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「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(最終回)

先日に開催されましたクロスオーバー振り返りイベント。最終回のレポートでは岩手県は釜石に都内から越されて活動し、東北TECH道場の釜石道場の運営について西条夫妻からの発表と、シドニーからHack For Japan 及川さんより、これまでの活動の振り返りと本イベントの総括の様子をレポートさせていただきます。


ふるさとの復興と若者のITスキル育成のために

釜石会場からの発表は「LiFESTYLE Lab.」を運営されている西条夫妻からの発表となりました。西条さんは震災以前は都内で働いていましたが、震災後からふるさと支援の目的で帰郷し、ご自身のITスキルを活用して地元の復興のために尽力されています。

釜石は震災後から人口の流出が止まらず、従来の産業だけではなく、新しい活路を見出すべく、西条さんはITの利活用を地元で推進していきます。その活動は震災のあった2011年から始まり、我々、Hack For Japanのハッカソンなどを中心に釜石でいくつかの活動を開催されてきました。その流れの中で、地元の中小企業の人達にITスキルを身につけさせるコーディネーターとしても活躍し、現在は釜石にITを根付かせているとのことでした。


2013年の夏からは、東北TECH道場の第4期から釜石でも道場がスタートし、下は小中学生から上は50代まで、幅広い層の人間から支持を集めているそうで、そうした活動や西条さんの人となりから、地元との連携に発展し、地域の高校と連携が始まりました。2013年9月には震災後3年ぶりの再開となった地元の祭である「釜石よいさ」も復活し、地域の高校生と一緒にお祭り公式サイトの制作を授業の一貫として指導され、岩手県の故郷をテーマにしたCMで釜石よいさのCMが賞を受賞し、釜石よいさは震災後、これ以上ないほど人が集まったそうです。

現在、釜石は震災後からの再開発が進み、中心市街地ではイオンタウンが建設中となっており、その集客力を地域振興に活かすべく、再開発について関わるメンバーの一員になって、釜石市の地域情報、観光情報、市役所、市民記者、企業や事業者の情報を一カ所に集約する情報交流センターを企画し、自立したICT活動やイベントが行えるハブとなり、中高生のIT教育、地元民のITリテラシーの’向上を目指しているとのことでした。

続いて、「東北TECH道場」の釜石道場の道場主である西条さんの奥さんからの発表は、釜石道場に通う中学生2人のお話でした。その2人は最初はプログラムに苦戦し、くじけそうになりつつも釜石道場に通い続けたことで、いまでは大人を超える勢いで成長しているそうです。そうした子供達の姿を見て、大人達も刺激をうけているようです。今後は中学生が高校生になっていくので、高校生の参加者も増やして行きたいという展望を伺いました。

「これまで」と「これから」と
今回のクロスオーバー振り返りイベントの締めくくりとして、Hack For Japanの立ち上げメンバーでもある及川さんよりシドニーから、本イベントの総括とこれまでのHack For Japanの振り返り、そして、これからをお話し頂きました。



今年でちょうど3年が過ぎ4年目に入って当時のTweetを振り返ると、東京で何も出来ないジレンマから、同じ想いを持つ人達を集めるべく、Hack For Japanを2011年3月18~20日の震災直後に立ち上げ、そこから自分の世界が変わったという話は会場に居る誰もが共感した話でした。

当時はハッカソンを主軸にした活動でもあったため、停電や余震の影響を受けて、被災していない西日本の会場やオンライン会場、また海外のチームと時差を利用して効率的に作業を進め、そうしたことがきっかけで多くの人がつながり、3年経った今も今回のイベントのように多くの人が、多くの場所で集まり振り返りを行っています。しかし、一方でそうしたハッカソンなどの活動で成果がなかなか生まれなかったことも事実としてありました。そうしたこともきっかけで継続性を意識しているCode for Japanや東北TECH道場、イノベーション東北にも通じています。

また、ヤシマ作戦と同じように批判などはあっても、意志をもって継続することの大切さや、新たな産業振興や教育をITを軸に据えて未来が見えることの大切さ、そうした活動を日本だけでなく世界にも視野を拡げて見てみようという意識を今回のイベントを通じ、会場に居る参加者全員で得ることが出来ました。

3.11は悲しい出来事でした。しかし、その悲しみを乗り越えて復興、地域の活性化を図るためには「笑いあいながら、楽しみながら。」そうしたメッセージが今回の発表でも随所にありました。むしろ、そうした明るさから未来が見えてくるのではないかという及川さんのメッセージで今回のイベントは締めくくられました。

釜石の発表(YourTube)

シドニーの発表(YourTube)




「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その4)

先日に開催されましたクロスオーバー振り返りイベント。4回目のレポートでは大阪から大槌発の仕事の創出についての発表をレポートさせていただきます。

大槌から復興に留まらない地域振興を目指す

大阪会場トップバッターは「KAI OTSUCHI」を運営されている鷲見さんからの発表となりました。 KAI OTSUCHIの成り立ちは、鷲見さんの大阪でのアプリ開発の企業経営、横浜で外国人向けの不動産会社経営、貿易会社経営など様々な業態の企業を営んでいる経験を買われ、関西大学の与謝野教授から鷲見さん宛に被災地において仕事を創出する活動を考えて欲しいという依頼があり、以前に中国へのオフショア事業を営んでいた経験から、日本の競争力をあらためて考えることがあり、日本の若手育成の観点からニアショア事業と復興支援、その先にある地域振興を意識した自立した成長を支援する活動として始められたとのことでした。

一般社団法人_KAI_OTSUCHI__.jpg


大槌町の人材をゼロから教育してアプリ開発を目指し若者の職場づくりを加速させる目的でスタートし、半年で電子書籍のアプリを作れるようになりました。当初そうした若者達が首都圏での就職が容易になるよう、名前を売ることを想定していましたが、地元での人材流出を加速させる懸念があったため、現在では一般社団法人を作り地元での雇用の創出、人材の育成にシフトしているそうです。京都カメラをきっかけに観光地との連携というところが商材になりつつあり「義援金より仕事を」というキャッチコピーでただ教育するだけでなく、実作業、実績をつくっていくことを目指した活動になっています。当日もただプロダクトを作るだけでなく、ヨコ展開ができるところが素晴らしいという意見もあがりました。


大阪からのイノベーションを目指し東北と連携

続いて、「Osaka Innovation Hub」 を運営する角さんからの発表は、ハッカソンやオープンデータをキーワードにイノベーションの創出を試みている関西イノベーション国際戦略総合特区にあるイベント会場を軸にした活動の紹介でした。

日本以外の国、大阪以外の地域で継続的なイノベーションが生まれる環境を目指しているとのことで、グローバルに人材、情報、資金が入り込む環境で、ほぼ毎日イベントが開催されており、その中でも我々が開催するようなハッカソンをかなり実施しているとのことでした。とくに最近ではハードウェア系のものを流行る前から力を入れいており、そうした活動が認知され、大手企業との連携したハッカソンに発展し、パナソニックやシャープとも連携したハッカソンにまで発展しているとのことでした。そうした活動の中で東北との連携ではEarth Communication Award2013で連携した石巻や仙台でハッカソンを実施し、成果をあげているというお話でした。

ハッカソンでは単発的なアウトプットとなってしまいがちな点を考慮して、継続的な活動、事業展開が見込める成長を目指し、やっただけで終わりにしないという施策にも力を入れており、こうした部分はかねてからHack For Japanの反省でもあった通り、大切な部分だと思います。


防災と地域活性化を目指すFandroid Kansai

防災と地域活性化のためのITのあり方をコミュニティから考えるをテーマに「Fandroid Kansai」設立記念ワークショップの様子を、同コミュニティの佐藤さんより紹介いただきました。

Fandroid Kansai は「Fandroid EAST JAPAN」という東北地方で震災復興から地域振興まで目指すAndroidアプリ開発を軸としてコミュニティの関西支部で、自立から飛躍を目指し、関西地域の防災、地域振興の’ナレッジを東北にも繋げていこうという試みです。また、今回の発表は阪神大震災というバックボーンを持つ関西地域ならではの視点もあった講演やワークショップといった内容でした。

その中の基調講演では、京都大学の防災研究所の准教授の畑山さんより東日本大震災、阪神大震災などの教訓から今後の防災に活かす研究結果の発表と、ITの役割が阪神大震災の時と東日本大震災の時とで役割が大きく変化してきており、防災への活用はこれからが本格化して行くだろうという点、また、被災時に提供できるものとして、安全と安心の2つがありますが、物理的な安全より、ITが寄与できるのは安心を届けられるという点が、今後より見込まれてくるだろうという話があったとのことでした。

また、同イベントの他のパネルディスカッションの様子として、一般社団法人東日本大震災復興サポート協会の代表である遠藤さんと南三陸震災復興推進課まちづくり推進室長の畑さんの対談では、災害時、向こう3軒の近接住民間のコミュニケーションが大切と捉え、それを日頃からITの力で補助しつつ、作り上げていくことが大事という話でした。これは災害時にあらゆるインフラが一時的に麻痺しがちな状況下で、人と人との日頃からのコミュニケーションがいかに大切かという部分で非常に印象に残るお話でした。

その他のパネルディスカッションのお話としては、大阪市旭区役所総務課防災等担当課の有信さんによる子供向けの防災教育プログラム「カエルキャラバン」の活動紹介や、地震の音楽活動のCDの売上を全額陸前高田に寄付され、iTunesの売上を子供支援協会などに寄付しているMusic Activis の Shihoさんのお話、このお話の中で「ITによって他人事を自分事にすることができれば、人はもっと動く」というメッセージは参考になる視点です。また、西宮経済新聞編集長である林さんの発表は日頃からメディアやアプリを使って地元のお店の情報発信を行っているインフラを活用し、災害時に利用するというアイデアのお話でした。

そうした講演を受けて、Fandroid Kansai設立記念ワークショップに参加された参加者全員でアイデアソンを実施し、今後の防災に役立つアイデアを出し合ったとのことでした。



大阪の発表(YourTube)



阪神大震災という大きな災害を乗り越えた両地域の協調した活動は今後も注目ですね。
次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その3)

先日に開催されましたクロスオーバー振り返りイベント。3回目のレポートでは宮城県は石巻市出身で、震災当時は東京で活躍されていたゲヒルン株式会社の石森大貴(@isidai)さんの活動をレポートさせていただきます。


震災の直前、どうしていたかの振り返り

あれから3年が経ち、みなさんの中の2011年3月11日前後の記憶はどれくらい鮮明に残っているでしょうか?石森さんの発表では冒頭で3年前の3月9日から震災が発生するまでの間の自身のTweetから当時を振り返ります。いまはインターネットのサービスも数多くあり、過去を振り返る情報はたくさんあります。今回のようなイベントを通じて、そうしたアーカイブから当時を思い出す行為は、過去を風化させないためにも必要な作業だと感じました。また、石森さんの震災前のTweetでは地震の増加が顕著にあらわれており、振り返ることでそうした予兆を今後起きうる震災に対して、防災への意識付けとしても思い出すという行為は大切なことかもしれません。



多くの状況が分からなかった3月12日

震災から一夜明けても、東京は交通マヒや大規模な電力不足という問題を抱えつつも、被災地の状況は依然として全貌が掴めず、不透明な状況が続きました。石森さんは実家のある石巻と連絡がつかず、家族の安否が確認できない状態でしたが、インターネット上で得られる石巻で営業を再開したスーパーや、人工透析が受けられる病院などを写真をたくさん使い、ブログにまとめ発信していました。そうしているうちに都内で大規模停電の知らせが拡がります。


ちょうどその時、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する組織「NERV」を表すTwitterのアカウント(@UN_NERV)を持っていた石森さんが、首都圏が電力不足を補うために輪番停電の実施決定を受け、「新世紀エヴァンゲリオン」の劇中で登場する敵を倒すために日本全国の電力を集める作戦「ヤシマ作戦」に准えて、@UN_NERVアカウントから「ヤシマ作戦」を訴え節電への協力をインターネット上で呼びかけはじめました。その活動が注目を集め、実際のアニメを模したサイトやアプリケーションが生まれることになりました。その時点で著作権などへの問題が指摘されていたそうですが、震災直後の緊急時という点と石森さん自身が責任を取れる範囲であれば構わず続けるという意思のもと、優先すべきことを優先するという姿勢を貫いたそうです。そのような姿勢に多くの人々も賛同し、サーバーの提供等も含め様々な協力者が表れはじめます。


大きな活動に変化しはじめた3月13日

震災から2日目、活動当初から指摘されていた「新世紀エヴァンゲリオン」の版元に対する著作権の問題が、Twitterのフォロワーの中から版元と調整してくれる人物が名乗り出て調整してくれたことで、「新世紀エヴァンゲリオン」公式ブログからヤシマ作戦が正式にアナウンスされました。この時から、版元公認の非公式アカウントとして節電や防災、減災につながる情報を発信する活動となりました。そうこうするうちに電力会社からも情報提供の申し出があり、数多くのTwitterのフォロワーに正しい情報を届けられるようになっていきます。石森さんの活動が多くの人達を動かし、人々が求める情報を配信するインフラ作りの第一歩になった瞬間でした。


震災当時、首都圏に居たみなさんも、被災地のために何か出来ないかという思いに駆られた方は多いと思います。しかし、出来ることは少ない状況の中で、何も出来ない人達にも節電という形で主体的にアクションを起こせることを提供し、精神的な苦痛の緩和にもつながりました。


震災直後から次なる減災のフェーズへ

先に挙げた通り、石森さんのご実家は宮城県石巻市にあり、現地では減災の観点からいくつかの課題を抱えていました。徒歩で限界とされる500m圏内に避難場所が無い避難困難地域や、車社会の石巻では橋の前後で渋滞が発生しがちであったり、家族や知人を迎えに海岸側へ向かえに行く人が多かった点、津波はここまで来ないという思い込みと過去の経験から津波への恐れがない点、停電でテレビが見れなかったり、防災速報の故障、手元にラジオが無い環境で大津波警報に気付けなかった人々なども居ました。


こうした課題に共通して言えることは、情報伝達の手段に課題があるという点でした。「生命と財産の保護が最優先」というミッションのもと、石森さんはインターネットの力を使ってこの課題の解決に取り組んで行きます。



被災地のために地道に続けていた活動が大きな活動となったことで、気象庁からは防災気象情報、総務省からは公共情報、IIJからは緊急地震速報などの防災、減災に関する情報提供を様々な組織から受けることが出来るようになりました。



こうした石森さんの活動は東日本大震災だけに留まらず、日本で起きる災害全般に視野が拡がっています。インターネットから情報を届けられるデバイスが増加していることを受け、現在はカーナビとの連携も予定されているそうです。一斉配信でも輻輳が起こらない放送波を使う仕組みの利用を考えられているとのことでした。100年後の防災まで考え、日本の国民の生命と財産を守るという使命感で活動されている石森さんによる東京からの報告でした。


そんな石森さんによる気象データ勉強会が2014年4月17日に行われます。すでに満席ですが中継を実施する予定です。仙台ではパブリックビューイングも行います。また、配信URLはHack For Japanの公式Twitterアカウント(@hack4jp)より、お知らせいたします。

東京の発表(YouTube)

次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その2)

先日の第1回のクロスオーバー振り返りイベントレポートでは宮城県の様子をお伝えしましたが、今回は福島県からの発表の様子をお伝えいたします。福島県は大きく分けて浜通り、中通り、会津と3つの地区に分けて語られることが多いですが、これは歴史的に異なる藩から派生した3つの県が過去、統合されて福島県が誕生した経緯があり、それゆえに3つの地域でのITエンジニアの交流が、現代に至るまでそれほど進んでいなかったという課題がありました。


しかし、東日本大震災や原発の問題をきっかけにHack For Japanもハブになることで、3つの県のエンジニア達がつながりを見せています。


そんな様子を少しでも2回目の本レポートで感じていただければと思います。

産学連携と復興や新しい世代の芽が垣間見える会津

福島県からの発表のトップバッターはHack For Japanのメンバーでもある佐々木さん(@gclue_akira)の会津地方の紹介から始まりました。福島は皆さんもご存知の通り、原発の問題が依然として継続しており、立ち入りできない土地は現在も数多くあります。そうした状況の紹介を冒頭に、震災以降、会津で実施されたHack For Japan関連のハッカソンや先日このブログでも紹介したHack For Town in Aizuを紹介いただきました。そのハッカソンの中で会津工業高校に寄付されたAndroid端末を用いてガイガーカウンターなどを開発したのを切っ掛けに、ハッカソンに参加するようになり、会津大学に進学しても継続して活動に参加し、先日に市長賞を受賞した五十嵐太清くんが新たに育つ若い芽として紹介されました。


五十嵐くんは前回のレポートでも紹介したイトナブの増くんと連携し、東北TECH道場を会津で開催する準備を進めています。このように各地で確実に若い芽が育っています。そして、Hack For Japanの流れからCode for Aizuが生まれ、行政の人達とも緩やかにつながりを作りつつ、地域の消火栓マップの開発や、地域に根ざした活動が見られ、こうした活動が最近では頭に「震災」の文字が付かずとも地域のために行われるようになってきたことから、本当の意味での復興が見えてきたとのことでした。


「ふくしまの未来=希望」を目指すエフスタ!!郡山

続いては、郡山での活動から徐々に東北や東京まで活動の幅を拡げ、Hack For Japanでも何度か連携させていただいているエフスタ!!の大久保さんからの発表は浜通り、中通り、会津の土地柄としての隔たりがあった福島県のITエンジニア達が、震災をきっかけに、そしてこのクロスオーバー振り返りで集い、つながったことの喜びから始まりました。


浜通り、中通りは原発の問題で依然として制限された生活を強いられており、食べる、遊ぶなど多くの面で課題があり、福島では現状復帰という復興よりも、安心して暮らせることが求められているというお話でした。エフスタ!!は以前、Hack For Japanからも紹介させていただいた通り、勉強会を中心に活動し、現在は福島の今も伝える活動を東北各地、そして東京などでも行っており、震災前より元気な福島、福島は面白いぞ!というのを福島の子供達にも感じ取ってもらえるよう頑張っています。発表の締めくくりはエフスタ!!に参加するメンバーひとりひとりが一言メッセージを発表するという形で締めくくられました。このブログの最後に各地の発表の様子を収めた動画を掲載していますので、ぜひエフスタ!!メンバーのメッセージをご覧ください。 


放射線被災下でITに活路を見出す南相馬

福島第一原発がある浜通りの南相馬からの発表は南相馬ITコンソーシアムの立ち上げに関わられている田中さんからの報告となりました。まず冒頭に日本各地、世界各地から寄せられた南相馬への支援の数々への感謝から始まりました。南相馬がある浜通りは津波被害が大きな地域と事故当時の風向きで放射線の影響が大きくなってしまった地域などが入り組んでおり、それぞれに違った対応が迫られているとのことです。その中でも、人口流失の問題があり、震災直後に9割近くの住民が避難し、震災から3年がたった今でも以前の6割程度の住民しか戻ってきていないとのことでした。

また、その中でも南相馬の産業の中心だったサービス業などに従事していた若年層の流出が著しく、新たな産業を南相馬で見出さなければ街がダメになってしまうという強い危機感の中、放射線被災下においてもやっていける新規事業を模索するなか、IT産業に活路を見出したそうです。しかし、IT技術を教育しても他地域に技術者が流出してしまう問題は解決しません。そんな課題から教育プログラムから雇用までをサポートする南相馬ITコンソーシアムを立ち上げたとのことでした。


エンジニアが1人も居ないところからスタートし、ITに力を入れている岐阜県大垣市に協力を依頼し、南相馬へPMを派遣して合宿形式でシステム開発の習得に腐心した結果、エンジニアも育ち、現在までの実績として映画や球団、TV番組の公式アプリ開発を21本ほど受注し、納品されたとのことでした。そして、他の被災地域と同じく、若年層の育成にもプログラミングワークショップなどの形で力を入れはじめているとのことでした。


そして、報告の中で宮城県石巻市で復興活動に取り組んでいるイトナブとのつながりも出来たという話があり、各地で活動している人達が有機的につながりはじめ、ナレッジを共有する様が伺えました。

福島では放射線というITの力だけではどうにもならない問題がありますが、それでもITの力を活かし、復興の足がかりになっているという素晴らしい報告が続き、3つの地域のつながりも見えた福島からの報告でした。

会津の発表(YouTube)

郡山の発表:エフスタ!!(YouTube)

南相馬の発表(YouTube)

次回のレポートでも、残りの他地域からの発表の様子をお届けします。お楽しみに!

「Hack For Japan 3.11 3年のクロスオーバー振り返り」レポート(その1)

先日にお知らせしました東日本大震災から3年目となる節目の2014年3月11日に開催されました3年のクロスオーバー振り返りイベントの様子を数回に分けてレポートしたいと思います。


今回のクロスオーバー振り返りではGoogle+ハングアウトオンエアを利用し、宮城県からは仙台と石巻の2会場、岩手県からは釜石、福島県からは中通りの郡山、浜通りの南相馬、会津のそれぞれにある3会場、その他、東京、大阪、海外のシドニーから、それぞれ中継で各地で活動する開発者達を繋ぎました。


レポートの1回目は宮城県からの発表の様子をお伝えしたいと思います。

被災地への黙祷と主旨説明

このイベントのファシリテーターは宮城県で活動するHack For Japanのメンバーでもある小泉さん(@koi_zoom1)さんの挨拶から始まり、各会場の様子を中継して、一通り会場に集まった参加者の様子を映した後、小泉さんの合図で各会場にて黙祷を捧げました。


振り返りでは、ひとり10分を目安に各会場の代表者が、これまでの活動の振り返りを発表するスタイルを取りました。この3年間の活動を振り返り、良かったところ、不味かったところを共有することで、これからの活動のヒント、各地の活動で得られたナレッジを得ることを目指しています。


笑顔と共に立ち上がる塩竈

トップバッターはファシリテーターを務める仙台会場の小泉さんから、自己紹介と共に震災当時の様子の振り返りを行いました。小泉さんは震災当時、塩竈在住で自宅が津波被害にあい、当時は自宅で釣りができたという話を交えつつ、このブログでも紹介した浦戸諸島の様子と弟さんが浦戸諸島の漁業を復興を目指すために始めたクラウドファンディング「うらと海の子再生プロジェクト」の紹介をしてくれました。このプロジェクトは国内のクラウドファンディングの中でも大きく成功しています。また、仙台でも何度か開催されたHack For Japanのハッカソンでは、継続した開発が行われたプロジェクトの少なさから、継続した町おこしの取り組みとなるよう、Code for Japanと連携し、Code for Shiogamaを立ち上げ、いくつかのイベントや島をハックする島ソンを企画中と話してくれました。震災当時の復旧復興の段階から、塩竈の楽しさを伝え、今以上に多くの人を現地に呼ぶことにつながる活動の段階に移っているという話でした。楽しさを伝えるUST企画など、今後の小泉さんの活動にもご注目ください。


同じく、塩竈で活動されている土見さんの発表では、上述の過去にこのブログで紹介した塩竈の被害を抑えたがゆえに被害が甚大だった浦戸諸島が、震災以前から高齢化を迎えている状況も合わせて、ここで復興につながる活動の実現は他被災地でも良いモデルケースになると考えられています。


震災当時、避難所を巡って塩竈の安否情報をTwitter上で発信していた土見さんに呼応する形で人々が集まり「よみがえれ!塩竈」という団体が立ち上がりました。この団体は塩竈出身者と塩竈在住者で構成されていて「塩竈でがんばる人達を応援する」という目的に沿って各自が「できることを、できる人が、できる範囲で」をテーマに無理のない範囲での活動を行ってきました。直後の安否確認から復旧後は塩竈の特産品の地方販売などを手がけ、現在では塩竈のコミュニティ創出を支援する活動に注力し、地元にゆるい繋がりをもったコミュニティを形成し、地元を見つめ直す機会を作るため、気軽さや楽しさを伝えていくことを目指しているそうです。やはり小泉さんと同様に3年が経ち、緊急度の高いことから、時間をかけて継続した活動をする上で、楽しさや気軽さを活動の中で提供していくという変化が伺えました。


被災写真とITから家族の絆の再認識につながった山元町

仙台会場の最後の発表者は宮城県山元町で被災した写真デジタル化と持ち主への返却を行う「思い出サルベージ」を運営されている溝口さんの発表は、街の半分が津波による水害で人口の4%の人が亡くなるほど被害が甚大だったにも関わらず、メディアで取り上げられることがほとんど無かった山元町の状況をネットの力で伝えたいという想いから、この街との関わりを持ち、予想外のところからこのボランティア活動が始まったということでした。震災当初、パソコンの設置などを行ったがお年寄りも子供も有効に利用することが出来なかった課題があり、パソコンで何がしたいかということをヒアリングして回った時に、津波被害にあった写真のデジタル化の要望が出たことを切っ掛けに思い出サルベージが始まりました。洗浄した写真をデジタル化し、持ち主に返していく過程で溝口さんは写真が被災者にとって切実なニーズだったと気付いたそうです。


津波被害が大きかった山元町では時間の経過にしたがって、被災者の人達の会話が「生きていて良かったね」から「ご遺体が戻ってきて良かったね」そして「写真が戻ってきて良かったね」に変わり、「これでようやく妻の遺影が作れる」といった言葉をかけていただいたこともあったそうです。津波に家を流されてしまった方も多く、自分がどう生きてきたかといったアイデンティティを昔の写真の中に見出したり等、写真が人々の心の拠りどころであることが分かり、写真をITの力を使って返していく中で、顔認識技術がご家族を見つけたり、両親と間違って認識される過程で家族との繋がりを再認識したりなど、ITの力でひとつの写真の意味合いにも広がりが出たそうです。被災地の予想外の出来事の連続に対応していく中で、ITの活用できる領域、やり方に応じて見出せるITの可能性に気付いたとのことでした。


中高生が大人の背中を見てITを学ぶ石巻

おなじく宮城県の石巻会場からは「イトナブ」の代表である古山さんによる発表でした。冒頭、2014年3月11日の震災の時刻に石巻港に鳴り響く哀悼の警笛と共に黙祷を捧げている古山さんの姿の動画から発表が始まりました。あの日を境に夢や希望、家族や友達など多くの想いのつぼみが失われてしまった代わりに、多くの人との出会い、その繋がりを今は大切に、そして太くしていこうと思いを新たにしたとのことでした。イトナブは震災からの復興だけでなく、震災以前の元の石巻に戻したくないという古山さんの思いから、10年後の2021年までに石巻から1000人のIT技術者を輩出することを目標に活動しています。当初、イトナブとは「IT x 学び x イノベーション x 営む」の造語でしたが、参加する子供達が遊びを通して学んでいく様子から最近では「IT x 学び x イノベーション x 営む x 遊ぶ」の造語に変化したそうです。


イトナブの方針は「学び方」に表れていて、教育のカリキュラムや教科書、パソコンなどの機器を用意するだけではダメで、子供達がプロスポーツ選手に憧れを持つように、いかに大人のIT技術者の背中に憧れを持ち、自ずとそうした大人達を目指して学んでいく環境を用意していくかということを常に意識しているとのことでした。


そうした子供達を触発するだけではなく、イトナブに関わる大人達もそうした子供達に触発されていくことが、過去に開催された2回の石巻Hackathonから見えてきているようです。今夏も石巻Hackathonは開催されるとのことで、このブログをご覧の皆さまも大人の背中を見せに、そして、そこから刺激を受けて子供達と共に成長するために、2014年7月25日から27日の予定は空けておき、ぜひ、石巻Hackathonに参加しましょう!


他地域からの発表の様子もおってレポート掲載していきますので、お楽しみに!

仙台の発表(YouTube)

石巻の発表(YouTube)




復旧 復興支援データベースAPI ハッカソン レポート

スタッフの鎌田(@4niruddha)です。


2012年6月2日、三菱総合研究所さんの会議室をお借りして、復旧・復興支援制度データベースAPI ハッカソンを実施いたしました。
みなさんはオープンガバメントという活動をご存知でしょうか。透明でオープンな政府の実現を目的とした取り組みのことで、近年ではオバマ大統領が就任直後に“一層開かれた政府”を目指すために「透明性」「市民参加」「官民連携」の3原則を表明し、行政の情報公開や市民の政策参加などを推し進めています。その中でもアメリカ政府が保有している様々なデータをインターネットを活用して可視化するサイト「Data.gov」の活動が世界中で注目を集めており、各国でも同様のサイトが立ち上がっています。

こうした動きを受けて、日本でも国や地方自治体が提供している被災者や被災地域の事業者向けの復旧・復興支援制度を提供するAPIが公開されています。今回の復旧・復興支援制度データベースAPI ハッカソンでは、このAPIを使って、どのようなアプリケーションやサービスが開発できるか議論し、実際に開発を進めることを目的としました。APIやサイトへの問題点や要望などがあれば、経済産業省にフィードバックすることも可能です。

国や地方自治体が提供する支援制度を受けるためには、いくつかの申請項目、書類等を用意する必要があり、通常は行政書士や税理士の方々の力を借りるのが一般的です。そのため、今回は被災地で働く行政書士、税理士の方にもお越しいただき被災地での申請状況等を伺いつつ進める形を取りました。

経済産業省からの説明

経産省の守谷さんより、今回の復旧・復興支援制度データベースの活動の主旨をご説明いただきました。

震災から1年以上経った今も、被災地に必要な情報の開示や集約が行われていない現状から、国や自治体が発信している情報を一元化しネット上で公開を始めたのが、そもそものきっかけだったそうです。先の震災で国や自治体が旧来のあり方から変わらなければならないという考えも更に強いものとなり、また、被災地の復興に向けてどのように情報を届けるのか第一課題としてあるので、今後の公共のあり方としても開発者の方達と連携を深める必要があると考えていたとのことで、諸外国の中でも日本は遅れた位置にあるのでオープンガバメントという活動は今後一層の推進をして行きたいとおっしゃっていました

次に今回の復旧・復興支援データベースの説明を同省の平本さんよりしていただきました。
去年の3月11日の震災時における緊急対応から、復興フェーズでの被災者支援制度と支援制度のフォローアップを一体として可視化していくためのデータベース化、および制度の見える化サイトの必要性が高まっているという背景があったとのことです
今現在、518件の支援制度が登録されいているが、そもそもは各省庁から被災者向けのハンドブックや自治体からの通達など支援制度の情報がバラバラに配布されており、それらは日本語で書かれているのだが、フォーマットが揃っていないことなどで、被災者自身によって有用な情報を探すことが難しい現状でした。こうした現状を踏まえ、国においてオープンガバメントを推進する部門に所属することから、情報が一元化されたサイトの立ち上げ、さらにはデータベースの情報をAPIから取得可能とし、公開たという経緯がありますしかし、課題はいくつも存在しているとも平本さんは指摘されています。各省や自治体によって支援制度の内容や構成にばらつきがあり、画一的なフォーマットから情報を入手することができていないという点です。現在はシンプルさと情報の正しさに重きをおいて情報の入手に努めていますが、今後は制度を登録するタイミングで分かりやすく登録してもらうようにして行きたいと考えているとのことでした

基本的な使われ方としては、被災者の方が相談窓口などにいらした際に、行政書士さんなどが窓口でDBを利用していただき適用可能な制度を探していただくという形で利用されています。ユーザーインターフェースに分かりにくいところがあるのは十分に理解しているので、今後はそうしたところの改善も図って行きたいと考えているそうです

このようなオープンガバメントに関するご意見、ご説明を頂きました。

参加者の自己紹介

そしてハッカソン恒例の参加者の自己紹介タイムですが、今回のハッカソンでは開発者の他にも様々な方々にご参加いただきました。オープンガバメントに興味があって参加された方、行政書士という立場で復旧・復興支援制度データベースを利用されている方、海外の被災者の方をサポートしている方、行政書士、税理士の方。全体の比率で言うと、開発者が6割、その他の行政書士や税理士などの方の参加が4割といった感じでした。
また、国が提供している良い支援制度が利用者に届きにくい、分かりにくい現状を改善するようユニバーサルメニューといった形で、被災者の方々に支援制度情報を分かりやすく届けるサイト復旧復興支援ナビ」を運営されているNPO団体アスコエさんや、今回の復旧・復興支援制度データベースサイトやAPIを開発された函館の株式会社マイスターさんもSkype経由で参加されました。

開発元の方が参加したことや、今回の開発者の多くがWEB系の経験をお持ちだったこともあり、既存のサイトに対する意見やAPIに対する意見など、復旧・復興支援制度サイトやAPIの改善について非常に建設的な議論ができたと思います。

被災地で働く税理士さんからのインプット

今回のハッカソンでも被災地の現状を共有し、アイデアに活かすという観点から、いわき市に在住で被災者の方に支援制度を案内している税理士、木幡仁一さんに現地の状況をお話いただきました。

被災直後の状況

福島第一原発から50kmほど離れた場所にお住まいで、4号機の話に関しては今現在も予断を許さないことから毎朝状況を確認されていて、被災直後は海から離れていたが自宅は全壊、事務所は無事といった状況だったとのことです。ちょうど3月11日は確定申告の締切ギリギリであったため、小名浜で申告の手伝いをされていたそうです。

震災直後は電話不通、メールも時々しか繋がらないし、ネットも光回線が2~3日不通の状態が続き、電子政府の一環でネット対応していたため、光回線が不通だと仕事が全くできなくなったそうで、こうした面でも我々インターネットが生業に不可欠な業種にとって、考慮しておくべき課題が明らかです。また、スタッフとお客様の無事の確認された後、原発の話が挙ったそうなのですが、当初、地元では深刻に受け止めれられていなかったとのことでした。しかし、事態が明るみになるにつれ、深刻な状況ということが分かり、14日の午前中に事務所の作業をとりやめ、バックアップを持って車のガソリンで逃げれるところまで逃げてくれと指示を出してスタッフに解散命令を出し、避難をしたのち17日に事務所再開のための準備に着手して、28日から事務所を再開されたそうです。

被災地での対応

震災直後の混乱時に金融機関からの引き落としなど、お金の運用面が被災地で事業を営むお客様の心に最も心配を与えていたとのこと。そこで各金融機関に震災時の緊急対応の状況を電話でヒアリングをして、その状況をホームページで掲載。確定申告直前での震災であったため、金融機関は融通が利いたが、リース会社など一部の所は問答無用で引き落としが行われる等、被災者の方々が知らなければならない情報も数多くあったそうです。その後も継続して金融機関の情報を発信することで被災者のサポートを行ってこられたとのことでした。

支援制度の現状

国や自治体の用意する支援制度はその種類も多種多様なだけでなく、対象となる支援先の定義も多種多様であるため、利用に際した判断が非常に難しいものとなっていて、支援制度自体も被災の状況が明らかになるにつれ、その内容に変更が加わったりもしたそうです。
例えば、支援制度の1つに、津波で流された家と家の境界となるコンクリートの基礎の部分を対象としたものがあったが、その支援制度ができた当初は家の基礎の部分は線引きの判断対象には含まれていなかったなど、支援制度も運用の実態の中で変わることもあれば、必要な手続きや中身が簡略化されたり、定められた期限が変わったりすることもままあるようです。
他にも支援制度の申し込み案内が細かすぎて、すべてを精査できる税理士さんのようなプロでないと、どの支援制度が良いのかといった判断がつかないものも多数あるのが現状とのことでした。

こうしたプロである税理士さんが仲介せずに個人で申請などを実施したケースで申請が不受理された場合などでは、その理由がクローズドなものになってしまい、知見が共有されずに支援制度の導入が被災者の間で進み辛くなってしまう等の問題も指摘されていました。
その後の質疑応答にて経産省の守谷さんから説明があり、復旧・復興支援データベースAPIで提供する国や自治体の支援制度は、データの正当性に重きを置いているため情報量が冗長になりがちで、仲介する人間が存在するという過程で作られているとのことから、将来的には直接利用者に届くデータも提供も視野に入れているとのことでした。

アイディアソンからハッカソン

さて、午後は国や被災地域からのシェアに基づき支援制度を被災者や被災地域の事業者の方々に向けて、より届けるために何ができるかという視点でアイディアソンを実施し、その流れでもの作りをできるところはハッカソンに移るというスタイルで進めました。チーム分けはアイデアがある人や、テーマを定めてそちらに賛同する人が集まるという形で実施し、以下のチームに別れて作業を開始しました。

中身検索ビジュアライズ

このプロジェクトは、これまでHack for Japanのハッカソンにも何度か参加してくださっている冴木さんが、復旧・復興支援データベースに登録された国や自治体の支援制度には様々なものがあり、これらを検索して利用するシステムに疑問を感じられ、それをきっかけに復旧・復興支援制度を視覚的に分かりやすくビジュライズ化しようとする発想のもと、今回のハッカソンに向けてプロトタイプを事前に作られていました。
一目で全体像が見渡せるデザインと制度間の関係性を明らかにするために、登録されている支援制度のデータを基にクラスタ分析を行い、他の支援制度との関係を樹形図に表すことでその関係性を可視化し、ディレクトリをたどることで求める支援制度にたどりつくようなUIを模索する中、現在登録されている支援制度のデータフィールドにおける「内容」フィールドは分かり難いものだが分類自体は細かくできたり、「対象者」フィールドは見ると対象者は分かりやすいが分類はし辛いなどの特徴を見ることができたそうです。これは支援制度のデータ登録時におけるフォーマットのバラツキであったり、支援制度自体のバラツキであったり、その原因は様々なものがあるかと思いますが、副産物としても復旧・復興支援制度データベースに対する課題提起という側面があった有意義な発表でした。

検索ノーマライズ

続いて、こちらも参加前にアイデアを暖めてくださった本間さんらによるもので、個人向け支援制度の検索を試していた際に「こども」だとヒットするが「子供」だとヒットしないなどの問題に気付かれた参加者の方が、漢字でも仮名でも検索にヒットしたり、完全一致だけでなく、曖昧一致などでも復旧・復興支援制度データベースの検索結果でヒットさせようという試みでした。発表では本文から仮名データを作成し、仮名検索の実現や類義語で自動検索をしたり、検索候補のツリー表示や、分かり難い検索画面のデザインの見直しなどの提案が行われました。検索ノーマライズチームはハッカソンから数日で第一弾をリリースし、現在も随時アップデートを行っています。(http://masap.sakura.ne.jp/hack_for_japan/search_normalize/



ダッシュボード

伊津野さん、久保さんによるダッシュボードチームでは、検索する行為自体の障壁を下げるために、面倒な検索作業をより簡単にするためのアイデアをたくさん発表していただけました。その中で実際にAPIを利用してみた際に気付いた課題等も共有していただけました。
まず、どのチームからも共通して出た意見として「被災者や被災地域の事業者にマッチする支援制度を探し出すのに一苦労する」という点で、復旧・復興支援制度データベースを利用する人にマッチしたおすすめであったり、支援の期限が迫っている支援制度を優先表示するなど、支援制度の検索結果に関する指摘がありました。また、検索結果をそのまま利用するためにファイルのダウンロード機能の実装や、カテゴリを選択した瞬間に支援情報を表示するなどの案がエンジニア目線でのUI改善案として提案されました。
また、APIを触った感想として、都道府県別や役所毎の支援制度の数をグラフ化しようとしたり、日付順で支援制度を表示しようなどと試みたが、そうした情報がフリーフォーマットのフィールドにばらついて登録されているため、そこから抽出するのが困難な構造になっていて、支援制度の詳細な情報に正しくたどり着くのが難しかったことから、登録時の入力フォーマットなどに対する建設的な意見が提案されました。さらにAPIが返すデータとしてJSONが必要と言った、Webエンジニアの目線での利用促進案が提案されました。

地理情報

嘉山さんらによるこのチームは被災者が制度を利用する時に地理情報を元に利便性を向上させることを目的として発表を行っていただきました。まず、支援制度は複雑な申請フローに加えて、たくさんの申請書類が発生しますが、それらの書類をどこで入手したらよいのかをいちいち探し出すのが申請者にとって負担になっているのではないか?といった仮定でアイデアをブラッシュアップされていました。
被災地域では津波や原発問題により、居住区が元の場所とは異なっている被災者の方も多く、また申請に必要な書類を入手できる役所も一カ所とは限らないことから、窓口での手続きの負担を下げるために、制度を選択すると手続きしたい人の現在位置の位置情報を元に、申請に必要な書類とその書類を取得できる役所などが表示され、それがTODOリストにでき、地図とも連携して表示するサービスのアイデアを提案していただきました。さらには近隣の手続きを相談できる税理士や司法書士の方のリストやその事務所への地図等とも連携することで、支援制度を利用する負担を大幅に軽減できるものです。ただし、これを実現するためには既存の復旧・復興支援データベースの情報では足りないものもあり、今後の改善案として、申請書類とその取得先の対応関係のデータや、申請書類の提出締切などの期間データの提供を復旧・復興支援データベースに求められていました。

プレゼンソン

峯さんと牟田さんによるこのチームは復旧・復興支援データベースに登録されている支援制度が複雑で、どういった条件で、どういった人が対象で、いついつまでに申請しなければならない等と言った情報が分かり難く表現されているため、これを誰でも分かるレベルまで噛み砕いてスライドにすることで、被災者の方が支援制度を知り、有効活用できるように支援するものとなりました。

当初はたくさんあるものの登録されている支援制度の大部分をスライド化する見込みは立っていましたが、実際に行政書士の方と組んで実施したところ、1支援制度あたり2人で1時間スライド化するのに時間がかかったそうで、想像以上に困難だということが分かりましたが、この活動は引き続き北鎌倉のワークスペースにてプレゼンソンという形で引き続き実施される予定です。

Facebookプッシュ

このチームは支援制度を必要としている被災者や被災地域の事業者向けにプッシュ通知で送ることができないかを検討したチームで、議論の中で被災地でFacebookを利用している人は少なかったが、震災時からTwitterを利用する被災地の方が増えたという情報を元にユーザーがTwitter上でOAuth連携を行うことで、登録された居住区に対する申請が追加された際にプッシュ通知でお知らせしてくれるというサービスのプロトタイプを開発し発表してくれました。



復旧復興支援ナビ

このチームは復旧・復興支援データベースで公開されているような支援制度をより分かりやすく、被災者の方が見つけることができるようにユニバーサルUIという方針のもと、データ提供しているNPO団体のアスコエさんが公開している復興支援ナビを改善するために、何ができるかという検討を行政書士さんや税理士さんを中心に議論されました。
議論の中で、こうしたサイト運営にかかる費用面の問題が大きく、そのことからサイトのマネタイズによった案が多く寄せられ、そこを起点にサイト改善、被災者へのよりよいデータ提供と言った形に議論が発展し、発表が行われました。




カレンダー

Hack for Japanのスタッフが多かったこのチームは、いくつもある国の支援制度でも締切などの期限があるところが可視化されていない点に着目し、カレンダーなどで分かりやすく表現するためのアイデアを発表していただきました。
まず、APIを経由してcronでGoogleカレンダーにデータをインポートし、制度開始、申請開始でエントリーと締切でエントリーを実施し、その結果をTwitterのbotで地域ハッシュタグ付きでTweetするなどの利用例をいくつか挙げてもらいました。しかし、その過程でAPIの課題であったり、登録されている支援制度のなかにフリーフォーマットで登録されているものが多く、「窓口にお問い合わせください」という形でシステムとして利用するには困難なものや、制度自体に依存関係が存在し、申請するには他の制度の申請が必要だったりするものがあり、単純にカレンダーに紐つけることが難しいものがあるため、よりシンプルな形での支援制度のあり方の指摘に繋がりました。

API機能追加

私も参加したこのチームでは公開された復旧・復興支援データベースAPIの問題点をインターネット企業に務めるメンバー全員で棚卸しして列挙し、このAPI自体がもっと利用されるためにはどうしたらよいかを議論し、参加されている経産省の方や開発に当たったマイスターの方々にお伝えすることで改善を促すことを実施しました。 まず、大きな問題として最初に指摘させていただいたのは、公開されているAPIの仕様がPDFやWORDで公開されており、WEBでの閲覧性を高めるためにHTML化を実施する要望を出させていただきました。先の震災でも政府から公表されるデータがことごとくPDFであったため、公開データを利用しようとするエンジニア達がわざわざOCRにかけてテキスト情報を抽出するといった手間をかけていたためです。
これに対し、チームメンバーの三部さんにより、その場でPDFのAPI仕様書をHTML化して公開をして、インターネット企業のスピード感を感じる一幕も有りました。
HTML版 ※6/2時点でHTML化したものにつき、仕様の閲覧は本サイトを推奨http://dmikurube.github.com/r-assistance-API/API-reference.html
その他もAPIのレスポンス構造からシステムのデータベース設計まで想像できるような形であり、APIのレスポンスとしては不自然な箇所やフリーフォーマットが多いため、その中に必要とする情報が埋もれてしまうことから、自然言語処理をかけることで特徴語などを抽出し、タグ化などを行うことで情報への到達性を高めるための工夫を提案しました。

支援制度登録のつぶやきbot

ハッカソン当日ではありませんが、後日、参加者である返町さんが、復旧復興支援制度が登録された翌日につぶやく非公式botをリリースしました(Twitterアカウントは@rrasbot)。searchSupportInformationsで、IDを拾ってきて、各IDからgetSupportInformationで詳細を拾うというものです。申請期間から、「もうすぐ開始です」、「開始されました」と言ったことをつぶやくことを目指したものでしたが、申請期間のフォーマットがまちまちなためデータベースに登録された日の翌日につぶやくようになっています。

このハッカソンを通じて

今回のハッカソンを通じて、復旧・復興支援データベースAPIを公開している経産省に対して、利用者側からの様々な意見を提示することができました。
すばらしい支援制度がいくつもある状況であるのに、それが求められている被災者や被災地域の事業者に届いていなければ意味がありません。その状況に問題意識を持ちオープンガバメントの概念で支援制度を集約してデータベース化しAPIとして公開した経産省、そしてそのAPIでハッカソンを実施し、そのAPIに求められる機能等を利用者の立場から改善案を提言したり、APIを利用したサービス案を出し合い実際に開発したりする今回の参加者の方々など、オープンガバメントの名の下に政府と共に国をより良くするための市民参加がうまく行えたハッカソンとなりました。
しかし、これはきっかけに過ぎず、この活動を通してより支援制度が利用者に対して提供しやすくならなければなりません。オープンガバメントの活動も我々の税金によってまかなわれているという点で、その効果が現れなければ、すばらしい試みだとしても継続していくのが困難になっていきます。当日のハッカソンに参加できなかった方も、このブログをご覧になった方々も、ぜひ復旧・復興支援データベースAPIを利用し、サービス開発をしていただき、課題や問題があれば政府に対して要望としてフィードバックをしていただければと思います。  



当日のUSTは以下からご覧頂けます。
http://www.ustream.tv/channel/hack4japan

Hack For Japan 第5回スタッフミーティング

【会場】

  • 日時: 84日(木)19:00
  • 場所: Google 六本木オフィス
  • ust: http://www.ustream.com/channel/takoratta
  • 出席者:吉岡、及川、高橋、岩切、松田(遠野スタッフ)、山崎、石野、笹島、佐伯、鎌田、関、冨樫、白石、川崎
  • オブザーバー:ニッポン放送 鳥谷、清原

【アジェンダ】

7/23 アイデアソン・7/30 ハッカソン振り返り

  1. フォローアップ(以下、送ったメールから)
    • サイト上でのイベント情報の更新(イベント終了の通知)とりあえずの処置は及川のほうでやっておきました。抜けやミスがある可能性があるので、石野さん、確認お願いします。本格的な情報の追加はおいおい 石野さん、お願いします
    • 発表資料などが届けば掲載します。[TODO]
    • アンケートの集計及川のほうで8/3までに行い、次回スタッフミーティング前までにシェアしておきます。
    • 発表資料の整理東京会場は及川のほうで取りまとめをしています。遠野もすべてまとまっており、ブログ掲載済です。他会場は?
      • 仙台、会津のとりまとめを佐々木さん、小泉さんにお願いする。[TODO]
    • 写真すでに集まってきているから大丈夫かな?
    • ustのアーカイブ東京会場は石野さんにお願いできているのかな。他会場は?
    • ブログどなたか!
      • 東京会場のブログ(高橋さん;基本レポート、佐伯さん;補完+デザイナー目線)[TODO]
      • 会津若松会場のブログ(佐々木さん?要確認)[TODO]
    • 会場係から感想など(よしおか)
      • 片付けをしない人が多かった。勉強会の作法としては、後片付けまで参加者に啓蒙していく必要がある。
  1. [仙台会場所感]

    ・アイディアソンは石井力重さんの進行が素晴らしかった

     アンケートにも出ていますね。頼んで本当に良かったです!

    ・ボランティア等技術者以外からの参加がにごく少数だった

    前回はかなりいたんですが。ボランティア団体に宣伝する前にアイディアソンは満員になってしまったので。アイディアソンはハッカソンより大きい箱を用意した方が良いかも知れません。

    ・ハッカソンはチューターが大活躍

    今回学生の参加が多かったこともあり、プログラム初心者が多くアイディアをそもそもどう実現すればよいかわからないというチームも出ていました。チューターがそのあたりをうまく拾ってサポートしてくれていました。そのため、チューターがRubyiPhoneTwitterAPIに偏ったのが悔やまれます。

    ・プロジェクトの継続を促すためのFacebookグループが結構活発

    仙台の前回開催で生まれたPJ2つは東京中心へ移行、1つは企業が行う、残りは立ち消えとなっています。この反省からFacebookグループを作ってハッカソン当日から使うようにしてみました。うまく当たったのか結構活発に投稿されています。

      • Hack for Japanfacebookグループを作成。及川さん[TODO]
  2. アンケート結果のレビュー https://docs.google.com/a/google.com/spreadsheet/ccc?key=0AvnK59H5VA5RdHltQjBEMVdWTWU1WjBJOFdmUWppdmc#gid=0
    • 意見あり、苦言あり
      1. 現地のものを首都圏で展開したい
      2. もっと幅広い人材に参加いただいたほうがよいのではないか?
      3. 被災地の現状を把握できていない参加者が多い
      4. Hack for Japan、必要なものの説明が足りなかった
      5. 会場間のコミュニケーションをもっと積極的に利用してもらう仕組みを用意できないか?
      6. 東京に拠点を用意するボランティア団体に参加してもらい現地の意見を聞けるのではないか?[検討事項]
      7. プロジェクト間の横のつながりや複数のプロジェクトに横断しての参加を促してはどうだろうか?
        • ひとりの参加者の方はスタッフがフォローしよう
      8. SI、運用よりの参加者がいると助かる
        • MLで聞いてみる[TODO]
      9. アイデアソン、ハッカソン以外の「~ソン」があってもいいのではないでしょうか?
      10. 各会場間の連携をスムーズにしたい。
        • 東北の会場は東京向けにお話してくれているのではないか?
        • 東北の会場で必要なものの要件を詰めて、アイデアができてから東京の参加者に開発を依頼するオフショア的なスタイルを検討[TODO]
      11. 自己満足になっていないか?
        • 生の声をもっととれるようにする必要があるのではないか?
        • 東京会場の参加者を被災地に視察に行ってもらえる仕組みを準備できれば。
        • 宮城でも仙台以外の場所でも開催を検討する[TODO]
  3. 新しくなったプロジェクト一覧ページに合わせて、プロジェクト運営方法にも多少の修正が加わりそう。意識合わせをしておきたい(白石)
    • ハッカソンにてアップデート
      1. 一覧サイトの運営をどうするか?
      2. データ元のテンプレートに適宜変更を加えていく必要がある
    • 問い合わせ先の用意
      1. 月一回の更新リマインダーを投げる仕様を検討中
      2. 終了ステータスのプロジェクトにはリマインダーを投げないような仕様にしたい
      3. メアドの掲載を避けたい人もいるので、Twitterアカウントではどうか?
      4. Hack for JapanのアカウントでフォローしてH4Jアカウントから連絡をとる
        • 連絡先の掲載などを避けたい参加者がいた場合は個別対応でとりあえず現状対応していく
      5. メンバー募集中ステータスの用意
        1. 状態の管理に関しては、終了のものをアーカイブに寄せてショーケースからは非掲載にしていく
          • アクティブなものをショーケースで掲載していく。非アクティブなものは掲載しないのシンプルな形にする。
          • 非アクティブでアーカイブに寄せたあとに参加者から復活してくださいの意見が寄せられれば、アクティブに直す。
        2. 人材募集は欲しい職能もわかるようにすると良い。
        3. 一般の人が見ていないというスタンスで開発者に向けたサイトとして特化したほうが、サービスの誕生を促しやすいのでその方向に方針変換しました。
      6. Google Moderatorでのアイデア投稿の今後
  4. 遠野まごころネットの現状報告、フィードバック(いわきりさん)
    • リニューアルに関して神奈川の参加者もジョインして実施中
    • 仮設住宅にネットカフェを設置活動の実施中
      1. カフェに設置する機器は準備中(無線、PCを準備中)
      2. 要望などを受けてアップデートしていく予定
    • 関さんのブログ
    • 雇用が生まれるモデルケースを共有するなどを考えよう
  5. Tシャツプロジェクト
    • まだコードTシャツが欲しい参加者が居る
      1. 初回受注生産限定で作ったもの。(石野)
      2. 復刻版として1年後に販売するとか
      3. 他デザインに関しても岩切さんの業者の仕組みを見て判断する。
    • Tシャツの販売では注文・入金の確認、メールなどの運用面の負荷がある
      • 被災地で請け負える業者の方を現在確認中、検討結果をPJに連絡します [TODO](岩切)
      • レベニューシェアで2割程度を義援金として運用するなどの案を検討しています
  6. 次回の開催はどのようにやりますか?
    • ハッカソン以外にできることについて、時間があればブレインストーミングしてみたいです(関)
    • (ゆるいですが)『継続性』をしっかり考えていきたい(川崎)
      1. (継続性1)プロジェクトが発生する状況を持続させるために
        1. 複数拠点同時開催である必要はあるか?
        2. キャラバン的に全国回っても良いかも。
        3. 参加動機には「○○のエバンジェリストに会いたい」というところもある。
        4. 無理に同時開催はしないで、各会場で実施時期をずらしていく
        5. 有名な人の参加は東北の会場では喜ばれる
          1. 沿岸部の人はイベントの実施自体でも喜ばれ、活発な展開になる
          2. 内陸部の人はIT情報の入手などの目的も含まれるので、エヴァンジェリストの参加などが喜ばれ、参加を促す形になる
            • 同時開催をしない形でエヴァンジェリストを集結させて開催など
          3. 小泉さんに企画を検討してもらう[TODO]
        6. Hack For Japan Tech Talkといった感じのイベントは出来ないか?

          上記の「エバンジェリストに会いたい」に通じますね。また、ハッカソンで○○APIが使えるとなっていても、たとえチューターがいてもすぐにその場で使えるとはならないものです。そこでHack For Japanで利用できるAPIの解説やハンズオンがあるイベントなどいかがでしょう?

      2. (継続性2)始まったプロジェクトが続くために
        1. Power Apps JapanMA7 などのコンテストで、モチベーションアップ?
        2. 収入?(遠野モデルの共有)
          • プロモーションの活動の場として利用してもらうことでモチベーションアップに使ってもらう
          • コンテストの連携などで打ち上げ花火だけで終わらない形を考えておく必要がある
          • Just GivingHack for Japanとしての連携がとれれば収入とモチベーションを維持するアイデア
          • 既にあるNPOに相乗りする形では?
      3. (継続性3)Hack For Japan 運営自体
        1. 運営自体はバジェット0でも概ね問題なく進行できている。すごい!
        2. 会社の出張にできない場合の地方会場への交通費を捻出する方法とか?仙台への交通費は「東北ITコミュニティ復興支援基金」からとかで。
        3. 日本版 Code for Americaみたいにして、Fellow 制度+寄付金を募る? http://codeforamerica.org/
          • 企業のCSR活動で寄付金を募るのもあるが、その活動に関しても運営に大きくリソースがかかる。
          • 小物の購入費、被災地での宿泊費が全てスタッフのお財布からという問題
          • NPOではなく任意団体として会計報告をして運営していくなど検討
          • 想定される運営費用をリストアップして棚卸しして今後の方針を検討する。及川さん [TODO]
  7. 次回
    • 2011年9月5日 19:00~ 開催、場所未定

(文責)Hack for Japanスタッフ 鎌田篤慎

Hack For Japan 塩竈市浦戸諸島視察レポート

スタッフの鎌田です。

2011年7月3日、前週のスタッフ関さんに引き続き、Hack For Japanメンバーでもあり仙台在住の小泉さん(@koi_zoom1)のコーディネートで、Hack For Japanメンバーと前日に行われたデブサミ東北の関係者で、津波被害の大きかった浦戸諸島の視察に行ってきました。Hack For Japanは震災直後から活動しておりますが、いつも課題として挙るのは被災地以外の地域から参加する開発者が被災地の様子、状況を知る術が限られている所にあります。今回の視察も前回の関さんによる取材に加え、被災地の状況を伝えることでアイデアソン、ハッカソンに参加する開発者の着想に繋げられればという思いと、ITの力を使って復興を促進させるための視座を手に入れるという目的を持って行ってまいりました。
今回は浦戸諸島の中から、寒風沢(さぶさわ)島と桂島を回ってきました。小泉さんと一緒に浦戸諸島ご出身の土見大介さんに案内していただき、被災された方々のお話を聞く貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

津波被害に見る塩竈と浦戸諸島の関係

小学校で習うのでご存知の方も多いと思いますが、一般的に湾口が広く本土に近づくにつれて狭くなる構造の海岸を「リアス式海岸」と呼び、本土に近づくほど津波被害が大きくなりますが、塩竈と浦戸諸島はその逆に湾口が浦戸諸島により覆われ狭く、本土に近づくにつれ湾が大きくなる構造から、浦戸諸島は防波堤のような形で津波被害を受けてしまった影響で、その被害状況は非常に大きなものとなっています。それに対して塩竈のほうは他の地域と比較すると津波被害が少なかったようです。とはいえ、写真のような形で随所に津波の傷跡が残っています。このように東日本大震災の被災の状況は土地によって全く異なり、十把一絡げな対応が難しいところがあります。

塩竈から浦戸諸島への航路

塩竈から浦戸諸島にかけてはマリンゲート塩釜より市営の汽船が運行されています。マリンゲート塩釜も津波による被害の痕が見て取れますが、地元の人々に寄る復興バザーなどが催されており、復興への息吹が感じられました。マリンゲート塩釜より乗船すると、その航路の中ではカモメが船に寄り添う形で追いかけて来ます。乗客はその追いかけてくるカモメに餌を与えることなどができ、地元の観光局も紹介しないような穴場とのことです(小泉さん情報)。そして、より小さい船に乗り継いで行き寒風沢島に入ります。このことからも震災当時、浦戸諸島が孤立してしまう状況は想像に難くありません。

寒風沢の被災状況

傷跡も生々しい寒風沢島の漁港に到着すると、副区長の島津功さんに出迎えていただきました。一般的には町長さんの立場にある方を浦戸諸島では区長と呼ばれ、島民の方を束ねて各所と調整されています。寒風沢島は高齢化も進んでおり、震災直後の3月の寒さや介護問題が大変だったとのお話でした。そうした若者が非常に少ない環境でもあり、インターネットを活用した情報配信活動はおろか情報収集も非常に困難な状況ということをお話を伺って痛感しました。また、普通の携帯電話もキャリアによっては回線が安定しないのと、メールでのスムーズなコミュニケーションに関しても難しいという状況です。寒風沢島内の小学校が避難所として使われており、そこに併設する形で仮設住宅が設置されています。先日伺った時には避難所に14人程度の方がいらっしゃいました。震災後は最大200人ほどの人達がこの避難所に避難されていて、ライフラインは5月まで復旧されず、それまでの間は皆さんはテントでの共同生活が続いたそうです。水道管は本土から海を渡って引かれており、それが津波によって破壊されました。そして今も下水処理などに関しては復旧の見込みが立っていないようですが、バイオ処理のトイレなどの導入によってある程度の改善が見られているとのことでした。色々な所で言われていることですが、ライフラインとしてのプライオリティは水道、電気、ガス、電話などの復旧は比較的はやく進みますが、インターネットの回線の復旧などは遅く、さらにそれが島である場合はより遅れる傾向が分かります。我々の活動を直接このような場所で展開するためには、インフラ面の整備は必須でありますが、それらが困難である現状では別のアプローチでこうした土地の被災された方々への対応を検討する必要がありそうです。

島津さんのお話によると、寒風沢は農業と漁業の兼業が主体の島であるところが、津波による防波堤の破壊により潮の満ち引きに対応することができず、海の水がそのまま田畑に流れ込む塩害により農業の実施がほぼ不可能になっており、かつ、第一種漁港(※地元の漁船を対象とした漁港)のために国から当てられる予算が少なく、着工から40年かけてようやく開港した漁港が今回の津波により使えないほどに破壊されてしまった状況でもあるため、国に対して支援を要請しているそうですが、様々な要因により未だに修復の目処がたたないとのことでした。被災された地域に残って生活することを望む人々に対して、ITの力でどういう支援ができるのか、考える必要があるように思います。

桂島の被災状況

寒風沢島の次に小舟で桂島へ入り、島の説明を土見さんにしていただきました。桂島は島の形状で人の通る道を中心に「凹」の構造であったために、両脇にぶつかる津波が通りに入ってきて、その部分の引き潮などの被害が大きかったようです。また、津波の被害を正面から受ける形になった砂浜側はコンテナが漂着しており、また、今も震災直後のような様子を保っているかのように流れ着いた家屋の瓦礫が今も全くの手付かずという状態でした。これは島という地理的構造上、港からの重機の搬入がままならないのと、瓦礫の搬出も同様の理由で困難な状況にあるからです。こうした物理的に復旧作業が困難な場合、ITの力は後方支援的に物理的な復旧活動を効率化する方向に向けたほうが結果として被災地の復旧を早めるかたちになる感触を持ちました。

一通り桂島を回ったあとに、桂島の高台で浜辺が一望できるペンション鬼ヶ浜を営む鈴木芳明、美智子ご夫妻から、ご飯を出していただきつつ震災当時のお話を伺うことが出来ました。地震が起きてから、津波が到達するまでお二人の感触では1時間半から2時間くらいあったとのことで、一望できる浜辺の水が全て引いてしまってから、津波を遠目に目視できた直後はあっという間に津波が迫ってきたのだそうです。ここでもやはり津波によるライフラインの破壊が著しく、電気と共に本土から水道管で引いていた水も津波による影響で水道管が破壊され不通になったとのことでした。

浦戸諸島視察の最後はHack for Japanメンバーの小泉さんの実弟でもあり、浦戸諸島で漁業も営んでいる小泉善雅さん(写真奥が小泉善雅さん、写真手前が小泉(@koi_zoom1)さん)から、活動されている「うらと海の子再生プロジェクト」のお話を伺うことが出来ました。こちらのプロジェクトは、インターネットを使って全国から浦戸で獲れる牡蠣や海苔などの一口オーナーを募り、そのオーナー料を被災の影響で破壊されたものの修繕にあてつつ、漁業の再興を目指した活動となっています。なお、浦戸四島の被害総額は約10億円にものぼり、国からの保証はその内の2/3程度。高齢化も激しい土地であるため漁業を辞める人が多く、再開に手を上げる人々は少なかったが、桂島の若手を中心に再建活動が始まったようです。なお、全国から寄せられた金額は1億7千万も超えていて、今後の継続展開を考える上で、その使途の透明化を直近の課題としているとのことでした。7月に社団法人化して組織体制を強化し課題解決に取り組んでいくとのことです。浦戸諸島のこのプロジェクトをモデルケースとして、他被災地の漁業関係者にも展開していく展望をお持ちでした。こうしたITを活用した事例はテンプレート化できる好例のように思います。ひとつの成功事例をモデルケースとし、インターネットによる購買サイトなどの提供などは漁業に限らず、他の分野でも応用ができる話でもあるので、CMSの提供やその運営を手伝うことでも十分に復興支援になり得る実感を持ちました。

今回の視察では浦戸諸島という構造上の理由から、比較的に震災直後の状況に近い状態が保たれてしまっている点で、現在の復興フェーズの視点に加えて、復旧フェーズにおいて何が必要であるかを改めて考える契機にもなりました。インターネットが重要なインフラとして認知されていくよう、IT業界全体としても努力していく必要があります。

7月23日アイデアソン、30日ハッカソン (仙台・会津若松・遠野・東京)

もうすでに告知されておりますが、7月23日、30日(仙台・合図若松・東京・遠野(遠野は23、24日))にてアイデアソン、ハッカソンを実施いたします。また、先だってスタッフ関さんより案内がありましたとおり、遠野まごころネットさんのご協力を得て、7月23日、24日の二日間でアイデアソン、ハッカソンを実施いたします。遠野では初開催となります。

なお、7月23日のアイデアソンでは各4会場をUSTでつないだ形で各地からの情報をシェアする形になります。ご参加できない場合でも、ぜひUSTをご覧になってください。USTの案内はHack for Japan公式Twitterアカウント(@hack4jp)よりお知らせいたします。また、お知り合いにもご参加いただけるよう、ぜひともご紹介ください。

第2回アイデアソン東京会場からのレポート

先週に実施された Hack for Japan 第2回アイデアソン東京会場の様子をお伝えいたします。

今回のアイデアソンは仙台、会津若松、東京、高松、福岡とロンドンなど、各会場をネットでつないで、会場を超えて被災地の声や状況を共有し、参加者が考えるプロジェクトのアイデアに活かそうというチャレンジングな試みでした。また、前日にラジオ番組にてプレイベントとしてラジオアイデアソンが実施され、こちらも好評に終わりました。

ラジオの力
東日本大震災では津波に寄る被害で多くの通信手段が断たれ、その中で情報を伝える手段としてラジオの力がおおいに見直されました。第2回アイデアソン/ハッカソンでは、ニッポン放送「オールナイトニッポンGOLD app10.jpさんのご協力を得て、今回のアイデアソンのプレイベントとして番組内でリスナーの方に「被災地の人達を笑顔にする(心の救援物資)アプリ」をテーマにアイデアソンをしていただきました。事前のニッポン放送さんとのミーティングにて、リスナーの方達の特性としてパーソナリティーの声を真剣に受け止め実際に活動を起こす人が多いという話がありました。たとえば募金や古いラジオを被災地に送るという企画がラジオで放送された後すぐに、リスナーの方がニッポン放送のオフィスに義援金やラジオなどを直接持って訪れ、東北大震災以降はほぼ毎日リスナーの方がそういった活動をするためにニッポン放送さんを訪れるのだそうです。こういった姿勢はラジオがリスナーに対して語りかけて届くという特性によるものかもしれません。

そして、リスナーの方から集まったアイデアをパーソナリティーの吉田さんがアイデアソン東京会場にお持ちいただき、その場でそのアイデアを採用するチームが手を上げてくれました。

ITボランティアの活動の声、被災地の声
今回、東京会場では実際にITの力をボランティア活かす活動をしている助けあいジャパン藤代さんのお話とsinsai.infoのAPIの紹介を上野さんに、仙台会場からはHack for Japanスタッフの西脇さんによる被災地のIT活用状況の報告とトライポッドワークスの佐々木さんによる被災地報告、会津若松からは災害対策本部の目黒さんによる会津若松市の状況、元気玉プロジェクトの貝沼さんからは活動の紹介とそこから見えた避難者の課題をそれぞれご紹介いただきました。被災地からの声に関しては各会場からの報告に任せるとして、東京会場での様子と反応のあった被災地の状況をこの場でご報告させていただきます。

まず、助けあいジャパン藤代さんからの現地のボランティアの状況をお話いただきました。現地では3/11の地震以降、余震や阪神大震災時の受け入れ態勢の不備の経験からくる懸念などから、ボランティアの自粛が世の中の支配的な意見でした。その影響で現地では地震に加え津波により阪神大震災の時よりも遥かに大きい被害であるにも関わらず、ボランティアの数が阪神大震災の時の1/6程度しか集まっていないという厳しい状況がシェアされました。現在、助けあいジャパンはボランティア情報のデータ化とデータを利用したマッチングサービスや本当に被災地で求められているサービスの推進に励んでいて、今回もボランティアAPIをご紹介いただきました。

もうひとつ被災地からの声として、Hack for Japanスタップ西脇さんからの現地報告でも回復が進む電気や水道などの生活インフラに対して、IT(光回線など)のインフラの回復が進まない現状がシェアされました。これは我々インターネット業界で働く人間にとって、大きな課題かもしれません。世の中の不可欠なインフラとして認識を世間で得られるようにHack for Japanも開発者の皆さんを支援していくように努力いたします

アイデアソンの成果
東京会場では各地のスピーカーの方達の報告やニッポン放送さんのアイデアをもとにチームに分かれてアイデアをブラッシュアップして、それぞれ形にしていただきました。

(1) 情報再利用推進
再利用を意識したデータ入稿の仕組み・Hack For Japan他の支援活動の整理
http://bit.ly/kzxWp2

(2) 元気ッズ
子供のための情報のマッピング
#hack4jp 東京会場 (2)『元気ッズ』チーム:大きな子供達

(3) IT広報/後方支援
Hack for Japanなどで開発された成果物を広く世の中に広めるための広報後方支援
#hack4jp 東京会場 (4)『IT広報/後方支援』チーム:裏方黒子さん
(4) このまちだいすき
地元愛、地域コミュニティの活性を震災復興と紐つけたサービス
#hack4jp 東京会場 (3)『このまちだいすき』
(5) Ninjapan 1.2.3
地震直後にとるノウハウなどの情報を共有するサービス
#hack4jp 東京会場 (6)『Ninjapan 1・2・3』チーム:TeamRock
(6) ダジャレクラウド
ダジャレをオンラインで募集してシェアする笑顔を作るサービス(ニッポン放送さんから)
#hack4jp 東京会場 (5)『ダジャレクラウド』チーム:ハガキ職人志望
(7) 復興イイネ
ボランティア、復興支援活動などで評価されるサービスに「イイネ」することで信頼性を付与するサービス
#hack4jp 東京会場 (7)『復興イイネ』1-4

皆さんのアイデアをもとにハッカソンが開催されました。被災地にサービスが届くようHack for Japanも支援していこうと思います。

Hack for Japan スタッフ 鎌田篤慎