。7/27(金)午後2時に石巻工業高校に集まれる方を募集します。宿泊テントを用意しますので、後10名程度までならば、実費3千円程度でお泊りいただけます。それ以外の場合には、近隣の松島や東松島の宿泊施設をご自身で手配いただく形となります。
※テント利用は希望順となります。数に限りがありますのでお早めにご連絡ください。
夏休みに入った後ではありますが、是非とも奮ってのご参加をお願いします。なお、開始は金曜日からとなりますが、希望者は土曜日からの参加も可能です(*ただし、すでにグループ分けは終了した後から合流する形となりますので、その点はご承知おきください)。

申し込みはこちらから 終了しました。

Hack For Japanスタッフ 及川卓也
石巻2.0 古山隆幸(理事)「イトナブ」「セレブリティプロジェクト」「RE-FUTEBOLISTA」webプロデューサー


石巻2.0とは
ISHINOMAKI 2.0は東日本大震災を経験した石巻というまちを、震災前の状況に戻すのではなく、新しいまちへとバージョンアップさせるために2011年6月に設立されました。メンバーには地元の若い商店主やNPO職員をはじめ、建築家、まちづくり研究者、広告クリエイター、Webディレクター、学生など様々な職能を持つ専門家が集まっています。

震災後、ジャンルに縛られない多種多様なプロジェクトを実現させてきました。石巻に元からあるリソースを丁寧に拾い上げ、全国のありとあらゆる才能と結びつけて今までになかった新しいコミュニケーションを生み出しています。

ISHINOMAKI 2.0は常にオープンな集団です。石巻の内外の人々を巻き込みながら、すべての人がまちづくりの主役となるような仕組みをつくりだそうとしています。石巻のバージョンアップが、日本のバージョンアップのモデルになることを目指しています。
(「石巻2.0とは」から)

復旧 復興支援データベースAPI ハッカソン開催のお知らせ

東日本大震災の復旧・復興のための各種支援制度が国や地方自治体から提供されています。その利用を促進するため、Web経由で検索するサイトが今年の1月から立ち上がっています。現在すでに、国および岩手・宮城・福島の3県の情報が登録されています。

復旧・復興支援制度データベース

さらに、2月からはRSSやAPIの提供も開始されており、一般のアプリケーションやサービスが利用することが可能となっています。

復旧・復興支援データベースAPI

このRSSやAPIを利用することで、きめ細かい検索を提供したり、制度の紹介を自動的に行わせることなどが可能なのですが、多くの開発者にこの存在を認知されているとは言いがたい状況です。

そこで、Hack For Japanとして、経済産業省および三菱総合研究所と共同で、このAPIのアイデアソン/ハッカソンを開催することといたしました。

このAPIを使って、どのようなアプリケーションやサービスが開発できるか議論し、また、実際に開発を進めることを目的としています。APIやサイトへの問題点や要望などがあれば、経済産業省にフィードバックすることも可能です。

開催要項

開催日時/場所

  • 6/2(土)10:00 – 17:00
  • 三菱総合研究所 会議室 / 東京都千代田区永田町二丁目10番3号(地図
  • 定員50名

対象者

  • 開発者: アプリケーション/サービスを開発する人
  • 利用者: 行政書士/税理士など
  • そのほか、興味ある人

当日のアジェンダ

10:00 進め方の説明
10:15 経産省からAPIの説明目的や想定利用ユーザーなど
10:45 参加者の自己紹介
11:00 税理士/行政書士からのインプット

  • (想定)利用シーン
  • 通常の業務
  • 被災地での活動
11:30 質疑応答
12:00 アイデアディスカッション / グループ分け(仮)

  • アイデアをすでに持つ人はそれを共有
  • グループ分けをして、グループごとに議論
12:30 ランチ
13:30 グループ分け / ハッカソン & アイデアソン

  • 議論を続けるか、開発できるところは開発を行う
  • アイデアディスカッションだけのグループを確保
16:00 成果披露、質疑応答/フィードバック
17:00 終了

参加登録

参加希望者はこちらのフォームから登録してください。
氏名、所属(任意)、メールアドレスおよび立場(開発者か利用者か)を登録お願いします。
皆様の奮っての参加をお待ちしております。参加に当たって質問などある方はinfo@hack4.jp までお問い合わせください。

Hack For Japan 1年を迎えるにあたって

震災から1年を振り返って

本ブログエントリーは「Hack For Japanの今後に向けて」と「1年間の活動報告」の2部により構成されています。

震災2年目を迎えるにあたり、スタッフ一同で執筆したものです。是非ご一読ください。


Hack For Japanの今後に向けて

はじめに

震災復興を継続的に支援するためのIT開発を支えるコミュニティとして、昨年3月11日の震災直後にHack for Japanは発足しました。

Hack for Japanの運営を行っているスタッフはもちろんのこと、主旨に賛同いただいた参加者の方々にとっても、大震災における状況下でのコミュニティ活動ははじめての経験が多く、試行錯誤を繰り返し、戸惑う場面もありました。

そこで震災から1年を迎えるにあたり、スタッフで話し合った活動の振り返りやこれからを皆さんと共有するためにこのブログエントリーを作成いたしました。

Hack for Japanのこれからの活動を実りあるものにするために皆さんにもぜひご一読いただき、ご意見などある方はFacebookやメールでお知らせください。

活動全体で評価できる点と改善点

評価できる点

1000年に一度とも言われる大震災で、各自が「何ができるか」を真摯に考え、その想いがIT業界の企業の垣根を越えた活動へとつながっていきました。その結果、普段なら決して出会えない面々とチームを組んで開発を進めていくという、貴重な体験を得られた方もいらっしゃるでしょう。こうした開発者同士のつながりだけでなく、被災地での活動を通して、東京と被災地のITコミュニティをつなげられたのも評価できる点です。

またHackathonなどの活動に参加いただくことで、多くの方々にハッカー文化に触れる機会がもたらされました。この経験から“ハッカー文化を広く普及していく”というHack for Japanの将来へわたる展望を見いだすことができました。

Hack for Japanの存在は「開発者を中心としたコミュニティ」「名だたるIT企業の支援」といった点が注目され、マスメディアで記事として取り上げられ、開発者の復興支援を促すことで、風化防止の一助になった側面もあると思われます。

最後に微力ではあるもののTシャツ販売を通して、寄付金による支援が行えた点も記しておきます(※2011年7月~2012年1月までで237,554円を寄付しました。ありがとうございました)。

改善すべき点

プロジェクト実現を目指したマッチングにこだわりすぎていたという反省から、以下のような改善点が挙げられています。

  • 他のボランティア団体などとの連携を早期から考えるべきだった
  • Googleモデレータでのアイデア投稿は面白かったが、Hackathon/Ideathonとの連携が難しいと分かった時点でその見直しをかけるべきだった
  • マッチング=プロジェクト遂行のためのパイプラインというコンセプトにこだわりすぎず、コミュニティの役割を考えるべきだった

またHack for Japanがコミュニティの場としての機能を果たしていなかったという意見もあり、以下のような改善点が挙げられています。

  • 参加者への意識付けが弱く、高い意識を保ち続けられる方法が必要だった
  • 8月のJILS(Japan Innovation Leaders Summit)でのHack for Japanの活動紹介後、12月までのバスツアーまで東京の参加者たち向けの場が提供できずにいた。Hackathonにこだわらず場の提供をすべきだった
  • 何かプロジェクトを起ち上げたいという人に対して門戸を広げ、サポートできる場が必要だった
  • 後半はスタッフのミーティング内容を公開せずにいたため、スタッフと参加者との間での意思疎通が図られなかったことがあった
  • 参加者各自がより交流でき、またプロジェクト同士の交流も図られるような場も必要だった
  • プロダクト完成まで導くために各プロジェクトの状況を把握しサポートする必要があった
  • スタッフが場の提供をして、希望者がそこに参加するという図式にこだわらず、参加者がより主体性を持って活動できるような運営方法が必要だった

Hackathonの評価できる点と改善点

被災地で役立つものを開発するという目的から、開発者たちをつなぎ、開発を形にしていく場であるHackathonは、Hack for Japanの中心となる活動の場でした。この活動で得られた評価できる点/改善すべき点を以下に記します。

評価できる点

  • 会場を確保して行うイベントのため人を集めやすい
  • 開催告知を通してメディアからの取材が入り、記事となることでさらに開発者の参加を促すことができた
  • さまざまな立場の人たちと議論や作業を進めることが可能だった
  • 被災地でも開催され、今後は各地で異なるニーズに合わせたHackathonが継続的に実施される見通しである

改善すべき点

<プロジェクト継続を促すサポート>

  • Hackathonを実施することにこだわりすぎたため、Hackathonが終わると開発が止まってしまう、もしくは尻すぼみになり立ち消えてしまうプロジェクトが見られた。どのように開発を進めていくか、いつまでに形にするかといったプロジェクトを継続するためのサポートが必要だった

<Hackathonの形態そのものを見直す>

  • ニーズを把握し切れていない/使うレベルまで達していない/短期間での成果にとらわれすぎてアイデアが練られていない/チームメンバーが不足していた/チーム編成を改善する機会が得られなかった/プロジェクトマネージャやデザイナなどが少数だった/被災された方の視点から意見する参加者が少数だった/といった点から、Hackathonの形態そのものを見直し改善する必要がある

継続すべきアクティビティ

Hack for Iwate、Hack for Miyagi、Hack for Fukushimaとして各地で独自の活動が行われていきます。
Hack for Iwateでは、「仮設住宅でのネットカフェ設置」「音楽スタジオ計画」「復興ショップマップ」など具体的に複数のプロジェクトが進行しており、Hack for MiyagiやHack for FukushimaでもHackathonやその他の活動が行われていく予定です。これら各地の活動に対して、東京や他の地方から開発で復興支援していきます。また他のボランティア団体との連携にも取り組んでいくため、こちらも東京での活動が予想されます。

今後の活動について

Hack for Japanでは復興支援活動だけでなく、これからの災害に備えた活動やハッカー文化を浸透させる活動など、復興支援に限らない活動も考えています。これらについて検討中の活動を以下に記します。

  • 今後の災害に備えるための活動
    • IT防災訓練
    • 災害支援ツールの開発
  • ハッカー文化(Hackathonなど)を浸透させる活動
    • Random Hacks of Kindness / Hackathonをパッケージ化
  • 若年層へのIT教育を支援する活動
  • 被災地のエンジニアと東京のエンジニアの交流促進
  • NPOやNGOと連携した海外への活動の発信
  • アーカイブ(記録)のための活動
    • アーカイブをテーマにしたHackathon
  • Hack for Japanの活動および実績の可視化

1年間の活動報告

2011年 3月 3/19-21 Hackathon (The Beginning)

  • 3/19-20 はオンライン(Wave)上にてIdeathon
  • 3/21 は京都、岡山、福岡、徳島、オンラインにてHackathon
  • オフライン会場の参加者数
    • 京都 62人、岡山 10人、福岡 7人、徳島 4人
  • オンライン上の参加者数
    • Google Moderator – 565 人の参加、258 個のアイデアと 5447 の投票
    • Google Wave – 1279 個のコメント
  • 開催報告ブログ

4月 4/3 第1回スタッフミーティング にて1年間は活動を続けることなどを確認
4/7 被災地視察。被災地の現状を把握。現地のITコミュニティとのパイプが作られ、その後のHackathonの開催などにつながる。スタッフの及川卓也と山崎富美が最大の余震に遭遇。(及川のブログ山崎のブログEnterpriseZineの記事
4/24 Hack For Fukushima ミーティング

  • 会津若松市、会津大学にて開催
  • 福島県内だけでなく仙台、東京、他にも様々な地域から約40名の方が参加
  • 開催報告ブログ
5月 5/21-22 Ideathon and Hackathon

  • 仙台、会津若松、東京、高松、福岡の5会場にて開催
  • 5会場合計で1日目に131名、2日目に87名の参加者
  • 東北の現地で初のHackathonで各会場をustで結んで連携
  • 開催報告ブログ
6月 6月から7月にかけて、岩手、宮城の沿岸部を訪問

  • 岩手への訪問では後の遠野まごころネットでのHackathon実現につながる。
7月 7/23-24 Ideathon and Hackathon

7/23, 30 Ideathon and Hackathon

8月 8/6 Japan Innovation Leaders Summit リクルート主催のイベントで MIT 石井教授と共に登壇してこれまでの活動を紹介

9月 9/27 プロジェクトディスカッション

  • 東京
  • 18名の参加者
  • 震災復興に役立つものか、プロジェクトを見直す機会を設けた。
10月 10/15-16 Hack For Iwate 2

  • 遠野まごころネット
  • 15名程の参加者
  • 仮設ネットカフェの実現に的を絞ってアイデアソンを開催
  • 開催報告ブログ

12月 12/11 Hack For Miyagi

  • 仙台
  • 17名の参加者
12/17-18 復興ボランティア情報交換会@石巻

2012年 1月 1/14-15 Hack For Iwate 3

  • 1日目は大槌町、2日目は釜石市
  • 12名程の参加者
  • 仮設ネットカフェと音楽スタジオの融合、Hack For Iwate の2012年の活動について
  • 開催報告ブログ

災害ボランティア意識アンケートの結果を公開しました

ピースボート災害ボランティアセンターと共同で2月16日から2月24日までの期間で行った災害ボランティア意識アンケートの結果を公開いたしました。

災害ボランティア意識アンケート 調査結果(ピースボート災害ボランティアセンター)

アンケートには、主にTwitterやFacebookなどを通じて合計1,016名の方からご協力をいただきました。

結果からは、災害ボランティアの情報収集でインターネットが大きな役割を果たしたこと(インターネットを通じて情報を得たという方がトップの39.50%。ほかにもTwitterが9.32%、Facebookが4.01%)、被災地でのボランティア活動の参加されなかった方でもインターネットを通じて支援を行った方が多かったこと(14.65%)、今後もインターネットなどを通じて現地に行かなくてもできるような支援を求めている方も多くいらっしゃること(11.62%)がわかりました。

ピースボート災害ボランティアセンターは、「これからの東北における復興支援やボランティア活動について」にあるようなさまざまな活動を通じて、継続して被災地を支援しています。Hack For Japanでは、ピースボート災害ボランティアセンターなどの震災復興支援団体の活動をITの側面からサポートするとともに、被災地とそれ以外の都市をインターネットのサービスで繋ぐなどして風化防止や今後の防災計画などを支援していく予定です。

アンケートにご協力いただきました方々、ありがとうございました。

災害ボランティア意識アンケートを行います

あと一月で東日本大震災から一年が経とうとしています。これまでに多くのボランティアが被災地での復旧および復興活動に参加してきました。私たちHack For Japanスタッフも何度も被災地に参り、現地でのさまざまな活動に従事されているボランティアともお話させていただく機会を得ました。まだ復興途中とはいえ、一年でここまでの状態になったのは、これらのボランティアの方々の存在が不可欠だったことは明らかです。

一方、各種報道でもご存知だと思いますが、時間の経過とともに、ボランティア参加者の減少に各支援団体、また被災地の人たちも悩んでいます。

そんな中、一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)(http://pbv.or.jp/ )とHack For Japan(http://www.hack4.jp/ )は共同で災害ボランティア意識に関するアンケートを行うことにしました。このアンケートを通じて、今回ボランティアに参加しなかった人はどのような「きっかけ」があれば参加したか、参加した人はどのような「きっかけ」があったので再度参加したかを知りたいと考えています。
このアンケートの集計結果を基に、これからも東北における復興支援やボランティア活動を継続し、また今後こういった災害が起こった際のよりよい支援活動を行うための参考にさせていただきます。

アンケート結果は、ピースボート災害ボランティアセンター及びHack for Japanのwebサイトにて3月9日(金)以降に公開予定です。

本アンケートに対し、ご質問やご意見などありましたら、Hack For Japan(info@hack4.jp)までご連絡ください。

アンケートサイト:http://www.hack4.jp/RelatedInfo/pbv
期間:2月16日(木)〜 2月24日(金)

これまでのHack For Japan、これからのHack For Japan – スタッフからの報告と提案

3月11日の東日本大震災の発生から、半年が経過しようとしています。

震災の強い衝撃、混乱の下で産声を上げたHack For Japanも、活動開始から、ようやく、そして、早くも半年が経とうとしています。

この間、多くの人々の自発的な協力や参加に励まされ、促され、Hack For Japanは歩みを続けてきました。

Hack For Japanとは、震災からの復興を継続的に支援するための、IT開発を支えるコミュニティです。*1

こう宣言し取り組んできたこれまでの活動をどう捉えるのか。次の6カ月にどう立ち向かうのか——。

スタッフ同士で、オンライン・オフラインでの議論を行いました。

この議論は、Hack For Japanがこれまで実施してきた取組み(*2)、そして、そこから誕生した各種のプロジェクト(*3)を振り返って行いました。

本当に被災地や被災者に役立つ成果を送り出せたのか。
役に立つべきプロジェクトは継続しているのか。
いや、そもそもそれは現場の人々に求められるようなものだったのか」。

議論は、重苦しい問いかけから始まりました。

「(支援を求める人々に)胸を張れるような成果が、決定的に足りない」「出発点の想いや、被災地や被災者への想像力が働いていれば、いまのようであるはずがない」「(現場ではなく)自分たち自身が主役と思い込んできたのではないか」「これまでのやり方は変えよう。変えるべきだ」。

Hack For Japanに期待を寄せてくれている多くの人々、貴重な時間をやりくりしてイベントに参加してくれた諸氏、そして、オンラインで活動を注視してくれている人々に、十分な成果を果たせていないことへの反省や苛立ちのコトバが飛び交いました。

一方で、「コミュニティという点では、他にないものが形成されてきた」「被災地を含めてIT業界周辺では少しずつ活動が認知され、期待も高まっている」「被災地でのイベント開催に手応えを感じた」との肯定的な意見。

また、活動方針をいたずらに厳格化することで、参加者やスタッフ自身の負荷を上げてしまう副作用への懸念も提示され、「成果を実現するためにも、認知や間口を広げる活動は必要。アイデアソン・ハッカソンは役割を果たしている」という意見も投じられました。

スタッフ面々の想いは、活動を見守ってくれている多くの人々の評価のように「否定」と「肯定」の間で揺れ動きました。

この議論を通じて導き出した、いくつかの提案があります。

以下簡略に、協力者、そして注視してくれている多くの方々と今後に向けた方向性を分かち合いたいと思います。

  1. スタート時の想い、「震災からの復興を継続的に支援するための、IT開発を支えるコミュニティ」を育てる取り組みを継続したい
  2. 推進するプロジェクトに対し、「それは現場のニーズにどう役立つものか」との視点でレビューを強化し、問題意識の風化を阻止したい
  3. その意義を体現するプロジェクトは、積極的な協力を通じてこれを育てていきたい
  4. 同じような想いで活動する諸団体との交流・協力関係をこれまで以上に積極的に築いていきたい

上記を踏まえ、スタッフ間で作業を分担、そして各方面からの協力を仰ぎながら、具体的な行動へと踏み出していきます。

特に、2.および3.の「レビュー強化」「支援強化」は、スタッフの反省と今後の成果期待の点で重要視するところです。

具体的には、これまでのアイデアソン・ハッカソンの実施スタンスではややもすると希薄化しがちだった「被災地・被災者の視点」を、企画段階から重視したい。

さらに、上記2種のイベントの間に「プロジェクトワークショップ」(仮称)を設けます。

現在、遂行中のプロジェクトは、この「視点」を、進捗状況と併せ、この場でぜひ共有しましょう。建設的な意見はもちろん、時に厳しい意見も交わしたいと思います。

最初の「プロジェクトワークショップ」は9月27日(火)に開催予定です(詳細は近日中に告知予定)。

これまでのHack For Japanから、これからのHack For Japanへ。
想いを新たに走り出したいと思います。
これまで以上のご協力、ご期待、そして痛烈なご意見をお寄せ下さい。
Facebook公開グループ「Hack For Japan」(*4)にもぜひご参加下さい。

あの日から半年目の今日
スタッフ一同